第80期順位戦C級2組7回戦
少し間が空いてしまいましたが、11月11,18日に順位戦C級2組7回戦の対局がありました。このクラスは人数が多いためか、最終の11回戦を除き、2日に分けて行われています。
この中で私が注目していたのは、新人王戦で優勝した伊藤匠四段と瀬川晶司六段の対局です。先手の瀬川六段が矢倉に誘導し、伊藤四段は急戦調の駒組みを進めます。瀬川六段が飛先の歩を交換し、3筋と6筋の歩も取ってから▲6六飛と引き角と交換します。伊藤四段が左銀を前進し四段目に銀2枚を並べると、瀬川六段は▲3五角~▲4六角打と2枚角で後手陣を睨みます。伊藤四段は△4五桂と跳ね、瀬川六段が▲5五歩と銀取りに突いたのを手抜いて△3七桂不成~△4九桂成と金桂を取ります。瀬川六段も▲5四歩と銀を取り▲5三銀~▲7三角成と後手玉に迫りますが、伊藤四段は攻防に△5九飛と打ち、△8六桂から先手の玉頭に迫ります。瀬川六段は▲6三馬の王手飛車から飛車を取りますが、伊藤四段は角を取り返してから△7八銀不成と詰めろを掛けて寄せ切りました。伊藤四段が攻め込まれながらも思い切りよく攻め合い、鮮やかに一手勝ちを収めました。
他の主な注目対局の結果は以下の通りです(左が勝者)。
梶浦宏孝七段 - 今泉健司五段
服部慎一郎四段 - 田中寅彦九段
佐々木大地五段 - 西川和宏六段
池永天志五段 - 田中悠一五段
八代弥七段 - 長沼洋八段
富岡英作八段 - 本田奎五段
高田明浩四段 - 佐藤慎一五段
私が注目している棋士の中では、服部四段が6勝0敗でトップに立ちました。他には西田五段が並んでいます。前節まで全勝だった本田五段が敗れ、伊藤四段と並んで5勝1敗で追っています。現時点で全勝は2人、1敗が6人となっており、佐々木五段、池永五段、八代七段は4勝2敗で追っていますが、昇級に向け残りを全勝する必要がありそうです。3枠しかない昇級に向け負けられない戦いが続いています。
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