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#1 うつと子育て

 うつ病になって半年ほどが経つ。ようやく寛解してきた実感がある。初めて自分が気分障害と聞いた時にピンとこなかったけど、「うつ病、躁鬱状態」と聞いて、「あぁそうだったのか」と思った。私自身がうつ病に「なんだかよく分からないけどやる気が起きなくなる病気」のような先入観があった。最近ヘルペスウイルスとの関係が報じられたり、だんだんと医学的な脳の病気であると解明されつつある。うつ病の不安定さを皆さんに理解してもらいたい。でもうつ病に酔っているんじゃないか、甘えてるんじゃないかとつい自分を責めてしまう時もある。自分でも良くわからないけれど、どうしようもなく立ち上がれない時があり、無気力でどんよりと布団に吸い込まれていくだけで1日が終わったりもする。おまけに子育て中なので、自分が頼りない母親だとつい責めてしまう。こどもにも申し訳ない思い。そこから抜け出せる時もあるけれど、少し怖い時がやはり多い。こうして文章を書くのも調子がいいからだ。今の自分と子育てについてまとめた。

子育てのこと

 寛解しているから大丈夫とも安心できないのがうつ病だと私は思う。疲れが溜まったりストレスを感じるとすぐに悪い部分が顔を出してくる。「あぁ。やばそう」と思った時には布団の中へ逃げ込む。そんな時、子供達は「お母さん大好き。大丈夫だよ。」と優しくしてくれる。余計泣けてくる。「こんな母親で大丈夫なのだろうか」と心配になるけれど優しく育ってくれているみたいだ。子供は思っているよりたくましいんだと思う。
 子育ては本当に一人では出来ない。だから保育園にも通っているし、旦那さんにも早く帰ってもらったりしている。それでもどうしようもない時は、もう放り投げて子供主導になっている。調子が悪いと母としてのしつけはほぼ出来なくなった。統一性も何も無くなるから子供には混乱を与えてしまっている。さらに、調子が良い時でも、「どうしてもやりたい」と涙目で甘えられてしまうと「好きにしていいよ」ともうやりたい放題。強く出られない。園に送るのも苦手だ。「行きたくない」と駄々をこねられると「私の方が行きたくない」と駄々をこねたくなる。こどもの感情に引きずられっぱなしだ。

いいところ、気をつけたいところ

 私の場合は、病気になる事でちょうどよく子供と対等なバランスを保てているのかもしれない。この子育てが「だめ」じゃなくて、こんなのもありなんだと自分も子供も認めてあげたい。病気になって自分の限界ができた事で良いところもあった。もうあれこれ世話を焼けないので、自主性は育っている気がする。振り返ると神経質にあれこれ口を出し過ぎていたのかもしれないとも思う。私はうつになって半年ほどなのでまだ不安定な時が多い。でも子供達は自分たちで料理もするし、私が寝ている時は協力してくれる、優しい心も育っているかもしれない。
 気をつけたいところは、子供が甘えたい時だ。まだまだ小さい子供達なので甘えてくる。その時と私が凹んでいる時が重なったら甘えられない寂しさを与えてしまう。だから出来るだけ波が少ない寛解を目指したいのだけどどうにもならない時がある。だから、元気な時に思う存分甘えさせてあげたり、一緒に遊んであげたり出来るだけ愛情を注いであげたいと思う。

病気を伝えるも…

 子供達が「自分のせいでお母さんがこうなっている」と思わないためにも、うつ病の事を伝えた。うつとは言わず、「お母さんは病気でね、どうしても横にならないといけない時があるんだ」と。運転も出来なくなったので「だから運転も出来ないの?ちょっとよくわからない。」と言われてしまった。4歳の息子には少し難しかったのかもしれない。絵本も探してみたいと思うけれどまだ少し勇気がない。
 最近気になる事は、私が凹んでしまった時に「大好き!大好き!」と叫んでくれること。「元気出た?ねぇ、大丈夫?!」と心配そうに聞いてくれる事を思うと心が痛む。それでも布団にもたれて微笑むことしかできない私。息子達にも寂しい思いをさせてしまっている。そんな時、私はこう言うようにしている「頭のもやもやとバイバイして、眠ったら元気になれるからも少し寝かせて…ね」と。それがいいのかは分からないけれど、子供達は安心するように見える。
 うまく伝わらなかったのは、私の今の状態が息子の思う「病気」には当てはまらなかったのかもしれない。無理には伝える必要もないか…と、考えすぎな自分をまたゆっくりと落ち着かせる。病気の事よりも多くの愛情を伝えれば安心して育っていくのかもしれない。




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