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真宗高田派本山 専修寺そして津城

真宗高田派本山専修寺せんじゅじ は、三重県津市一身田にある真宗高田派の本山寺院

栃木県真岡市高田にある専修寺(本寺)は、関東各地の中でも有力な教団となり、やがて高田教団と呼ばれるようになりました。

一方、一身田の専修寺は、第10世真慧上人が伊勢国内の中心寺院として建てたもので、関東の本山が兵火により炎上し歴代上人が一身田へ移ったため、やがてこちらが本山として定着したものです(参考:専修寺公式サイト)。

専修寺には建造物の国宝が2棟、同じく建造物の重要文化財が11棟あります。今回は2022年12月に訪れた専修寺についてご報告します。

■真宗高田派:親鸞聖人を宗祖とする「宗旨」である浄土真宗のうちの「宗派(宗教法人法による届出名)」のひとつ。

■このnoteを書いている人:かまふち管理人"sho"
日本の歴史・文化・自然・世界遺産、国宝、(続)100名城、日本遺産、建築、町並み、旧街道、映画、日本酒、折り畳み自転車などに興味があります。京都/奈良/横浜/鎌倉/江の島などなど…。
※プロフィールは下記リンク先を参照してください。

■専修寺近くの鉄道駅は3か所


近鉄高田本山駅

専修寺に行くには、JR一身田駅から徒歩5分、伊勢鉄道東一身田駅から徒歩15分、近鉄高田本山駅から徒歩20分ですが、近鉄の3日間乗り放題切符を持っていたため、一番遠い近鉄の高田本山駅から歩くことにしました(路線バスあり)。

近鉄の高田本山駅から専修寺までは一直線、高田本山駅を出ていったん左に曲がったら、その後交差点を曲がることは一度もありません。

真田寺内町の館

最初は田園地帯の中を歩き、伊勢鉄道をくぐった頃から住宅が増えますが、徐々に瓦屋根の古い建物が多くなります。

そして右前方に専修寺の巨大な山門が見えてきました。

高田会館と山門

■専修寺境内を歩く

◆山門と唐門

専修寺 山門

やがて道路右側に巨大な山門(国指定重要文化財)が見えてきます。そして10メートルほど先には同じく国指定重要文化財の唐門があります

専修寺 唐門

山門は1704年が建築年とされており、山門として最高の格式を誇るもの。一方の唐門は1844年に上棟されたものです。

いずれも見上げるような巨大な門であり、専修寺の影響力の大きさを感じさせます。

専修寺 総合案内所

山門あるいは唐門どちらでもお好みの門をくぐって境内に入りましょう。国宝の2つの建物である御影堂と如来堂が正面に見えていますが、境内に入ったら左に進み、総合案内所でパンフレットを入手して、境内の左端にある御廟方面に進みます。

専修寺 如来堂(手前)と真如堂(奥)ともに国宝

■境内案内図については下記リンク先を参照してください(専修寺公式サイト)。

◆専修寺の聖地 御廟

専修寺 御廟唐門

親鸞聖人の墓所である御廟は、専修寺の境内に向かって左端の塀に囲まれたところににあります。

正面にある唐門とその左右に広がる塀、その奥の御廟拝堂はいずれも幕末に造営されたもので国の重要文化財に指定されています。

専修寺 親鸞聖人御廟

塀の一角から中に入ると御廟拝堂の奥に親鸞聖人の御廟があります。

この廟は1672年に日蓮聖人の歯の骨5粒を納めて造られた廟であり、周辺は木々に覆われ聖地としての雰囲気があります。

■【注】
御廟の奥にある雲幽庵うんゆうあん 安楽庵あんらくあん の見学は予約制です(安楽庵は外観のみの見学)。

◆国宝2棟の建物 それらを繋ぐ通天橋

専修寺 如来堂

国宝の如来堂は1748年の建築です。「証拠の如来」と呼ばれる阿弥陀如来の木造(快慶作 国指定重要文化財)を安置しており、教義上この建物が本堂となっています。

専修寺 通天橋
専修寺 通天橋
専修寺 国宝御影堂

2つの巨大国宝建造物を繋ぐ通天橋を渡って御影堂に移ります。こちらは如来堂より少し前の1666年の建築です。

堂内には725枚の畳が敷かれ、全国の木造国宝建築で5番目に大きい巨大建築となっています。

※通天橋ではお七夜期間中(1月中旬)にライトアップも行われます。

◆まだまだある重要文化財建造物

専修寺 茶所

山門を入ったところにある茶所前には「営業中」などと書かれたのぼり が立っていますが、ここには寺カフェ「蓮心庵」があります

内部には巨大な仏壇があり、座敷で「蓮の実ぜんざい」やコーヒーなどをいただきながら休憩することができます。

■寺カフェ蓮心庵
営業時間:10時~午後3時

専修寺 鐘楼

寺カフェのある茶所と、その隣にある鐘楼も、ともに国の重要文化財に指定されています。

鐘楼から奥にある大玄関、対面所、賜春館の3つの建物も重要文化財に指定されていますが、近づくことは出来ず遠くから眺めるだけとなりました。

専修寺 大玄関
専修寺 対面所
専修寺 太鼓門

最後の重要文化財の建物は太鼓門です。長屋門の上に三層のやぐらを載せた建築様式で、1872年に時刻が西洋式になるまで、ここで鳴らされる太鼓が近隣の人々に時刻を知らせていたそうです。

■そして津城へ

津城 丑寅櫓

昼食を挟んで津市の中心部にある津城跡(続日本100名城)に行ってきました

近鉄の「津新町駅」から歩いておよそ15分、津市役所や裁判所などの官庁街の近くにあります。

津城 藤堂高虎像

築城は城造りの名人とされる藤堂高虎です。現在は本丸と西之丸、内堀の一部が残り、お城公園として整備されています。

津城 石垣と堀

■最後に

近鉄の3日間乗り放題切符を利用した旅の3日目は、三重県津市の専修寺と、続日本100名城に指定されている津城を訪れました

※1日目と2日目はまだブログに書いていません。今後掲載予定。

三重県の国宝建造物は専修寺の2棟のみです。専修寺が所蔵する国宝の「三帖和讃」と「西方指南抄」は既に見たことがあり、三重県内のもう1件の国宝(伊勢国朝熊山経ヶ峯経塚出土品)も既見です。

残るは難関の「玉編」(「神宮」(一般にいう「伊勢神宮」)所蔵)のみとなりました。

2023年は親鸞聖人生誕850年の記念の年。各地で親鸞聖人生誕850年を祝う祝賀法要や展示会などが行われ、専修寺を訪れる人も多くなるのではないでしょうか

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