AI利用に関する覚書(1) 3/n
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2. AI利用にのめり込んだ理由(2) AI利用の未開拓領域にワクワク
2つ目の理由は、AI利用の可能性が無限に広く感じられたことで、AI技術の応用領域がAI技術者にも把握しきれていなかったことだと思います。
これは、私が化学の研究に齧っているからかもしれませんが、確立された技術を教科書で学ぶことと、十分に開拓されていない技術を工夫して使うことの間には、刺激される好奇心の大きさに雲泥の差があるように思います。
特に、完全ゲンロンチャンネル(松尾教授が川上量生さんや東浩紀さんと対談された回)で人文科学・社会科学分野におけるAI利用の展望についての説明を受けた際に、AIによってもたらされるであろうパラダイムシフトにワクワクしました。
それに加え、このChatGPTの利用はこれまで機械学習の適用されていた物理・化学・生物などの自然科学分野にも波及しそうだと直感して、研究アイデアが洪水のように溢れ出してワクワクが止まりませんでした(^_^;)
(日本語のニュース記事では見たことがありませんが…)化学分野で言えば、ChatGPT×化学として「ChatGPT Chemistry」という用語[1]がすでに提案されており、生成AIを利用した新たな分野の開拓/統合が当たり前になる未来もそう遠くないように感じています。
学問分野だけでなく、職場においての利用も期待されており、AIを利用することで煩わしい書類作業の効率化やメールの返信文のたたき台の作成、理不尽な苦情に対応するなどの様々な利用が考えられますo(^▽^)o
そのほかにも、私の興味のあることとして、生成AIの「教育」への利用も提案されており、生産性の向上や時間的な制約上できなかったことにも時間を割けるようになると考えられ、AI技術利用は(最近のバズワードでもあった)生活の質(quality of life: QOL))の向上や心が豊かな状態(well-being)の実現にもつながるような気がしてワクワクしますo(^▽^)o
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[参考]
[1] Z. Zheng, O. Zhang, C. Borgs, J. T. Chayes, O. M. Yaghi, ChatGPT Chemistry Assistant for Text Mining and the Prediction of MOF Synthesis. J. Am. Chem. Soc. 145, 32, 18048-18062 (2023). という論文がおそらく「ChatGPT Chemistry」の初出の論文だと思われます。この論文雑誌JACSは化学で非常に権威のある雑誌であり、著者の一人であるO. M. Yaghi教授は金属有機構造体(Metal Organic Framework; MOF)の第一人者として有名な先生であり、藤田先生(東京大学教授、研究室HPはこちら)や北川先生(京都大学教授、研究室HPはこちら)などと並んでノーベル賞候補と目されています。