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第80期順位戦B級2組8回戦

12月8日に順位戦B級2組8回戦の一斉対局がありました。

この日、私が注目していたのは、全勝で昇級争いをリードする中村太地七段と、ここまで5勝2敗と好調のベテラン井上慶太九段の対局です。先手の中村七段が角換わりに誘導しましたが、井上九段は角道を開けずに駒組みを進め、先手は雁木、後手は右玉という構えになりました。井上九段が△1三角と覗くと中村七段は角を狙って1筋から仕掛け、井上九段も3,5,9筋から反撃して一気に激しい戦いになりました。最後は中村七段が飛車を取らせる間に後手陣に攻め込み、井上九段の反撃を凌いで逃げ切りました。投了図には、盤面中央の角を4枚の桂が菱形に囲む珍しい形となりました。

他の主な注目対局の結果は以下の通りです(左が勝者)。

 増田康宏六段 - 行方尚史九段
 丸山忠久九段 - 杉本昌隆八段
 深浦康市九段 - 中川大輔八段
 澤田真吾七段 - 中村修九段
 佐々木慎七段 - 髙見泰地七段

私が注目している中村(太)七段が勝って7勝0敗で単独トップをキープし、澤田七段も勝って6勝1敗と単独の2番手に付けました。丸山九段、増田六段、髙見七段ら8人が5勝2敗で追っています。3枠の昇級を巡り、2敗勢としては負けられない戦いが続いています。
一方、6人に付けられる降級点(*)もそろそろ気になってきました。ベテランの谷川九段が2勝6敗、藤井(猛)九段が1勝6敗と降級点圏内に沈んでいます。残り2-3局での巻き返しに期待したいと思います。

(*)降級点  出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
B級2組以下のクラスでは、成績が悪くても1期で降級することはなく、成績下位の一定人数に「降級点」がつけられる。降級点はB級2組とC級1組では2つ累積、C級2組では3つ累積すると降級する。

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