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第79期順位戦C級1組の展望

C級1組は今期37人が10回ずつ戦い、1人増えて3人となった昇級を目指しています。前期は全勝の藤井七段(当時)と、9勝1敗の3人の中で最上位の1人が昇級しています。今期は枠が1人増えたとはいえ、2敗すると昇級は厳しくなるかもしれません。8月までに3回戦を終えていますが、1敗までの17人の中から私が注目する棋士をリストアップしてみます。

高橋九段
1980年プロ入りの60歳です。55年組の一人で、王位などタイトル獲得5期、A級在籍13期の大ベテランが、3連勝の好スタートを切りました。矢倉を得意とする重厚な指し回しで、昇級争いに食い込めるか注目です。

増田六段
2014年にプロ入りした22歳です。今期は3連勝と好スタートを切りました。
「矢倉は終わった」「詰将棋は将棋の上達には関係ない」といった大胆な発言が注目されてきましたが、新人王戦を連覇した実力の持ち主です。先日の第3回AbemaTVトーナメントでは、永瀬二冠や藤井二冠とのチームで優勝に貢献しています。

石井六段
2013年にプロ入りした28歳です。前期も9勝1敗の好成績でしたが、昇級直後で順位が低かったこともあり頭ハネを喰いました。今期も2連勝(2回戦は抜け番)と好スタートを切り、リベンジを狙います。第3回AbemaTVトーナメントでは、チーム渡辺の一員として準優勝に貢献しています。

高見七段
2011年にプロ入りした27歳です。前期9勝1敗の成績でようやくC級2組からの昇級を果たし、今期は連続昇級を目指します。タイトル戦に昇格した第3期叡王戦において、決勝七番勝負を4連勝で制して初代叡王になった実力者です。

都成六段
2016年に年齢制限ギリギリの26歳でプロ入りした30歳です。谷川九段の唯一の弟子で、三段時代に新人王戦で優勝しています。今期は既に1敗してますが、順位が上なのでまだまだ昇級のチャンスがあります。

青嶋六段
2015年にプロ入りした25歳です。王座戦で挑戦者決定戦に進出した経験があります。今期は既に増田六段に敗れて1敗していますが、順位が上なのでまだまだ昇級のチャンスがあります。全日本チェス選手権で優勝という経歴もあります。

船江六段
2010年にプロ入りした33歳です。C級2組は全勝で1期抜けを果たしていますが、C級2組では第77期に9勝1敗で藤井七段(当時)と共に頭ハネを喰うなど苦労しています。今期は既に石井六段に敗れて1敗していますが、順位が上なのでまだまだ昇級のチャンスがあります。

他の棋戦で活躍するなど昇級候補と思われた、飯島七段、及川六段、阿部(健)七段、三枚堂七段らが既に2敗しています。上位陣が星の潰し合いで混戦になれば、2敗の彼らにも昇級のチャンスが来るかもしれません。今後の展開に注目していきたいと思います。

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