AI利用に関する覚書(1) 6/n
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5. 覚書(2) 生成AIの位置づけ
これらの生成AIの進歩に伴い、業務内容が大きく変化していくという記事を度々目にします。
中には、頭脳労働のほとんどが生成AIに置き換えられていくという過激な記事や討論動画を目にするようになりました。
私も生成AIは非常に便利なものだと思いますし、作業効率を高めるのに適した道具だと感じています。
現在当たり前のように人が行っている職業も生成AIによって変化を余儀なくされると思っています。
しかしながら、今日寝て明日起きた時に、全ての頭脳労働が生成AIに置き換えられていることがありえず、(ローマが1日にして成立しなかったように…)徐々に変化していくことになると思います。
パソコンやインターネットが普及して、テレビや新聞からYoutubeやNetflixが主流になっていくように、映像作品に使われる画像データや音声データにおいて徐々にAIによって生成されたものの割合が増えていくと思います。
漫画やゲームも生成AIを積極的に利用した作品が増えてくると思います。
私の専門の化学も、実験や測定、シミュレーションのあらゆるところで生成AIが労働を肩代わりしてくれるようになるかもしれませんし、場合によっては論文を収集して仮説を提供してくれるようになるかもしれません。
しかしながら、いずれにおいてもAIによって相転移的に劇的な変化が起こることはなく、映像、メディア、創作物、学問に至る全ての領域において生成AIの恩恵を受けるのはその道の達人や専門家になると思われます。
当然ながら、生成AIの利用に批判的な人や使いこなせない人の中に不利益を被る方が出てくる可能性は否定できません。
反対に、素人に毛が生えた程度の技能しか持っていない人が、生成AIを活用して技能を熟達させ、第一線で活躍できる専門家になれることもあり得ると思います。
どちらにしても、第一線で活躍されている研究者やハッカーの方がおっしゃるように、生成AIの波は一時の流行とは一線と画するものであり、インターネット登場と同程度の波及効果があることは間違いないと考えられます。
それでは、現段階で生成AIに触れていなければならないか、というとそういうわけではないと思います。
現に、私の尊敬する人の中には、生成AIどころかコンピュータやインターネットをほとんど使えない方もいらっしゃいます。
生成AIは「道具」に過ぎず、必要だと思う人、面白いと思う人が使えばいい技術だと思っています。
生成AIの面白い使い方を発信することは重要だと思いますが、「生成AIを知らないのは常識知らず…」というような社会になってほしくないと思っています。
なぜなら、生成AIという単語や生成AIの種類を言えたところで「道具の名前を知っている」に過ぎず、道具は使えて初めて意味があるからです。
そして、道具を使うのは動機があるからであって、生成AIの利用を強要することは、講義で習っただけの中途半端な知識しか持ち合わせていない理系大学生が一般人に向かって専門分野の有用性を説明するほど無意味なことだと思うからです(^◇^;) (この文章を書いていて、私自身、心当たりがあって少し心が痛みました(^_^;))
ちなみに、私が生成AIに興味を持っているのは…
(1) 私には絵心がまるでなく思い通りの絵を描けなくて歯痒い思いをしてきたため(画像生成AIを使えば好きな絵を表現できそうでワクワクします!)
(2) 私の趣味である将棋の界隈において人工知能の利用が盛んであるため(純粋に興味があります)
(3) 日本語表現や英語表現の修正に生成AIが便利そうだと感じたため(人にお願いするのは気が引けます^^;)
の3つが大きな理由だと今は考えています。(使い始めた当初はあまり考えていませんでした(^_^;))
そして、私がAI利用として興味があるのは、「AIを活用した教育活動」と「AIを活用した学習方法」についてです。
このうち、「AIを活用した教育活動」は、AIに教鞭を取らせるわけではなく(それでは…AIに使われている感じがして不愉快ですし、AIは責任を取れないため不適切だと思われる)、AIをうまく活用することで教育者側の作業時間(例えば、教材作成や伝えたいことを正確かつ迅速に伝えるための表現方法の時間)を短縮する技術についてです。
また、「AIを活用した学習方法」は、語学のような微妙なニュアンスを学習したり、物理現象を実演するためのプログラムを作成するなど、学習の効率化に関する技術に興味があり、「Q. 世界で一番高い山は?」「A. エベレスト」というような一問一答に使うわけではありません(^_^;)(GoogleやYahoo!などの検索エンジンで事足りることを生成AIに行わせるのは、量子コンピュータに四則演算をさせるようなものだと思っています(^◇^;))
もちろん、上記以外にも今後興味が沸くかもしれませんが、「0. はじめに」に列挙した4名の研究者・ハッカーの方とその周りの人を信頼して情報収集や知識を深めていきたいと考えています。