第82期順位戦B級1組11回戦

1月18日に順位戦B級1組11回戦の一斉対局がありました。

私が注目していたのは、6勝3敗で昇級争いの単独2番手の千田翔太七段と、5勝4敗で負けられない羽生善治九段の対局です。先手の千田七段が角換わりに誘導し、相腰掛け銀の将棋となります。羽生九段は飛車を4筋に回して先受けしますが、千田七段は8筋に玉を入城して4筋から仕掛けてから、7筋の桂頭を攻めます。羽生九段が△6三角と桂頭を受けてから9筋を端攻めすると、千田七段は▲4二歩と飛頭を叩いて飛車を8筋に追い、香取りに▲4四角と打ちます。羽生九段は銀で角を追い、千田七段が銀取りに▲2五桂と跳ねると、9筋で香を入手して△2四香と打って飛桂を田楽刺しにします。千田七段は飛車を見捨てて▲3三桂成から銀と金を取って▲1一角成と馬を作り、羽生九段が先手の金頭に△8六飛と走ると、取ると詰みがあるので玉を7筋に上がってかわします。羽生九段は角で金を食いちぎり、先手玉を下段に落として詰めろを掛けますが、千田七段は▲3三金から長手数の即詰みに討ち取りました。

他の対局結果は以下の通りです（左が勝者）。
　糸谷哲郎八段 － 三浦弘行九段
　佐藤康光九段 － 屋敷伸之九段
　横山泰明七段 － 澤田真吾七段
　木村一基九段 － 山崎隆之八段
　大橋貴洸七段 － 増田康宏七段

増田(康)七段は敗れながらも8勝3敗で単独トップをキープしています。千田七段が7勝3敗、糸谷八段と大橋七段が6勝4敗で追う展開となり、昇級争いは上位4人に絞られつつあります。
一方3人が陥落する残留争いは、残念ながら木村九段と横山七段の陥落が決まっています。残り1枠は、4勝6敗の三浦九段と5敗勢6人が争う大混戦になっています。
次の12回戦は、増田(康)七段は抜け番、千田七段は屋敷九段と、糸谷八段は羽生九段と、大橋七段は横山(泰)七段との対局が組まれており、痺れるような戦いが続きます。