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自転車屋開業マガジン(短い記事)

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自転車屋の開業に役立つ記事を投稿しています。主に短い記事が中心です。
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2021年11月の記事一覧

自転車店の商圏はどれくらいだろう。アンケート取ってみた

 自転車店の商圏範囲はどれくらいなんだろうと思い、ツイッターでアンケートを取ってみました。ご協力ありがとうございました。  1㎞から4㎞くらいが約75%という結果が出ました。私も実際それくらいだと思います。  自転車を買いに来る範囲は大体2㎞から4㎞だとは思いますが、自転車修理に関してはもう少し狭いかなと思います。壊れた自転車を押して持っていく場合、1㎞が限界じゃないかなと。  郊外や自転車屋の少ない地域はもっと広くなると思います。  私は大阪府内に店を構えており、競

自転車屋開業するのに工具はいくら必要か?

 同業者の方などから、けっこうたくさんリプいただいたツイートです。出張修理開業支援をしている方のHPに「自転車屋を開店するのに必要な工具と金額は?」というページがあり、まさかの2万円程度と書いてありました。  総突っ込み状態でしたが、たしかに2万円程度はありえませんね。いろんなリプを総合すると最低限20万円くらいじゃないでしょうか。 工具代は正確な数字が出せませんでした。開業前から工具を集め始めており、それらは合計約220,000円でした。(領収書・レシート保存分のみ集計

思い切って値段を上げてみよう

 自転車屋の開業当初、近くに競合店ができたため、激安価格設定をしていました。その後、競合は閉店したため、値段を上げました。  すると、何が起こったか。利益率が向上したのです(当たり前)そして、値上げに気づくお客さんも少なかったのです。  これはどういうことかと考えてみたのですが、自転車屋は来店頻度が少ない、主要な商品サービス以外は合い見積もりをしない、あたりが原因だと思います。  まず、自転車屋を利用するのは年何回くらいでしょうか。空気を入れる用事意外だと年一回もない人

自転車の市場規模ってどれくらい?

 2020年度は2100億円だったそう。少ない…。ちなみにハンコ業界の市場規模が2800億円だそうです。むむむ…。  上の記事では事業者売上高ベースとあるので、自転車修理などの売り上げも含むのでしょうか?それだとなおのこと小さい市場と言わざるをえませんね。 ちなみに、自転車の売り上げが伸びているのは電動自転車のおかげ。昔ながらの軽快車(いわゆるママチャリ)はどんどん売り上げを落としていっています。  パナソニックサイクルが一般車をやめて、電動自転車に特化したのも納得です

自転車修理専門店の可能性

 3年も前のツイートですが、開業前から修理専門店はどうだろうと考えていました。1000円カットよろしく格安自転車修理店も需要があるだろうと。  ということで、修理価格をかなり抑えてやってみたところ、結果はさんざん…。貧乏人ばかりが集まってしまいました。お金のない人の嗅覚は研ぎ澄まされているので、安い店や自分の言いなりになる店を探し当てるのが得意です。  客層が悪くとも数が集まり、常連となればいいのですが、「自転車の修理」というものはそうそう頻度の高いものではないため、低単

太めタイヤの一般車が流行るかも

 太めタイヤの一般車流行るかもというか、すでに流行っているのですが、もともとはブリヂストンサイクルのステップクルーズが元祖です。  太目のタイヤに乗り降りしやすいV字フレーム。エアボリュームがあるので乗り心地も良い。パンクも少しだけしにくい。デザインも良い。ということで、けっこう売れまして、他社も追随して種類も増えてきました。  類似車も含めて大体が26×1.75というサイズなのですが、在庫していないお店もちらほら。あと、タイヤ交換のコストも高くなります。  デメリット

軽い自転車をすすめたはいいけれど

 軽い自転車は楽でいい、と考えがちですが、一般車に関しては軽ければいいとは言えない場合があります。  高齢者の方だと筋力、バランス感覚が低下しているため、軽いアルミ自転車に乗り換えるとふらつく、まっすぐ走りにくいと言われることがあります。  若い人や体力ある人は多少自分に合わない自転車であっても、何とかなるのですが、高齢者の方はそのあたり非常にシビアです。  試乗してもらうとか、納車後も調整やメンテナンスなどで乗る方に合わせていきたいですね。  もう少し詳しく書きまし

アンチパンク肉厚タイヤ、空気をしっかり入れていても中のチューブずれていく説

 アンチパンクタイヤ、ご存知でしょうか。その名の通り、パンクしにくいようにトレッド部分を肉厚にしたタイヤです。分厚い分、刺さりものが内部のチューブに到達しにくい。発想はいたってシンプルです。  で、確かに、刺さりものパンクには強いのですが、それを上回るデメリットが存在します。それは、チューブ揉まれパンクに弱いということ。  低圧走行によるチューブ揉まれパンクとは↓  実際、アンチパンクタイヤのチューブ揉まれパンクの例がこちらです。揉まれだけでなく、チューブが内部で動き、

技術を安売りすべきでない

 最近、スキルの売り買いのできるプラットフォームが増えてきました。そのうつのあるサイトで「自転車修理のアドバイス 500円」という出品を目にしました。  安すぎる…。  自転車修理のアドバイス、しかも、テキストでそれを行うということでした。そのレベルのスキルがあれば、ほかにもっと高く自分を売れる方法があるのでは…。  自転車の修理は、例えば異音一つとっても簡単に特定できるものではありません。修理後に不具合が連鎖して修理前にはなかった不具合が出ることもあります。簡単に伝え

【自転車屋】ネット販売ってどうなんだろう

 結論から言うと私個人の考えとしては「やめた方がいい」です。  その理由を以下に書いていきます。 納車後のトラブル対応にコストがかかる これは下記の記事の通りです↓  実店舗であれば、初期不良があってもお客さんが持ち込んできてくれたり、その後のメンテナンスで対応できますが、ネット販売だと対応できないため、余計なコストがかかります。 配送料分余分なコストが掛かる ネット販売だと当たり前ですが、配送料が掛かります。自転車は非常に大きく重い荷物であるため、配送料が非常に高く

【メカガード】ハブステップについて【二人乗りダメゼッタイ】

 まず最初に。二人乗りは禁止です。また、ハブステップ(メカガード)自体の販売を止めるよう自転車店へ指導している自治体もあります。  昔は自転車店でも売っていたようですが、もうどこにも置いてないと思います。置いている店があればモグリだと思ってください。  かなり昔のことではっきり覚えていないのですが、メカガードを取り付けた自転車店へ賠償金の支払い命令という出来事もありました。並走して走っていた子どもの自転車の後輪のメカガードが、もう一人の自転車の前輪に巻き込まれて車輪が破損

「空気入れ無料」の集客効果

 結論から言うと、「あるようでない、ないようである」というあいまいな言い方になってしまいます。  というのも、単純な集客効果:とにかく来店客(お金を使うかは別)を増やすことには非常に有用ではあります。ですが、顧客(お金を使ってくれる)を増やす効果に関しては費用対効果で考えるとコスパが悪いのでは、と経験的に思っています。  実体験から振り返ると、無料サービスを無断で使う方は残念ながら常連にはなりませんでしたし、サービスをやめた途端来店しなくなりました。感謝もされませんし、

100年続いても…。

 創業100年以上の自転車屋さんに遭遇というツイートを見ました。が、写真を見てあまりの惨状に愕然。  売り物なのか、ごみなのか。自転車なのか、廃棄物なのか。店名すらわからない。まさに惨劇。お店とは街の一部であるべきだと私は考えていますが、明らかに異物でしょう、これは。  さらに、100年も続いているのに、出稼ぎ外国人に中古自転車を売ってしのいでいる、と。  年金暮らしの高齢店主が荒れた店にやる気なく新聞読みながらポツン、てな光景を見ることはありますが、そういう店でもなん

自転車のネット販売をなるべくしたくない理由

 私の店ではなく、同業者の方のお店のお話なのですが、電動自転車のトルクセンサーユニット交換の修理を受け付けたそうです。  簡単に言うと、すごく手間と時間がかかる修理依頼なのですが、どうやらネット販売で購入した自転車だと。しかも、交換部品も販売店から送られてきたとのことでした。  ネット販売店だと当然修理に伺うわけにもいかないですし、また恐らく修理する技術もないでしょう。ということで、その同業者さんのお店に持ち込まれたのが経緯です。  非常に手間のかかる修理作業になるので、工賃