勇者LV99
PCに残っていた作品もだいぶ残数が少なくなってきました。
この勇者LV99は、魔王を倒した勇者のその後をイメージして書いた短編です。魔王を倒せるほどになった勇者はその後どうなるのか。
自分の常識と他者の常識とに乖離が起こった場合に、人はどうなってしまうのか…すこしだけのぞいてみてくださいな。
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序
幕あく
場所 魔王の城
暗い城内、玉座に魔王が座り一点を見つめている
魔王にスポット
魔王N「何事も極めるってのはすばらしいものだ。だが、極めるって事は相応の覚悟がいる。一瞬の満足感、充足感の代償は目的を達成したことの虚しさ、孤独感、感傷、センチメンタリズム。そういう覚悟もなしに極めようとするもんじゃない。楽しいのは極めるまでの道程、何事も途中がいいんだ」
魔王N「人間の世界に勇者が誕生してから19年、それこそこの数年我が魔王軍の被害は逐一入ってきてはいたが、通常の勇者ならば19年も魔王討伐の旅をしない。たいていの勇者は3~4年でこの魔王城までたどりつく。今回の勇者は19年。私は少しいやな予感がしていた。こういうときの予感はたいてい当たる。」
魔王N「そいつはある日、突然やってきた。」
戦闘BGM
勇者現れる
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