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第82期順位戦B級1組10回戦

12月21日に順位戦B級1組10回戦の一斉対局がありました。

私が注目していたのは、8勝1敗で昇級争いをリードする増田康宏七段と、5勝4敗で負けられない澤田真吾七段の対局です。先手の澤田七段が相掛かりに誘導し、お互いに飛車先の歩を交換します。澤田七段は4筋の位を取り、増田七段が6筋の位を取ると、角を交換します。増田七段が△3三角と打ち直すと、澤田七段は後手の角を追い、銀桂交換してから▲7三角と打ち込んで反撃します。増田七段は飛車を見捨てて角を取り、2枚の桂で先手玉に攻め掛かりますが、澤田七段は▲8二飛と王手で打ち込んで竜を作ります。増田七段は竜銀両取りに△6三角と打ち、竜と角を交換して優勢になります。増田七段は△3七飛と打ち込んで詰めろを掛けますが、澤田七段はこの一瞬の隙を突き、王手金取りに▲4四桂と打ち、▲6三馬と金を食いちぎって王手し、そのまま即詰みに討ち取りました。

他の対局結果は以下の通りです(左が勝者)。

 屋敷伸之九段 - 糸谷哲郎八段
 三浦弘行九段 - 佐藤康光九段
 近藤誠也七段 - 大橋貴洸七段
 木村一基九段 - 羽生善治九段
 山崎隆之八段 - 横山泰明七段

昇級争いの上位陣が相次いで敗れ、波乱の展開となりましたが、増田(康)七段は敗れながらも8勝2敗で単独トップをキープしています。抜け番だった千田七段が6勝3敗、澤田七段ら6人が4敗で追う大混戦となっています。
次の11回戦では、あと1勝で昇級が決まる増田(康)七段は大橋七段と、千田七段は羽生九段との対局が組まれており、楽しみにしたいと思います。


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