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介護(翔泳社の福祉の本)

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翔泳社の福祉の本が扱う「介護」をテーマにした記事を収納しています。
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記事一覧

高齢者施設での看取りケアに不安を持つ介護専門職のための本

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の約8割で、看取りケアが実施されています。介護職の方や施設スタッフの方にとって、入所者を尊重し、その最期を看取る役割が重要になっているということです。 一方で、看取りケアのやり方や進め方に不安を感じ、入所者やその家族とどのように接すればいいのかと戸惑っている方も少なくないのではないでしょうか。 今回はそうした悩みを解決できる、看取りケアの手順と技術を網羅的に解説した『看取りケア 介護スタッフのための医療の教科書』(翔泳社)を紹介します

発達障害の人が親の介護で直面するタスク&体調管理、そして遠距離介護の費用

発達障害を持つ人で、親の介護をしている人はけっして少なくありません。自身の仕事や生活に加えて介護の苦労も重なることで、すっかり疲弊してしまっている場合も。 今回は、そんな人たちの負担が少しでも軽くなり、真似するだけで介護がちょっと楽になる工夫やアイデアを解説した書籍『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に親の介護をするための本』を紹介します。 本書の著者でもある村上由美さんは、発達障害の当事者として日常生活を送るために行なった試行錯誤や経験が、親の介護に非常に

「ケアマネジャー(介護支援専門員)」の試験対策におすすめの参考書と問題集

ユーキャンの調査によると、「2024年の武器になる資格ランキング」の第7位にケアマネジャー(介護支援専門員)がランクインしています。 超高齢社会となる日本で、介護や支援の必要な人を支える柱の1つとして、ケアマネジャーの重要性・必要性が注目されていることなどが理由に挙げられます。 これからケアマネジャーの資格取得を目指す方にとっては、責任とやりがいの大きい時代となるのではないでしょうか。 翔泳社では2024年度の試験を対象とした、参考書と問題集を発売しています。過去の年度

介護施設で体調不良、いますぐ救急車を呼ぶべき症状

介護施設や家庭での介護時、サービス利用者の体調が急変した場合、その場で対応しなければならない症状がある一方で、すぐに救急車を呼ぶべき症状もあります。 スタッフとしていざというときに慌てないために、特にその場での対応が難しい症状についてはしっかり把握し、即座に判断して救急車を呼べるようにしておく必要があるでしょう。 それらの症状について、『急変時対応 介護スタッフのための医療の教科書』(翔泳社)の「PART2 症状別・即救急車を呼ぶべき症状」から紹介します。 今回紹介する

12年前、忙しい介護職の人でも楽しくスキルアップできる本を作ってみたら

11月11日は国(厚生労働省)が定めた「介護の日」です。 これは、「いい日、いい日、毎日、あったか介護ありがとう」を念頭に、「いい日、いい日」にかけているとのこと。覚えやすいですね。 また、この日にちなんで厚生労働省は「介護の日」の前後2週間を「福祉人材確保重点実施期間(11月4日~11月17日)」に指定しています。これは介護や福祉の仕事を「やりがいのある、魅力ある仕事」として発信するためだそうです。 そこで、翔泳社も福祉の本を刊行している出版社として、少しでもその取り

敬老の日だからこそ考える、認知症のこと

9月18日は祝日ですが、何の日かご存じですか? そう、敬老の日ですね。 物心がついたときにはすでに祖父母が他界していたこともあり、なんだか縁遠い日だったのですが、いつのまにか両親はすでに高齢者と呼ばれる年齢に……。 「今年は初めてメッセージを送ろうか」 「でも、まだそんなに年をとっていないよ!と嫌がられるかな?」 そんなことを考えつつ、時の流れの早さを実感しています。 誰もが認知症とかかわる時代がやってきた さて、高齢の家族がいると、気になるのは認知症のことではない

介護中にこんな症状が! 救急車を呼ぶべき?

介護をしているとき、相手の様子や体調が急変したら、すぐに救急車を呼ぶべきなのでしょうか。 緊急を要する場合もありますが、時間が経てば自然と治まったり、主治医から電話で指示をもらうことで復調したりすることも。ですが、救急車を呼ぶべきかどうかをどのように見極めればよいのかは簡単ではありません。介護を行なう立場として、急変時に慌てないように「こんな場合は救急車を呼ぶ」とあらかじめ理解しておくことが必要です。 今回は翔泳社の『介護現場で使える 急変時対応便利帖』から、急変時の症状

介護事業の「実地指導」が「運営指導」になって1年、対策のポイントは?

介護施設・事業所が適切に運営されているかを行政が確認し、指導や助言を行なう制度である「運営指導」。もし運営基準違反などが発覚すれば、指定の効力停止や指定取消しといった重い処分もありえます。 2022年(令和4年)からはこれまでの実地指導が運営指導に変わり、大きな変更点の1つとしてオンライン会議システムの利用が可能になりました。しかし、利便性が高くなる一方で、施設側のICT化や関係書類の電子データ化が不可欠となり、すぐにオンライン指導を活用できる施設はまだ少ないと見られていま

援助職の人がすぐ使える具体的な「傾聴」の方法

対人援助の仕事をしている方にとって、相手の状態や考えを知るための傾聴はとても重要です。コミュニケーションが苦手で難しいと感じている方は少なくないかもしれませんが、スキルとして身につけておけば役に立つこと間違いありません。 以前、『対人援助の現場で使える 傾聴する・受けとめる技術 便利帖』(翔泳社)という書籍から傾聴するのに必要な心構えと基本的なテクニックを紹介しました。今回は本書から、より具体的ですぐ実践できる傾聴のテクニックを解説します。 著者の大谷佳子さんはこれまで援

科学的介護情報システム「LIFE」とは? 導入前に検討すべきこと

令和3年(2021年)に運用が始まった科学的介護情報システム「LIFE」とは、利用者の情報をインターネットやアプリ等を通して厚生労働省に提出すると、それらの情報が分析され、各介護施設・事業所に分析結果(評価シートやフィードバック票)が提供されるシステムのことです。 しかし、現状では提供される評価シートやフィードバック票の内容が不十分だったり、あるいは活用方法が分からなかったり、導入したのにデータ入力が負担になっていたりと、LIFEを有効利用できているとはいえない事業所・施設

援助職なのにコミュニケーションが不安なら、まず聴く力を高める

対人援助職にとって、援助対象者と良好な関係を作り信頼を得るためのコミュニケーション能力は最も大切なスキルの1つです。しかし、コミュニケーションに苦手意識のある方も多く、どうすればいいのか分からず困っている方もいるのではないでしょうか。 コミュニケーションの悩みを「自分が上手に話せないこと」だと感じ、会話上手になろうとしているのだとしたら、まずはそこから認識を改めたいところ。コミュニケーションが上手な人は自分が話すことよりも、相手の話を傾聴することに重きを置いているのです。

リモコン、家電、洗濯機、トイレ、入浴。高齢の親の変化を感じたら、すぐに準備すべきこと

親が高齢になると、手先の不自由さや視力の低下などからいままで当たり前にできていたことでも時間がかかるようになるなど、多くの変化が生じます。 子の立場である皆さんが「見守りや介護が必要になるかもしれない」と感じたら、まず親の不自由さをできるだけ取り除き、皆さん自身がなるべく変わらず生活を続けられるように、やっておくべきことがいくつかあります。 その中でも生活の快適さに直結する家電や習慣については、高齢の親でも使いやすくする、嫌な思いをしないようにするなど工夫をしておきたいと

親の介護、日常でよくある困りごとを道具で解決

翔泳社では1月に『親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること』を刊行しました。 著者は介護作家でブロガーの工藤広伸さん。40歳のときに岩手に住む家族の介護を始め、東京から10年以上も在宅介護を続けられています。その中で培ってきた独自の介護ノウハウが注目され、これまで執筆や講演など幅広く活動。翔泳社からは既刊として『親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと』が発売中です。 本書では「道具を活用した介護の工夫」が解説されており、特に見守りや介護が必要

認知症などで判断力が低下したときに利用する「成年後見」とは

2025年には高齢者の5人に1人、700万人を超える人が認知症になるとされ、誰もが自分や家族の「もしも」に備えておく必要がある時代です。 財産管理や契約行為をしたり、医療・介護サービスを利用したりするときなど、私たちの日常には「本人に判断能力があること」が前提となる場面が多々あります。そのため、認知症などで判断能力が充分でない状態になると、たとえ自分の預貯金であってもお金を引き出したり、口座を解約できなくなることがあります。 2000年にスタートした成年後見制度は、認知症