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2022年度将棋大賞 女流記録部門の状況

将棋界では年度毎に将棋大賞の表彰があります。2022年度も残すところ1か月程となりましたので、現時点の女流の記録状況を確認しておきたいと思います。


過去5年の受賞者

女流棋士の記録部門としては、対局数のみ表彰されています。日本将棋連盟HPを確認すると、過去5年の受賞者は以下のようになっています(敬称略)。

2021年度 伊藤沙恵(53)
2020年度 加藤桃子(43)
2019年度 伊藤沙恵(46)
2018年度 伊藤沙恵(36)
2017年度 伊藤沙恵(41)

女流最多対局賞の状況

1位 西山朋佳(63)
2位 加藤桃子(48)
3位 里見香奈(47)

近年は女流棋戦の増加に伴い、女流棋士の対局数は増加傾向にありますが、西山女流三冠は女流棋士に転向したばかりで予選から参加した棋戦が多く、しかも挑戦者になるまで勝ち上がって番勝負を戦っているため、独走で自身初の女流最多対局賞受賞となりそうです。この対局数は、過去最高記録の55局を既に大きく上回っており、新記録となります。
今年度は西山女流三冠と里見女流五冠が、23局(タイトル戦だけで21局!)も対戦しています。これは棋士の記録と並べてもタイ記録だそうで、女流としては新記録となります。2人はこれ以外にも数多くの男性棋戦に出場しており、大忙しの1年となりました。
(蛇足ながら、タイトル戦が続いて話題となった昨年度の藤井竜王と豊島九段の対局数は16局、タイトル戦だけで14局でした)

女流棋士の勝数の状況(参考)

1位 西山朋佳(44)
2位 加藤桃子(36)
3位 里見香奈(32)

西山女流三冠が2位以下を大きく引き離し、勝数ランキングでも1位となる可能性が高くなっています。なお西山女流三冠の勝数は、過去最高記録の40勝を塗り替える新記録となります。

女流棋士の勝率の状況(参考)

1位 加藤桃子(0.750)
2位 甲斐智美(0.727)
2位 伊藤沙恵(0.727)

まだ対局がある毎に順位が入れ替わるデッドヒートとなっており、誰が1位となるのかわかりません。勝率1位の常連だった里見女流五冠と、勝数1位の西山女流三冠は、お互いの星のつぶし合いもあり今年度の勝率では苦戦しています。

女流棋士の連勝の状況(参考)

1位 西山朋佳(11)
2位 加藤桃子(10)
2位 渡辺弥生(10)

現時点では連勝ランキングでも西山女流三冠が1位となっています。加藤(桃)女流三段が10連勝継続中、木村女流1級が8連勝継続中なので、年度末までに抜け出す可能性があり、注目していきたいと思います。

※今年度の数字は2023年2月28日対局分まで(未放映のテレビ対局を除く)。出典:日本将棋連盟HP

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