運慶ゆかりの寺 奈良円成寺
鎌倉時代を代表する稀代の天才仏師、運慶。全国各地に運慶作と伝わる作品は多くあります。
その運慶の作品の中で、運慶真作でありかつ現存する運慶最初の作品である大日如来坐像(以下「大日如来」)が、奈良市郊外の忍辱山円成寺にあります。
今回はその円成寺についてご報告します。
■このnoteを書いている人:かまふち管理人"sho"
日本の歴史・文化・自然・世界遺産、国宝、(続)100名城、日本遺産、建築、町並み、旧街道、映画、日本酒、折り畳み自転車などに興味があります。京都/奈良/横浜/鎌倉/江の島などなど…。
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■忍辱山円成寺とは
忍辱山円成寺は奈良県奈良市に位置し、東大寺、春日大社より東側へ10キロメートルほどの山間にある柳生街道随一の名刹です。
創建時期については諸説ありますが、1026年(万寿3年)命禅上人が十一面観音をお祭りしたのがこの寺の始まりのようです。
■国宝 大日如来
バス停忍辱山から寺域に入り左手に庭園の池を見ながら暫く歩きます。やがて右手に階段があるので、ここを上ると拝観受付となります。
■拝観料:大人 500円(450円)・中高生400円(350円)・小学生100円(100円)※( )は30名以上の団体
拝観受付のすぐ裏側には大日如来を安置している相應殿があります。
かつては多宝塔に安置されていた大日如来ですが、2017年12月に多宝塔からこの相應殿に移されました。
運慶20代のころの初期作品とされる大日如来は桧材の寄木造。大正年間の修理の際に台座に運慶によるとされる墨書銘が見つかり、注文時期やその際の報酬、完成日時などが判明しています。
円成寺の多宝塔はもとは後白河法皇が寄進したものと伝えられます。
応仁の乱の兵火で焼け落ち再建されたものの、老朽化により大正年間に北鎌倉の長壽寺に移転されました。
現在の多宝塔には国宝大日如来の模像が安置されています。
■北鎌倉の長壽寺についてはブログに記事を書いていますので下記リンク先を参照してください。
本堂(阿弥陀堂)は1466年(文正元年)に再建され国の重要文化財に指定された建造物です。
私が訪れたときはちょうど修理の最中であり、足場が組まれ外観を見ることは出来ませんでした。
当初の予定では2023年(令和5年)3月に修理完了のため、この記事を掲載するころには修復後の姿になっていることでしょう。
■国宝と重要文化財の建造物
円成寺の春日堂・白山堂は、1228年(安貞2年)奈良春日大社造営の際に旧社殿が寄進されたものです。
春日造社殿としては全国で最も古いものとして知られ、国宝に指定されています。2021年(令和3年)から修復工事が行われ、現在では美しい姿に生まれ変わっています。
白山堂・春日堂の東隣に建つ宇賀神本殿は、春日造社殿の向拝を唐破風とした奈良県内最古級の社殿であり、国の重要文化財に指定されています。
同じく国の重要文化財に指定されている楼門は、1466年(文正元年)に応仁の兵火により焼失し、1468年(応仁2年)に再建されたものです。
■広大な円成寺庭園
円成寺庭園は平安時代末期に造成されたと考えれる貴族住宅に流行した寝殿造系庭園であり、紅葉の名所としても知られています。
庭園をひととおり回り「御食事どころ 里」の前を通ると国道に出ます。バス停に行くには国道に出たら左に向かって暫く歩くことになります。
■忍辱山円成寺
所在地:奈良市忍辱山町1273
電話:0742-93-0353
拝観料:前述のとおり
■上記住居表示が東京都町田市になっていますが何らかのバグと思われます。
■円成寺への行き方
近鉄奈良駅からバスに乗りおよそ30分程度で最寄りの「忍辱山」バス停に到着しますが、バスの本数は極端に少なくなっています。前述のとおり帰りのバスはおよそ1時間30分待ちでした。
事前にバスの時刻を確認することをお勧めします。
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■円成寺公式サイト
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円成寺を出た後は「ならまち」方面に戻りますが、帰りのバスの待ち時間が1時間30分近くあったためハイキングコースを歩いて戻りました。その様子は以下のリンクからご覧ください。
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