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介護(翔泳社の福祉の本)

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翔泳社の福祉の本が扱う「介護」をテーマにした記事を収納しています。
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記事一覧

お世話型介護から自立支援介護へ。3つの特徴と5つの基本ケア

2024年度の介護保険法改正により、介護業界に大きな変化が訪れています。今後、「自立支援・重度化防止」がさらに進むと見込まれているのです。 いままでの介護はお世話型、つまり要介護高齢者ができないことをお世話する方式でした。ですが、これからは自立支援介護という形で、要介護高齢者が自分でできないことを少しでもできるようになってもらうための介護が重要になります。 では、自立支援介護とはどういうものなのでしょうか。 『これならわかる〈スッキリ図解〉自立支援介護』の著者で、自立支

社会福祉士の資格試験、忙しくても合格に必要な知識を学べるテキストと問題集

2025年2月の試験で社会福祉士の資格取得を目指す方に、翔泳社の対策書を紹介します。 翔泳社では2010年から対策書を刊行してきました。「忙しくても効率よく勉強できる」と好評のシリーズです。 対策書選びに迷っていたり、別の対策書を試したりしたいと思っている方は、ぜひチェックしてみてください。 福祉教科書 社会福祉士・精神保健福祉士 完全合格テキスト 共通科目【新出題基準対応版】精神保健福祉士との共通科目については、こちらのテキスト。第37回試験(2025年2月実施予定)

介護事業所がBCP(業務継続計画書)を作るうえで大切なことをまとめました

令和6年度の介護報酬改定において、「BCP(業務継続計画書)が未作成だった場合の基本報酬の減算」が設けられました。 BCPの作成を急いだり、どうやって作成すればいいのかと情報収集をしている介護事業所の担当者は多いはずです。 そんな方におすすめの書籍として、『そのまま使える〈スッキリ図解〉介護・障害福祉BCP作成ガイド』(翔泳社)がおすすめです。 本書は大きく自然災害と感染症に分けてBCPの作成方法を詳細に解説しています。付属のフォーマット(Wordファイルをダウンロード

おばあちゃんのまぶたにラメを塗る

4月に担当書籍『看取りケア 介護スタッフのための医療の教科書』が刊行されました。 本書は介護施設に勤める職員の方を対象に、看取りに関する知識と技術を実際の流れに沿って解説したものです。 しっかりした知識をもてば不安が解消できるほか、専門職としての自信もついて的確な対応ができるようになります。意向確認や臨終時の対応、医療職との連携など、介護職として知っておきたい情報を詰め込みました。 制作中に祖母を看取る実はこの書籍の制作中、編集の私自身も施設に入所していた祖母を看取りま

高齢者施設での看取りケアに不安を持つ介護専門職のための本

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の約8割で、看取りケアが実施されています。介護職の方や施設スタッフの方にとって、入所者を尊重し、その最期を看取る役割が重要になっているということです。 一方で、看取りケアのやり方や進め方に不安を感じ、入所者やその家族とどのように接すればいいのかと戸惑っている方も少なくないのではないでしょうか。 今回はそうした悩みを解決できる、看取りケアの手順と技術を網羅的に解説した『看取りケア 介護スタッフのための医療の教科書』(翔泳社)を紹介します

発達障害の人が親の介護で直面するタスク&体調管理、そして遠距離介護の費用

発達障害を持つ人で、親の介護をしている人はけっして少なくありません。自身の仕事や生活に加えて介護の苦労も重なることで、すっかり疲弊してしまっている場合も。 今回は、そんな人たちの負担が少しでも軽くなり、真似するだけで介護がちょっと楽になる工夫やアイデアを解説した書籍『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に親の介護をするための本』を紹介します。 本書の著者でもある村上由美さんは、発達障害の当事者として日常生活を送るために行なった試行錯誤や経験が、親の介護に非常に

「ケアマネジャー(介護支援専門員)」の試験対策におすすめの参考書と問題集

ユーキャンの調査によると、「2024年の武器になる資格ランキング」の第7位にケアマネジャー(介護支援専門員)がランクインしています。 超高齢社会となる日本で、介護や支援の必要な人を支える柱の1つとして、ケアマネジャーの重要性・必要性が注目されていることなどが理由に挙げられます。 これからケアマネジャーの資格取得を目指す方にとっては、責任とやりがいの大きい時代となるのではないでしょうか。 翔泳社では2024年度の試験を対象とした、参考書と問題集を発売しています。過去の年度

介護施設で体調不良、いますぐ救急車を呼ぶべき症状

介護施設や家庭での介護時、サービス利用者の体調が急変した場合、その場で対応しなければならない症状がある一方で、すぐに救急車を呼ぶべき症状もあります。 スタッフとしていざというときに慌てないために、特にその場での対応が難しい症状についてはしっかり把握し、即座に判断して救急車を呼べるようにしておく必要があるでしょう。 それらの症状について、『急変時対応 介護スタッフのための医療の教科書』(翔泳社)の「PART2 症状別・即救急車を呼ぶべき症状」から紹介します。 今回紹介する

12年前、忙しい介護職の人でも楽しくスキルアップできる本を作ってみたら

11月11日は国(厚生労働省)が定めた「介護の日」です。 これは、「いい日、いい日、毎日、あったか介護ありがとう」を念頭に、「いい日、いい日」にかけているとのこと。覚えやすいですね。 また、この日にちなんで厚生労働省は「介護の日」の前後2週間を「福祉人材確保重点実施期間(11月4日~11月17日)」に指定しています。これは介護や福祉の仕事を「やりがいのある、魅力ある仕事」として発信するためだそうです。 そこで、翔泳社も福祉の本を刊行している出版社として、少しでもその取り

敬老の日だからこそ考える、認知症のこと

9月18日は祝日ですが、何の日かご存じですか? そう、敬老の日ですね。 物心がついたときにはすでに祖父母が他界していたこともあり、なんだか縁遠い日だったのですが、いつのまにか両親はすでに高齢者と呼ばれる年齢に……。 「今年は初めてメッセージを送ろうか」 「でも、まだそんなに年をとっていないよ!と嫌がられるかな?」 そんなことを考えつつ、時の流れの早さを実感しています。 誰もが認知症とかかわる時代がやってきた さて、高齢の家族がいると、気になるのは認知症のことではない

介護中にこんな症状が! 救急車を呼ぶべき?

介護をしているとき、相手の様子や体調が急変したら、すぐに救急車を呼ぶべきなのでしょうか。 緊急を要する場合もありますが、時間が経てば自然と治まったり、主治医から電話で指示をもらうことで復調したりすることも。ですが、救急車を呼ぶべきかどうかをどのように見極めればよいのかは簡単ではありません。介護を行なう立場として、急変時に慌てないように「こんな場合は救急車を呼ぶ」とあらかじめ理解しておくことが必要です。 今回は翔泳社の『介護現場で使える 急変時対応便利帖』から、急変時の症状

介護事業の「実地指導」が「運営指導」になって1年、対策のポイントは?

介護施設・事業所が適切に運営されているかを行政が確認し、指導や助言を行なう制度である「運営指導」。もし運営基準違反などが発覚すれば、指定の効力停止や指定取消しといった重い処分もありえます。 2022年(令和4年)からはこれまでの実地指導が運営指導に変わり、大きな変更点の1つとしてオンライン会議システムの利用が可能になりました。しかし、利便性が高くなる一方で、施設側のICT化や関係書類の電子データ化が不可欠となり、すぐにオンライン指導を活用できる施設はまだ少ないと見られていま

援助職の人がすぐ使える具体的な「傾聴」の方法

対人援助の仕事をしている方にとって、相手の状態や考えを知るための傾聴はとても重要です。コミュニケーションが苦手で難しいと感じている方は少なくないかもしれませんが、スキルとして身につけておけば役に立つこと間違いありません。 以前、『対人援助の現場で使える 傾聴する・受けとめる技術 便利帖』(翔泳社)という書籍から傾聴するのに必要な心構えと基本的なテクニックを紹介しました。今回は本書から、より具体的ですぐ実践できる傾聴のテクニックを解説します。 著者の大谷佳子さんはこれまで援

科学的介護情報システム「LIFE」とは? 導入前に検討すべきこと

令和3年(2021年)に運用が始まった科学的介護情報システム「LIFE」とは、利用者の情報をインターネットやアプリ等を通して厚生労働省に提出すると、それらの情報が分析され、各介護施設・事業所に分析結果(評価シートやフィードバック票)が提供されるシステムのことです。 しかし、現状では提供される評価シートやフィードバック票の内容が不十分だったり、あるいは活用方法が分からなかったり、導入したのにデータ入力が負担になっていたりと、LIFEを有効利用できているとはいえない事業所・施設