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【計算力学1級単相流】FlowSimulationで解いてみた#1

計算力学技術者の試験(熱流体1級)勉強をしていたとき、実際に解析ソフトで計算したらどうなるんだ?と思ったことがあったので、やってみました。
今回はSOLIDWORKS FlowSimlationを使っています。

問題

上部の円管内に流体が流れていて、左右の液柱高さの差から上流と下流の圧力差を測定するのがマノメータというやつです。ここでは、液柱高さ差hを計算で求めてみます。

理論で解く

 静水圧のつり合い式

$${P_A-P_B= \rho 'gh-\rho gh-\rho gH}$$

 ベルヌーイの定理

$${P_A + \frac{1}{2} \rho V^2 + \rho gH = P_B + \frac{1}{2} \rho' V^2 + \lambda \frac{L}{D} \frac{V^2}{2}}$$ 

ここから圧力差$${P_A - P_B}$$を削除すると、液柱高さ差hは次のように求めることができます。

$${h = \frac{\lambda}{2g} \frac{L}{D} \frac{\rho}{\rho' - \rho }}$$

マノメータの液体を水とし、その密度ρ’=998.16kg/m3, 円管を流れる流体を空気としその密度ρ=1.2929kg/m^3
(※Flow Simulationでは気体は分子質量(kg/mol)で定義するので、1mol=22.4Lから密度を計算しました。)
速度V=10m/s、円管の内径D=0.02m、上流と下流の距離L=0.5m、重力加速g=9.81m/s^2とします。
ここから円管内を流れる空気のレイノルズを計算すると、空気の粘度μ =1.85 × 10^-5を使って

$${Re = \frac{D V \rho}{\mu} = \frac{0.02\times 10 \times 1.2929}{1.85 \times 10^{-5}} = 13977}$$

 今回は円管壁面はなめらかであると仮定すると、このレイノルズ数ではブラウジウスの式から壁面摩擦係数λを求められます。
※ブラウジウスの式はReが3000~100000の範囲で実験と合うとされています。

$${\lambda = 0.3164 Re^{-\frac{1}{4}} \\\ = 0.3164 \times 13977^{-\frac{1}{4}} \fallingdotseq 0.0291}$$

これらを代入して液柱の高さhを求めると

$$
h = \frac{\lambda}{2g} \frac{L}{D} \frac{\rho}{\rho' - \rho}
 \fallingdotseq 7mm
$$

 ではソフトで解いてみましょう。

FlowSimulationで解く

★一般設定
解析タイプでは重力、時間依存(解析時間は仮で1sec)、自由表面のオプションを使用します。
プロジェクト流体は水と空気、壁面条件と初期条件はデフォルトです。(表面粗さは0ミクロン)

★初期条件
水の部分を作ってU字部分に埋め込みます。初期条件で水を指定します。

 ★境界条件
流入流速10m/s、出口静圧=大気圧を設定します。
「十分に発達した流れ」オプションを使用
※助走区間をきちんと計算してモデルを作ってないので…

 ★メッシュ
自動メッシュ、ベースメッシュはレベル6

 ★結果
マノメータ部分は内径18mmでリファインレベル2のセル13個分で構成されています。(全体で約54万セル)

Flow Simulationで高さを測る方法がわからなかったので
メッシュのサイズから高さの概算を出しました。
18mm/13セル×7セル ≒ 9.69mm
理論より3mm弱高いなぁ、、、

#FlowSimulation


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