見出し画像

「ネットドラッグストア」に向き合った1年を振り返ってみる

こんにちは。10Xという会社でドラッグストア(以下、DgS)のパートナー様と「ネットドラッグストア」の事業開発を推進している Tsunoyama です。

2022年は10Xに入社してちょうど1年、前職から役割や環境、市場が大きく変わり、かなりチャレンジングな1年だったので自身の備忘のためにも書き残しておきたく、人生初ブログなるものを書いてみました。
拙文ではございますが悪しからずです。

簡単に自己紹介

簡潔に自己紹介しておきます。長らく事業開発と前職のヘルスケアの経験を活かして今に至るという感じです。

そもそも「ネットドラッグストア」とは?

本題に入る前に、そもそも「ネットドラッグストア」って何なのでしょうか?
シンプルに言うと、ネットスーパーの"スーパー"を"ドラッグストア"に置き換えた造語です。実際にアプリ見た方が早いと思うので↓こんな感じです。

薬王堂様、スギ薬局様のアプリを抜粋

食品から日用品、医薬品から化粧品までドラッグストアの商品を購入し、店舗受取もしくは配送にて受け取ることのできるサービスです。
直近では、DCSの記事でも「ネットドラッグストア」という単語が使われていました。

足元ではお客の自宅まで取扱商品を届ける「ネットスーパー」ならぬ「ネットドラッグストア」も広がり始めている

https://diamond-rm.net/store/storevisit/273626/

とはいえまだまだ一般的に認知されているものではなく、市場自体もこれから醸成していくフェーズです。日本にももっと言えば世界でもまだ確立していない「ネットドラッグストア」を生み出し事業拡大し、広く遍く様々な方にお使いいただくようにする、これが10Xが各パートナー様と一緒に作り出す事業であり、私自身のミッションでもあります。
(これぞBizDev!!って感じで痺れますね)

2022年ネットドラッグストア事業の振り返り

以下のように、各社サービスローンチや配送の追加、また配送エリアおよびラストマイル業者の拡大まで、幅広くパートナー、チーム一丸となって推進してきました。

2022年10X社のネットドラッグストア関連プレスリリースを抜粋

なぜ、各社はネットドラッグストアを導入・推進しているのか?

ここからは著者視点での整理となりますが、各DgS企業がネットドラッグストアを導入・推進している理由について簡単に触れたいと思います。
そもそもDgS市場が置かれている現況は、以下の通り大きく3段階の成長期を経て、足元はかなり競争が激化している時代に突入していると考えています。
既に調剤併設型フード&ドラッグは標準フォーマットであり差別化にはならないとまで言われています。
各DgS企業は、大きく3つ(調剤を除くと)の差別化ポイントがあり、ネットドラッグストアは「圧倒的な会員基盤・新たな買い物手段」の差別化にアラインできる事業だと考えています。

参照:ドラッグストア拡大史月刊激流2022年1月号

実際、既にローンチしている各社様とのネットドラッグストア事業では、店舗でロイヤリティの高いお客様(店舗に月に○回以上お買い物をする方)が、ネットドラッグストアを利用することで、1顧客あたりの単価が向上していることを確認できています。

現状の課題は何か

と、ここまでは2022年に10Xはネットドラッグストア事業を複数立ち上げ、事業も拡大し、DgS市場競争激化時代に各企業の差別化にアラインし実績も出ているとポジティブな内容を多く伝えましたが、課題が無いかというと全くそんな事はありません。
大きくネットドラッグストアの現状課題は大きく3つと考えています。

  1. Value proposition(ネットドラッグストアならではの価値)

  2. Accessibility(使えるエリア・店舗が限定的)

  3. Cost Control(コスト効率化、採算性)

1/ Value proposition(ネットドラッグストアならではの価値)

これは端的に、食品や生鮮はネットスーパーで買う、日用品や生活用品は楽天やAmazonで買う、医薬品は直接店舗で買う、と代替手段が多い事と、既に他サービスで日常使いしており、わざわざネットドラッグストアを使う価値がまだ明確ではない点であると考えています。

この課題に対しては、著者自身が実際にチラシ配りをした際に、子育てママにN1インタビューしたことで仮説の光明が差しました。
DgSは圧倒的な会員基盤があり、会員に対するポイント・クーポンのようなインセンティブは一つの差別化であり、ネットドラッグストアにおいても安い・お得をベースに、店頭在庫と同じ商品数、配送による即日受取を実現することで、他の代替手段には無い価値を享受できると考えています。

2/ Accessibility(使えるエリア・店舗が限定的)

これは、シンプルに店舗ベースでのECとなるため店舗ごとの在庫連携や店舗スタッフへの研修等、立ち上げに一定量の労力が必要になる点です。ここは10Xとして多店舗展開の型はできているため、いかに既存店舗でPMFさせて更なる店舗展開をスピードアップし、広く遍くお使い頂ける状態にするかが重要となります。

3/ Cost Control(コスト効率化、採算性)

これは、売価が店頭価格と同じにも関わらず、スタッフのオペレーションやラストマイルの配送料等の変動費を鑑みた事業採算性の観点から、いかにコストを効率化するかが重要になります。例えば配送効率を上げることや、OTC医薬品や化粧品といった粗利の高い商材をバスケットに入れるか、などの様々な施策が必要になります。

2023年のチャレンジ

上記はあくまで現時点で見えている課題であり、2023年各施策を推進する中で見えていない課題や潜在的な需要の拡大など大きな変革があると考えています。
ネットドラッグストアは、8兆円を超えるDgS市場においても大きなポテンシャルを秘めた市場であり、日常使いとして利便性の高いサービスであることに加えて、体調不良や自宅療養時に「OTC医薬品と清涼飲料水とゼリーなどをまとめてその日に届けられる」といったセルフメディケーションの要素も強く、より多くの方にお使いいただくことで社会に資するサービスになると確信しています
2023年は、上記課題に対して着実にアプローチし解決および事業拡大をさせることが大きなチャレンジかと考えています。
またセルフメディケーションの文脈では、厚労省によるコロナ医療用抗原検査キットのOTC販売解禁インフル同時検査キットのOTC販売解禁など、大きな潮流の変化もあり、このような取り組みにアプローチすることもかなり重要であると考えます。
引き続き、2023年も事業拡大に向けてコミットしていきたいと思います!

最後に、個人としての意気込みを触れておきます。前職では医療市場におけるオンライン診療にて、診療報酬改定やコロナによる時限的特例措置等の外的要因が市場拡大のトリガーになるため違った戦い方が重要でした。今は小売市場のネットドラッグストアにて、どうやってより事業拡大するかを店舗購買をベースに考えるという、かなり内的というか自分たち、パートナー様といかにこの市場を拡大させるかを思考しアクションし成果に繋げていくかが重要になります。
今は無き市場を作るというとかっこ良く聞こえるかもしれないですが、実態はかなり泥臭く、1日店頭でチラシを配ることも認知拡大の一つだったりします。ただそこでN1を深掘り見えてくる仮説や店舗購買の解像度が上がるなど、「1人の難題を、巨大な市場から解く」が本当に重要だなとひしひしと感じています。
2023年は更なる飛躍と事業を拡大させ、様々な方にお使いいただき日々の暮らしが少しでも豊かになる状態を作っていきたいと思います!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?