第82期順位戦B級2組5回戦

10月25日に順位戦B級2組5回戦の一斉対局がありました。

私が注目していたのは、今期3勝1敗の谷川浩司十七世名人と、4勝0敗の藤井猛九段との好調同士の対局です。先手の藤井九段が初手に三間飛車に振ると、谷川十七世名人も4手目に三間飛車に振り、相振り飛車の将棋となります。藤井九段が角を交換してから向かい飛車に振り直して▲7五銀と繰り出すと、谷川十七世名人は△4四角と据えて先手の飛車を睨みます。藤井九段が▲8四歩から銀交換すると、谷川十七世名人は7筋を歩で攻めて"と金"を作ります。谷川十七世名人が△6六角と金を食いちぎり、7筋に2枚目の"と金"を作ると、藤井九段は▲3五角と据えます。谷川十七世名人は飛車を追い、藤井九段が▲5五飛とかわすと、飛角両取りに△4四銀右と出て角銀交換します。藤井九段は竜を作って後手玉に迫りますが、谷川十七世名人は△8五角と据えて先手陣を睨み、"と金"を寄せて攻め合います。最後は先手からの攻撃を凌いだ谷川十七世名人が、△6九角と打ち込んで寄せ切りました。

他の主な対局結果は以下の通りです（左が勝者）。
　郷田真隆九段 － 久保利明九段
　大石直嗣七段 － 高見泰地七段
　石井健太郎六段 － 及川拓馬七段
　丸山忠久九段 － 青嶋未来六段
　渡辺和史六段 － 松尾歩八段

戸辺七段が5勝0敗で単独トップに立ち、私が注目している藤井(猛)九段、石井六段を含む5人が、4勝1敗で追っています。高見七段、青嶋六段、渡辺(和)六段は3勝2敗ですが、前期は8勝2敗が昇級ラインでしたので、諦めずに勝ち星を積み重ねて欲しいと期待しています。