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「観る将」が観た第46期棋王戦挑戦者決定二番勝負第一局

12月18日に行われた棋王戦挑戦者決定二番勝負第一局を観た感想です。
棋王戦は、本戦トーナメントのベスト4以上は2敗失格制となり、敗者復活戦があります。挑戦者決定戦は、勝者組優勝者は2局のうち1回勝てば、敗者復活戦優勝者は2連勝で挑戦権獲得となります。今期は勝者組優勝者が広瀬八段、決勝で敗れた糸谷八段が永瀬王座を破り、敗者復活戦優勝者として挑戦者決定戦に駒を進めてきました。

振り駒で先手となった糸谷八段が角換わりから早繰り銀を採用すると、広瀬八段は腰掛け銀に構えます。手順こそ違いますが、本戦トーナメント決勝と同じ戦型になりました。糸谷八段が▲3五歩と仕掛けると、広瀬八段は△6五歩と応戦します。糸谷八段は▲5六角から銀交換し2-3筋からの突破を狙いますが、広瀬八段は△3三桂~△3五銀と相手の飛車と角を抑え込みます。更に△1五歩から角に圧力を掛けると、糸谷八段は▲6三角成と銀と交換し、▲1五香と香を取り2枚替えにして均衡を保ちます。

難解な中盤戦となりましたが、糸谷八段は▲7二銀の割打ちから相手守備陣の金を剥がし、▲6三角と敵玉に迫ります。広瀬八段が△3七とと飛桂両取りを掛けましたが、飛車を見捨てて▲4四桂と跳ねたのが好判断だったようで、形勢は糸谷八段に傾いたようです。広瀬八段は△5六角と攻防の角を打ち、相手の攻撃の要となっていた桂を外して粘ります。最後は広瀬八段が△4七飛と攻防の飛車を打って手渡ししましたが、糸谷八段はこのチャンスを逃さず長手数の即詰みに討ち取りました。

この結果、次の第二局の勝者が渡辺棋王への挑戦権を得ることになりました。年度最後のタイトル挑戦に向け、白熱した好局を期待したいと思います。

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