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RUST RAIN FISH観劇

             チームBLACK公演

●チームBLACK:
赤塚篤紀、佐久間祐人、杉山健一、田中良子、谷口賢志
塚本拓弥、堂本翔平、西田大輔、能條愛未、萩野崇、
松永有紗、宮下雄也、村田洋二郎、山口大地

公演を心待ちにしていた私にとって貴重な時間だった。時代背景も第二次世界大戦時の日本ということで、個人的に好きな時代背景。当時の事件や有名人ネタを織り交ぜながら話は展開された。

史実の知識が高いほど解像度も増す。

核心に触れない程度に感想。

気をつけているつもりですが、ネタバレになっていたら消します。コメントください。

谷口さんの役(山本)は寡黙な男だった。演じられているなかでも感情的な人間臭い役がとても好きなのだけれど、今回は憂いを帯びていて色っぽかった。2幕で上手に萩さん(初期黒木)下手に谷口さんの並びがとても渋い。どのシーンも構図が美しい。音楽と衣装にセット、どれもオシャレ。

山本という名前、彼は何者なのか。なぜ観る前からピンとこなかったのか。自分自身にガッカリした。

ここまで長めに西田さん(黒木1)のお芝居が観られることもなかなか無いのではないか。昭和初期らしくない風貌も、のちに明かされる真の正体をうかがえば納得がいく。

宮下さん(永野)の煎餅芸もセリフもクスッと笑ってしまっていたけれど、後から挙動や寸劇を辿ると所謂シャレ怖の上級版なくらい気味がわるい。例えば煎餅芸、席が良かったこともあるけれどマスク越しにもお煎餅臭かったし、包みの音で都井の発言も聞き取りにくくて、本来客席でされたら不快な動作すら笑ってしまったのって、某昭和凶悪犯罪者の悪友追体験かと思うとゾクってする。

どの人物のセリフも細かなジョークも見落とせない。

今回もギャグ要素の少ない村田さん(石原)は怖い。

良子さん(星野)と西田さんの掛け合いが好き。

佐久間さん(黒木2)と西田さんのチーム黒木談義が可愛いくて沢山笑った。私も黒木に入りたい。笑

魚を巡る物語だけに大きな水槽のセットは強い存在感だった。

招待状を持つ人々、招待客の人数、派閥争い、集められた14人の条件、他の作品と共通要素があるものの、またも先が読めない。

1幕目90分間は一気に過ぎていった。

幕間は10分間。

感想を早く誰かと話したい気持ちを抑えて休憩。ロビーも客席もコロナ対策が徹底されているので本当に静か。

「魚の名前が分かれば過去を振り返ることができる」

「貴方の一番大切な人の名前は?」

答えが分からないのはもどかしいけれど、結局は観終えてからも、私はまだ答えの名前を探している状態のままだった。

これが一時期流行った人狼ゲームなら私は初期ターンで死んでいるだろう。終わりが読めない。登場人物全員を信じたい。

それぞれに正義があって、善と悪と表裏一体なところもあるけれど、それぞれを無碍に責めることはできない。

「ヒントをください」と、もし言われても「貴方にとっての正解は私にとっての不正解で悪かもいれませんよ」としか答えられないかもしれない。

カーテンコールは西田大輔さんと萩野崇さん。チームWHITEも観てみたい。

舞台やコンサートの配信は有り難いけれど、体感して自分だけの視点でフラットな状態から観るのは格別だと、あらためて思い知らされた。

『銀座の宮下雄也』がもはや懐かしい。私も西田さん一派の居る飲み会(くらい暖かい雰囲気のレストランディスグーニーズ)へ行きたい。

時が止まって見えるあの場所で飲みたい。

やり直したいから戻りたい過去は沢山思い当たるけれど、感想をまとめるうち、"楽しかった過去へ戻りたい"も大いにあることに気がついた。死んじゃった(あえての言い方)とか生きているけれどもう会えないであろう人と過ごした時間だとか、そんなことも思い出しながら今回RUST RAIN FISHを観た。

またも私にとって大切な作品になりました。

最終日までご無事に終えられますように。

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