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第80期順位戦C級2組の展望

今期の順位戦のC級2組は、53名が参加して10局ずつ戦い、上位3名が昇級し下位11名に降級点(*)が付きます。前期は9勝1敗の2名と、8勝2敗の3人の内最上位の1名が昇級を果たしています。参加人数の割に昇級枠が小さく、実力がありながら昇級できていない若手有望株が多いので、誰が駆け上がっていくのか楽しみです。

今期の注目棋士をリストアップしておきたいと思います。

梶浦宏孝七段
2015年プロ入りの25歳です。
前期竜王戦では決勝トーナメントでベスト4に進出する活躍を見せ、今期竜王戦でも4組優勝し決勝トーナメント進出を決めています。順位戦でも前期8勝2敗と好成績を収めましたが、順位の差で頭ハネとなり次点に泣きました。今期は順位も上がり有力な昇級候補です。

服部慎一郎四段
2020年プロ入りの21歳です。
昨年度は12連勝を記録するなど、各棋戦で活躍を見せました。現在進行中のABEMAトーナメントでは、糸谷八段と藤井二冠から重複指名を受けた若手実力者です。前期順位戦では頭ハネに泣きましたが、今期は順位もジャンプアップし昇級を目指します。

佐々木大地五段
2016年プロ入りの25歳です。
王位リーグや棋王戦挑決トーナメントなど、度々上位に進出している若手実力者です。今期王位リーグでも永瀬王座を破って残留を果たしました。そろそろ殻を破って欲しいと期待しています。

池永天志五段
2018年プロ入りの28歳です。
昨年度は新人王戦を制し、将棋大賞の新人賞を受賞しています。更なる飛躍が期待される若手の一人です。

八代弥七段
2012年プロ入りの27歳です。
朝日杯で優勝した実績のある若手実力者です。今期竜王戦では、渡辺名人を破って2組準優勝を果たし、決勝トーナメント進出を果たしています。いつ昇級してもおかしくない実力の持ち主だと思います。

本田奎五段
2018年プロ入りの23歳です。
初参加の棋王戦でタイトル初挑戦を果たした若手実力者です。昨年度は、あまり目立つ活躍がありませんでしたが、一層の飛躍を期待したい若手の一人です。

伊藤匠四段
2020年プロ入りの18歳です。
藤井二冠と同学年で、現時点の最年少棋士です。現在進行中のABEMAトーナメントでも鮮烈なデビューを飾っており、初参戦の順位戦でも昇級争いに加わることを期待しています。

高田明浩四段
2021年プロ入りの18歳です。
3人目の藤井世代として4月にデビューし、順位戦も初参戦です。まだ将棋を観たことはありませんが、藤井世代の一人として注目していきたいと思っています。

(*)降級点  出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
B級2組以下のクラスでは、成績が悪くても1期で降級することはなく、成績下位の一定人数に「降級点」がつけられる。降級点はB級2組とC級1組では2つ累積、C級2組では3つ累積すると降級する。

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