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第82期順位戦B級1組6回戦

9月28日に順位戦B級1組6回戦の一斉対局がありました。

私が注目していたのは、4勝1敗で昇級争いをリードする羽生善治九段と増田康宏七段の対局です。先手の羽生九段が相掛かりに誘導し、お互いに飛先の歩を交換してから角交換します。羽生九段が▲7七桂と跳ねると、増田七段は飛先の歩を合わせて、7筋の横歩も取ります。羽生九段が▲5六角と据えると、増田七段も△5四角と打ちます。羽生九段は1筋の端攻めを交えて攻め掛かりますが、増田七段も銀を繰り出して反撃します。増田七段は成銀で3筋の桂を食いちぎってから飛車を8筋に戻し、羽生九段が2筋に歩を合わせますが、構わず△8九飛成と竜を作ります。羽生九段が2筋に"と金"を作り、▲6五銀と角を追うと、増田七段は△2七角成~△3七馬と銀を食いちぎって攻め込みます。増田七段が銀と香で先手の飛車を追うと、羽生九段は飛車を見捨てて後手の竜を金と交換します。増田七段が飛車を先手陣に打ち込んで竜を作ると、羽生九段も馬を作って後手陣に攻め込みます。増田七段は先手からの攻撃を凌ぐと、竜と成香で先手玉を包囲し寄せ切りました。

他の対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
 糸谷哲郎八段 - 木村一基九段
 近藤誠也七段 - 佐藤康光九段
 千田翔太七段 - 澤田真吾七段
 三浦弘行九段 - 横山泰明七段
 屋敷伸之九段 - 山崎隆之八段

増田(康)七段が5勝1敗で再び単独トップに立ち、糸谷八段、羽生九段、千田七段の3人が4勝2敗で追う展開となりました。抜け番のある三浦九段と大橋七段は3勝2敗となっています。ここまでともに0勝5敗と星の上がらない横山七段と木村九段にも、巻き返しを期待したいと思います。


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