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第4回ABEMAトーナメント最後の1チームが決定

4月3日、第4回ABEMAトーナメントのエントリートーナメントが放映されました。チームリーダーのドラフト指名で決定した14チームに、この日に勝ち残った3名で構成される1チームを加え、第4回ABEMAトーナメント予選に出場する15チームが確定します。

■関西ブロック(34名参加)
準決勝 (先)黒田五段 vs 増田(裕)六段
力戦調の将棋になりましたが、玉頭に厚みを作った増田六段に対して、黒田五段が敵陣の隙に角を打ち込み馬を作って寄せ切りました。

準決勝 (先)出口五段 vs 小林(裕)七段
角換わりの将棋となり、後手小林七段が最新型の△3三金に構えました。出口五段も積極的に仕掛けていきましたが、うまく受け止めた小林七段が反撃し、長手数の即詰みに討ち取りました。

決勝  (先)小林(裕)七段 vs 黒田五段
相掛かりの将棋となり、黒田五段が序盤から飛車で銀を食いちぎって攻勢に出ましたが、小林七段が落ち着いて自陣に飛車を打って受け止め、反撃に転じてからは鮮やかに寄せ切りました。

■関東Aブロック(35名参加)
準決勝 (先)井出五段 vs 杉本(和)四段

プロ入り同期の若手振り飛車党同士の対決となりましたが、先手の井出五段が四間飛車に振り、杉本四段は居飛車に構えました。中盤に杉本四段が△5七桂と打ってからペースを掴み、井出五段の反撃をかわして勝利を掴みました。

準決勝 (先)梶浦六段 vs 田中五段
田中五段が角交換振り飛車を採用し穴熊に囲いましたが、梶浦六段は守りの銀をするすると前に進め、敵陣の玉頭を崩してから角と飛車で右辺を攻め、一気に寄せ切りました。

決勝  (先)杉本(和)四段 vs 梶浦六段
杉本四段が四間飛車に振りましたが、梶浦六段がお互いの囲いが完成する前に7筋から積極的に仕掛けました。対抗形らしい攻防が繰り広げられましたが、梶浦六段が飛車取りを放置して寄せに入り、最後は即詰みに討ち取りました。

■関東Bブロック(36名参加)
準決勝 (先)塚田九段 vs 松尾八段

後手の松尾八段が横歩取りに誘導しましたが、塚田九段は横歩を取らずに徐々に優勢に進めます。松尾八段は絶体絶命の局面から攻防の角を打ち一時は逆転かとも思われましたが、時間を残していた塚田九段はいったん受けに回り、最後は長手数の即詰みに討ち取りました。

準決勝 (先)藤森五段 vs 三枚堂七段
先手の藤森五段が四間飛車穴熊を選択すると、三枚堂七段はミレニアムで金銀4枚の堅陣に囲います。藤森五段は3三の地点を執拗に攻め、三枚堂七段が粘る展開となりましたが、藤森五段は終始思い切り良く攻め続け、勝利を掴み取りました。

決勝  (先)塚田九段 vs 藤森五段
注目の師弟対決となり、後手の藤森五段がまたも四間飛車穴熊を選択すると、塚田九段も居飛車穴熊に構えます。塚田九段が先に1筋から仕掛けると、藤森五段は機敏に7筋の歩を伸ばして優位に立ちます。最後は藤森五段が角や竜を切って受けなしに追い込み、師匠の塚田九段が苦笑いを見せての投了となりました。

■15チーム目のメンバーが決定

◎小林裕士七段
1997年プロ入りの44歳です。竜王戦1組昇級経験もあり銀河戦準優勝の実績もある、早見え早指しの居飛車党です。
準決勝・決勝では、C級2組からの昇級を果たした若手精鋭を相手に、序中盤はあまり時間を使わない作戦が奏功し、終始落ち着いた指し回しが光りました。

◎梶浦宏孝六段
2015年プロ入りの25歳です。前期竜王戦では決勝トーナメントでベスト4まで進出した、今後の躍進が期待される若手居飛車党です。
準決勝・決勝では、若手らしい思い切りの良い指し手が目立ち、切れ味鋭い将棋を魅せてくれました。

◎藤森哲也五段
2011年プロ入りの33歳です。新人王戦2期連続準優勝の実績があり、ABEMAでは実況名人として知られています。
今回は初戦から全局振り飛車穴熊を採用し、日頃Youtubeで鍛えた早指しへの適用能力の高さを見せつけました。

実力で出場を勝ち取った15チーム目のメンバーが決まりました。ドラフトで選抜された14チームと違い、絶対的なエースはいないかもしれませんが、総勢105名が参加したエントリートーナメントを勝ち上がった3名で構成されるこのチームは、最も穴のないチームと言えるかもしれません。いずれも勢いのある攻めを得意とする3人ですが、ベテラン・中堅・若手と、バランスの取れた構成になった気がします。来週から始まる予選でも、ドラフト指名されなかったことを見返すような活躍を期待したいと思います。

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