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第82期順位戦B級2組9回戦

2月14日に順位戦B級2組9回戦の一斉対局がありました。

私が注目していたのは、7勝1敗で昇級争いのトップに立つ大石直嗣七段と、4連勝後の4連敗でこれ以上負けられない藤井猛九段の対局です。先手の藤井九段が四間飛車に振ると、大石七段はお互いに囲いが整う前に7筋の歩を突き捨て袖飛車に構えます。藤井九段も3筋の歩を突き捨ててから飛車を3筋に振り直すと、大石七段は△5五角と飛び出し、1筋の歩を突き捨て、△1一角成と香を食いちぎります。大石七段は取った香を金銀の田楽刺しに△3六香と打ち、△4七飛成と金と刺し違え、藤井九段が玉を上部に脱出すると、王手飛車取りに△5五金と打って飛金交換します。藤井九段は▲3三歩と銀頭を叩いて反撃しますが、大石七段は自陣に飛車を打って凌いでから、寄せ切りました。

他の主な対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
 松尾歩八段 - 久保利明九段
 丸山忠久九段 - 深浦康市九段
 高見泰地七段 - 佐々木慎七段
 石井健太郎六段 - 飯島栄治八段
 青嶋未来六段 - 杉本昌隆八段
 行方尚史九段 - 渡辺和史六段

大石七段が8勝1敗となり、最終局を待たずに昇級を決めました。残り2枠の昇級争いは、深浦九段と私が注目している高見七段、石井六段、青嶋六段の4人が7勝2敗で並んでいます。順位が上の高見七段と深浦九段は、最終10回戦に勝てば昇級となります。
一方、残念ながら杉本八段ら6人の降級点(*)が決まりました。既に降級点のある飯島八段、中村(修)九段、畠山(鎮)八段、井上九段の4人はC級1組への降級となります。残り1枠の降級点争いは、前期はB級1組を戦った久保九段が3勝6敗で圏内に沈んでいます。順位が上のため、最終10回戦に勝てば逃れることができそうですが、敗れると降級点が付与されます。

(*)降級点
B級2組以下のクラスでは、成績が悪くても1期で降級することはなく、成績下位の一定人数に「降級点」がつけられる。降級点はB級2組とC級1組では2つ累積、C級2組では3つ累積すると降級する。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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