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自転車屋開業マガジン(短い記事)

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自転車屋の開業に役立つ記事を投稿しています。主に短い記事が中心です。
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2021年8月の記事一覧

自転車屋の隆盛サイクル

 今、個人の自転車屋がどんどん減っていってますが、昔ながらの自転車屋の隆盛サイクルを完全な偏見でチャートにしてみました(注:個人の感想です) 開店直後は全てが見込み客。全員に愛想良くする ↓ 他店を出禁になったような奴が来だす ↓ お客さんの費用対効果を模索し出す ↓ 質のいい常連客の囲い込みをはじめる ↓ 質の悪い客を排除し始める ↓ 常連客だけで店が廻るようになる ↓ 一見客も排除し始める ↓ 常連客の高齢化 ↓ 新興の店に客を取られ始めるも勝ち逃げ ↓ 後継者がいなく

撤退ラインを考えて開業する

 私は開業5年目なのですが、売上に関しては頭打ち感を感じています。自転車屋はローカルビジネスなので大体の客数が決まってしまっており、プロモーションなどで劇的に売上を爆発させるというようなことができない業種だと感じています。  開店1年目、2年目というのは認知度が上がっていくにつれて客数が増えていく傾向にあるのですが、3年目からは緩やかにしか増加しない、または停滞してしまうのが大体のパターンです。実際に昔勤めていたチェーン店でもそういう傾向が表れていました。  ということなので

自転車屋はいまだにチラシが有効なのかもしれない

 完全に地域や客層によるという前置きつきですが、自転車屋はいまだにチラシや新聞折込が有効であると思います。ここでの自転車屋はスポーツ自転車(ロードバイクなど)専門店などではなく、一般車(いわゆるママチャリ)メインに販売する自転車店を想定しています。  自転車屋は地域密着なローカル事業です。自転車はそれなりに大きなサイズの商品であることが一番の要因です。  例えば、パンクした自転車を2キロも3キロも押して持っていくのは大変ですよね。余談ですが、自転車屋が愛想が悪いと言われる

自営業のいいところはお客さんを選べること

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Q、自転車屋は現場を経験してから開業した方がいいのか?

 A、した方がいいです。というより、しないと開業はかなり難しくなるんじゃないでしょう?自転車の修理や組み立てなどは独学では開業に必要なレベルまで習得することは困難です。  もちろん、今はどこからでも学べる環境があるので、それらで学んで開業することも可能ではあると思いますが、メーカーや問屋さんとの契約をスムーズに進めるうえで業界経験はあった方がスムーズです。  また、自転車屋にどんなものが必要かも、業界経験があれば分かるのでお金をもらいながら開業準備ができるとポジティブに考

中古自転車の製作コスト・利益率について

 自転車屋を始めるにあたって、中古自転車を扱うかどうかは迷うところだと思います。ということで、これまでのデータを表にしてみました。データの内容は中古自転車の入手費用、整備費用、販売価格、原価率、利益率となっております。  自転車屋を開業したい方の参考になれば幸いです。あまり広く公開すべき情報ではないと思うので、有料にさせていただきます。 開業初期、記録を付け始めたころ  一番古い時期のデータです。とくに特徴はないですね。

¥490

自転車屋はSNSをするべきなのか

 結論から言うと、スポーツ車専門店では有効だと思います。一般車専門の自転車店はやってもやらなくてもどっちでもいいという感じです。  一般車専門店は主婦層、高齢者層が主な顧客になるので、昔ながらの新聞折込とかチラシ配りでも十分な集客が可能です。逆にスポーツ車専門店はこれらでは集客しにくいです。私はいわゆる町の自転車屋ですが、ブログとTwitterをやっています。集客効果はないことはない程度、やってて損はないけど、それだけで十分な集客ができてるとは全く思えないレベルですね。

自転車屋さんの組み立ての話

 「自転車を買うなら専門店で」よく聞く言葉ですが、はたして本当でしょうか?私は長年自転車業界にいますが、この言葉ほど信用ならないものはありません。根拠として…  まず第一に自転車屋さんの腕がピンキリであること。地域に根差して30年!みたいな店の店主が素人レベルのレベルだったりします。逆にチェーン店に勤める若い整備士がすごくいい腕していることもあります。長くやっていれば腕が上がるとは必ずしも言えません。逆も然りです。  次に、自転車の組み立てには時間がかかるということです。

儲かってないとお客さんを選べないし、それはとてもつらい

 自転車屋を開業してすぐ、近くに同業ができて、なんとか勝たねばと思っていた時期、安売り・値引き上等でシャカリキやってました。  で、利益が少ないと必然お客さんを増やさねば儲からないわけですが、あれやこれやとやりすぎてパンクしそうになった時期がありました。ネット販売に出張修理、警察車両の修理に、代行納入、中古自転車を確保するために不動産屋へ営業なんか掛けてみたり。  いやなお客さんでも笑顔で接客。お金にならないことも一杯やりました。  その結果、ライバル店を撃破したものの

私の目標

 私の将来の目標は なるべく働かないことです。自転車屋を営んでいるのですが、できれば本業以外での収入を増やし、できれば週休2日以上休みが欲しいです。たまに長期休暇も取ったりして。  もちろん、これは20年後ぐらいの話です。それまでは年間300日以上働きます。セミリタイヤみたいなものが流行ってるみたいですど、やっぱり体が続く限りは働き続けたいですよね。  将来的には、店舗付きの住宅を買い、そこに移転しようと思っています。    ブログやSNSを中心に集客を行い一見さんが入って

開業するなら儲けなければならない。その理由

 「人間はなにも食べなくても[感動]を食べれば生きていける」某社長の名言ですが、もちろん、感動だけを食べていれば普通に死にます。順序が逆で、まずは食べ物(比喩ではなく、実際の食糧)、その後に「感動」を得ましょう。  人はパンのみにて生きるにあらず、とも言います。「パンのみ」と書いてあることからとりあえず、まずはパンを食べないとだめです。それ以上のことはパンを食べてからの話です。  でも、某社長の言う通り、感動とか承認とかいった他者に認められることは商売をしていくうえで大事

自転車が高級品になる日

 普通、メーカーや問屋の価格改定って年一回が基本だったんですが、去年、今年と何回も値上げされてます。ちなみに値下げは一切ないです。   原因は様々。コロナ禍での品不足、為替、運送会社の送料値上げ、ガソリン価格の上昇、などなど。下がる要素は一切ありません。  今後もどんどん値上がりしていくでしょう。  ここ10数年でどれくらい上がったかというと、私が自転車業界に入ったのが15年前一番安い自転車は8980円(税込)でした。仕入れ値は約6000円(税込)くらいだったかと思いま

売上より利益が大事

 自転車屋を開店してはや4年以上、開店当初に比べると考え方がだいぶ変わりました。一番大きいのは「売上より利益を意識する」ようになったことでしょうか。  開店当初はライバル店が近所にできたため、値段勝負をしかけたりの消耗戦をやっていましたが、ライバル店の撤退後、ぜんぜん儲かってないやんと気づき、方針転換を行いました。  年商が高くても、経営者の手元に残るお金が少なければ本末転倒です。年商1億、手残り1000万。年商2000万、手残り1000万 なら年商2000万の方が断然い

素人軍師の言うことは聞かなくていい

 お店をやるつもりだと言うと、周りから余計なアドバイスをもらうことがあります。例えば、自転車屋だと「高いロードバイク置かないの?」とか「お客さん集めて走行会イベントとかやったら?」「こういう部品置いたら売れるんじゃない?」みたいな感じです。  これらは全く聞く価値がありません。なぜなら、誰も責任を取らないからです。素人アドバイスを実践して失敗しても責任は自分がかぶります。  半面、お金を貸してくれる銀行や公庫などのアドバイスは聞かなければいけません。彼らはお金を貸して回収