見出し画像

第3回AbemaTVトーナメントの面白さ

毎週(ほぼ)土曜日に放映されているAbemaTVトーナメント、非公式戦ですが観る将にとっては非常に面白いトーナメントですね。

団体戦
幼い頃から将棋に打ち込み、ずっと個人戦を戦ってきたプロ棋士たちが、初めて団体戦という形で戦うだけでも画期的なことだと思います。「初めて他人の将棋を本気で応援した」と語った棋士がいましたが、団体戦で勝つ喜び・負ける悔しさを知ることは、彼らの人生の中で大きな経験になることでしょう。

ドラフト
プロ野球のドラフトと違い、各リーダの個性が出ていましたね。勝負にこだわる人、同期あるいは同門で固める人、同じ戦型や同じ趣味で固める人、等々。個人的には、谷川九段をこのトーナメントに引っ張り出した佐藤康光九段の指名に感激しました。

フィッシャールール
チェス界ではお馴染みだそうですが、5分の持ち時間で1手指す毎に5秒増えるというこのルール、1局20分程度で決着するスピード感が嬉しいですね。今までのプロの早指し棋戦では、持ち時間を使い切っても一手30秒考えることができましたが、このルールでは最後は5秒以内に指さないといけなくなります。観る側は、何かとんでもないことが起きることも期待しているわけですが、今のところ、反則負け(時間切れや二歩等)のような事態は発生していないようです(簡単な詰みの見逃しくらいは希にあったかもしれませんが)。最終盤にチェスクロックの叩き合いになると、解説者でさえ何が起こっているのかわからない状況になりますが、多少慌てた様子は見せても大チョンボはしないプロのテクニックを観るだけでも、このトーナメントを観る価値はあると思います。

棋士の人となり
カメラの前なので素顔とまでは言いませんが、各棋士が対局者あるいは解説者として見せるのとは別の姿を見せてくれるのが良いですね。私は藤井棋聖があそこまで屈託なく笑う姿を初めて見て、ますますファンになりました。
「観る将」初心者の私にとって、このトーナメントで初めて見る棋士が大勢いました。彼らがどんな顔をしていて、どんな将棋を指すのか観ることができ、今後様々な棋戦を観戦する幅が広がった気がします。

このトーナメントもいよいよ8月1日から本戦準決勝ですね。私は藤井棋聖のファンとして、もちろんチーム永瀬に勝って欲しいのですが、若手有利と言われるこのルールで奮闘するチーム康光も応援しています。また、どのチームが勝つにせよ、ここまで勝ち残ったチームの各メンバが、限られた時間の中で力を出し切って、最後にとびきりの笑顔を見せてくれることを期待しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?