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転職で年収が下がる、日本特有の労働市場の問題点

本日はこんな記事を見つけました。

「日本は諸外国と比較して雇用の流動性が低い」と言われますが、この点は慎重にみる必要があります。
同一企業への平均勤続年数は、日本が11.9年であるのに対して、アメリカは4.1年。日米を比べると、確かに日本の流動性は低いと言えます。
ただし、フランスは11.0年、ドイツは10.8年で、諸外国と比べて日本と同程度の国も散見されます。
諸外国との比較から日本の課題をあぶり出すというのであれば、こうした「流動性を高める・転職率を上げる」といった単純な労働移動の「量」の議論だけでなく、流動性の「質」にも着目すべきだと思います。
流動性の「質」の方がむしろ、諸外国との間に明確な差があります。リクルートワークス研究所が実施した「5か国リレーション調査」では、日本、アメリカ、フランス、デンマーク、中国における30代・40代の転職者、各国それぞれ約600人(デンマークのみ約150人)に「転職前後で年収が1割以上変化したかどうか」を聞いています。
転職によって年収が「増えた」と回答した割合をみると、日本以外の4カ国では「7割以上」となります。
一方、日本では転職で年収が「増えた」と答えたのはわずか「4割強」。逆に「2割弱」は転職で年収が減っており、ここに非常に明確な差があります。

日本において、転職で給与が上がらない理由はさまざまあると思います。ただ敢えて一つに絞って言えば、日本型雇用が答えになるかと思います。
この図表を見てください。転職によって「役職が上がった」人の割合は、日本では約1割。日本では、転職は「昇進の機会」にはなっていません。

一方、海外に目を向けると、中国では約5割、アメリカやフランスでも約4割と、転職が昇進の機会となっている事がわかります。
アメリカの企業では、営業部長が転職等により退職した場合、単純に営業部長を外部から採用しようとします。その際、能力に関する要件を満たしてさえいれば、他社の課長を(部長として)登用するケースは珍しくないと言います。
求職者側からみれば「現在所属している会社では、上のポストが詰まっていて昇進できない」という場合、他社における「上のポスト」を狙うという選択があるという事です。
一方、典型的な日本型雇用の企業では、営業部長が退職した時、課長を部長に上げて、空いた課長ポストに係長を当てて…と、社内で玉突きのように人事異動が起こります。
組織長として必要な要件として、その職務や部署において必要な専門性よりも、その会社組織における人脈を優先している方法と言えるかもしれません。
上記記事より

雇用の流動性の質に着目している素晴らしい記事だと思いました。確かに、日本の企業は能力から見た適正給与よりも少し下の年収ラインで中途人材を採用している傾向にある気がします。

自社で同様の成果を発揮いただけるか分からないから、、といった理由がありますが、それでは転職による給与ダウンが増え、流動性の量が増えたところで賃金は上昇しないという負の流れになってしまいます。

優秀な人は高いポジション、高い給与で他に取られるという適正な流動性に、企業が危機感を覚えて給与、人事制度の改革が進めばいいなと思います。

本日は以上でーす。
しょーじん

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