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第2回女流ABEMAトーナメント ドラフト結果

10月2日、第2回女流ABEMAトーナメントのドラフト会議が放映されました。男性のABEMAトーナメントが団体戦になって2回目が終了し、いよいよ女流ABEMAトーナメントにも団体戦が初めて適用されます。ABEMAトーナメントでは棋士同士のあまり知られていない交友関係や、棋士が見方を応援する際に魅せる素に近い表情が観られました。女流ABEMAトーナメントでも、女流棋士のそういう姿が浮き彫りにされていくのを楽しみにしています。

今回リーダーに指名されたのは、里見香奈女流四冠、西山朋佳女流三冠、渡部愛女流三段、加藤桃子女流三段、伊藤沙恵女流三段、山根ことみ女流二段の6人です。各リーダーが誰を指名し、どんなチーム構成となったのか、確認しておきたいと思います。

■里見香奈女流四冠
一巡目:清水市代女流七段
二巡目:里見咲紀女流初段
監督 :中村太地七段
チーム名「不動」

里見女流四冠自身が更新するまで女流タイトル獲得通算43期の最多記録を保持していたレジェンド清水女流七段と、実の妹で先日のマイナビ女子オープン本戦で初の姉妹対決を実現した里見(咲)女流初段を獲得しました。ベテランの清水女流七段のフィッシャールールへの適応と、里見(咲)女流初段の活躍が鍵になりそうです。

■西山朋佳女流三冠
一巡目:上田初美女流四段
二巡目:山口恵梨子女流二段
監督 :藤井猛九段
チーム名「ウォリアー」
 ※10月9日に監督とチーム名が公開されたので更新しました。

選んだ理由が「対戦成績が0勝の方」ということで、女流タイトル獲得通算2期の強豪上田女流四冠と、先日の白玲戦順位決定リーグ戦でも敗れた山口(恵)女流二段を獲得しました。最近各棋戦で上位に食い込むことが増えた山口(恵)女流二段の活躍に期待が掛かります。

■渡部愛女流三段
一巡目:中井広恵女流六段
二巡目:和田あき女流初段(抽選負け)
    内山あや女流2級
監督 :広瀬章人八段
チーム名「North」

清水女流七段と二強を形成していた女流タイトル獲得通算19期のレジェンド中井女流六段と、2020年12月にプロ入りしたばかりの17歳の新鋭内山女流2級を獲得しました。ベテランの中井女流六段のフィッシャールールへの適応と、抽選負けして他に強豪が残っている中で指名した内山女流2級の活躍が鍵になりそうです。

■加藤桃子女流三段
一巡目:香川愛生女流四段
二巡目:野原未蘭女流初段
監督 :渡辺明名人
チーム名「野生の桃」

幼いころから切磋琢磨してきたという女流タイトル獲得通算2期の香川女流四段と、2020年9月にプロ入りしたばかりの18歳の新鋭野原女流初段を獲得しました。アマ時代は英春流という独特の将棋で活躍した野原女流初段が、フィッシャールールという超早指しルールで英春流を魅せてくれるのか楽しみにしたいと思います。

■伊藤沙恵女流三段
一巡目:石本さくら女流二段
二巡目:室谷由紀女流三段
監督 :屋敷伸之九段
チーム名「ネバギバ」

若手で進境著しい石本女流二段と、第1回女流ABEMAトーナメントにも出場している室谷女流三段を獲得しました。第1回女流ABEMAトーナメントで優勝したリーダーが、20代の実績あるメンバーと組んで連覇を成し遂げることができるのか注目されます。

■山根ことみ女流二段
一巡目:塚田恵梨花女流初段
二巡目:和田あき女流初段
監督 :森内俊之九段
チーム名「ひよっこ」

今回のリーダー6人の中で最年少のリーダーが、日頃から仲の良い同世代の塚田女流初段と和田女流初段を獲得しました。男性のABEMAトーナメントでも徐々に深まっていくチームの絆がポイントの一つとなっていましたが、開催前から既にできあがっているチームワークを活かして勝ち上がることができるか楽しみです。

◆優勝候補は?
超ベテランのレジェンドから、まだあまり実績のない新鋭まで、幅広くバラエティに富んでメンバーが指名され、どのチームが勝ってもおかしくないメンバー構成となりました。比較的に実績ある中堅どころで固めた、チーム西山とチーム伊藤を優勝候補として挙げておきたいと思います。野原女流初段のフィッシャールールへの適応力を期待してチーム加藤、20代前半の同世代で固めたチーム山根を対抗として挙げておきます。

また今回は棋士が監督に就く形になっており、どのように関わってくるかでチーム力が変わってくる可能性があります。女流としては初めての団体戦でどのようなドラマが展開されるのか、楽しみに観戦したいと思います。

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