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第82期順位戦B級2組1回戦

6月21日に順位戦B級2組1回戦の一斉対局がありました。

私が注目していたのは、前期は惜しくも昇級を逃した村山慈明七段と、そろそろ昇級を期待したい高見泰地七段の対局です。後手の村山七段が横歩取りを思わせる出だしから角を交換すると、高見七段は早繰り銀から3筋の歩を交換します。村山七段が飛車取りに△6四角と打つと、高見七段は角を合わせて銀を食いちぎり、取った銀で角を捕獲して取り返します。村山七段が9筋を端攻めして押さえ込み、3筋に"と金"を作って飛車取りに△3七銀と打つと、高見七段は飛車を見捨てて▲2三銀成と飛び込みます。村山七段は金取りに△6七桂と打ちますが、高見七段はこれも手抜いて6筋から攻め掛かり、桂と金で飛車を捕獲して取り返します。村山七段が"と金"で金を剥がすと、高見七段は竜を作って激しい攻め合いになります。村山七段は上部脱出を図った先手玉を馬と角で包囲し、最後は香で玉と金を田楽刺しにして寄せ切りました。なお、村山七段はこの勝利により八段に昇段されています。

他の主な対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
 久保利明九段 - 井上慶太九段
 丸山忠久九段 - 石井健太郎六段
 青嶋未来六段 - 松尾歩八段
 藤井猛九段 - 行方尚史九段
 渡辺和史六段 - 杉本昌隆八段

私が注目している中では、久保九段、藤井(猛)九段、青嶋六段、渡辺(和)六段が好スタートを切りました。順位戦は先の長い戦いになりますので、高見七段や石井六段にも巻き返しを期待したいと思います。


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