カレー交換経済

貨幣交換経済からカレー交換経済へ。
そんなお話。

昨年からのコロナ禍で、外出が今まで通りには出来なくなった。
仕事も接客業ではあるけれど、お客様の数が激減した為、自宅待機が増えた。
家に、地元にいる日々が増えた。

さて、どうしよう?
何かローカルコミュニティの為に、僕にでも出来ることがあるのではないか?
そう考え始めた2020年の春。

その頃丁度カレーの学校15期を卒業して、でもプレーヤーとしては何もしていなかった。
家でカレーを作ってはSNSにアップする日々が続いていた。
週に3回4回とアップしていると、「食べたいです」とお愛想で言ってくれる友人も出てきて、そこにカレーを届ける事にした。自分での消費は間に合わないし、妻もカレーに飽きていたかもしれないし。

その友人が彼のスペシャリテである鳥手羽の紅茶煮をお返ししてくれた。
これはホームパーティーなどで出してくれる僕のお気に入りだった。

行きつけのBarでも食べたいと言ってくれるお客様がいた。
すると、その人が漬けた糠漬けを後日頂いた。

また別のある人に・・・

と、カレーをこちらが差し出す事で、お金を出しても手に入れられない、市場には出回っていない物を入手できる事が多くなってきた。
僕の手作りのカレーなので、お金を出して買ってもらうのは申し訳ない。だから物々交換にしましょう。と提案すると、面白い事に、

「そんなものが世の中にあるなんて知らなかった」
「僕がそれを欲望していたとは知らなかった(貰った後にそれを欲望していたと気がついた)」

そんな物々交換が続いた。
普通にお金を払って物を買っていたら、きっと巡り会わなかったものに出会う事が出来た。

貨幣では自分が欲しいと思っている物、知っているものとの等価交換しかできないけど、カレーなら等価交換ではないけれど、面白い交換ができると気がついた。

貨幣交換経済からカレー交換経済へ!

逗子で勝手に一人で周囲の少数の人を巻き込んで何だかんだ1年半。

これからも誰かにカレーを差し出して、何か素敵な物を貰えたら、これはこれでプレーヤーとして、小さなコミュニティの話ではあるけれども活動していることになるのかな、と考えた2021年12月。

また来年も何か素敵な物、未知なる物に出会えたら良いなと思います。

※因みに頂いた最も高価なものはワンショット(30ml)18,000円の山崎ミズナラ18年でした。ここで高価な物を発表してしまうのが、まだ脱貨幣交換経済できていないですね笑

皆様良いクリスマスを、そして良い年をお迎え下さい。

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