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「私の知ってるゲームじゃない」Lineage リネージュ昔話015

 あまりにも上手すぎるプレイを見た際などに「自分が知っているゲームと違う!」などと感じることがあります。
 リネージュにおいても「自分が知っているゲームと違う」と感じさせてくれた方が1人いました。
お名前を仮にMさんとしておきます。ある格闘ゲームのプレイヤーとして、その方の地元では有名な方でした。
初めて訪れたゲームセンターで「もしかしてMさんですか?」と声をかけられたりすることも少なくなかったそうです。

 驚くほどゲームの上手い方でしたが、リネージュにおいて「自分が知っているゲームと違う」と感じた理由は、上手すぎるからではありません。
他に同じようなプレイをしている方を見たことがない、珍しいプレイをいくつかされていたのです。Mさんがどのようなプレイを行っていたのか、知っている範囲で紹介してみたいと思います。
 
1.エントを毎日8時間叩く。
 リネージュにはエントというNPCがいました。木の化け物のような姿をしているのですが、敵ではありません。素手で叩くとアイテム(消耗品)をくれます。
「エントの枝」と「エントの実」というアイテムが手に入り、初心者にとってはちょっと良い値段で売れます(特に「エントの実」のほう)。

 このMさん、そのエントを毎日8時間叩いていた時期があるそうです。
エントはモンスターではなく反撃してくるわけではないので、敵を倒すという感じではなく、経験値も1点もくれません。
操作としてもCTRLを押しっぱなしにして、ひたすら左クリックするだけです。頭がクラクラするほどの作業感です。

 この作業を毎日8時間やるのは、ほとんど拷問です。ゲームをプレイしているとは思えないほどの単純作業だからです。
 Mさんに、なぜここまでの作業プレイをしようと思ったのか?と聞いた際の回答は、
「ただそれが一番効率が良いと思ったから」
でした。いくら効率が良くても、私にはとても無理です。

2.クラン(チーム)に入るやつは負け犬。
 リネージュはゲームシステム上で、チームのようなものを作成することができます。それをクランまたは血盟と呼びます。
それぞれのクランはユーザーが運営しているので、目的やプレイスタイルによって、様々なクランがあります。自分にあったクランを探して、どこかに所属することが一般的でした。
・まったりと普通のモンスターを狩りたい人は、そういう人が集まるクラン。
・攻城戦に参加して城主を目指したいという人は、そういう人が集まるクラン。
・強いけど良いアイテムを落とす、いわゆるボスモンスターを狩りたいという人は、そういう人が集まるクラン。
・特定の漫画や芸能人が好きな人同士で、ゲーム内チャットを楽しみたいという人は、そういう人が集まるクラン。
様々なクランがあるので、多くの場合はちゃんと自分に合ったクランが見つかります。それでも自分に合うクランがなければ、自分でクランを作ることもできます。

 しかしMさんは違います。
「強いやつは群れない。ボスを狩るにしても、出たアイテムを多人数で分配するとメリットが少ない。だからクランに入るやつは負け犬。」
と言い張っていたのです。

 その頃は私と一緒に少人数のクランを作ってはいましたが、基本的には群れることを嫌う孤高の人でした(その当時の私達のクランは本当に少人数です。最大4人ぐらい。)。
パーティープレイのメリットがより大きいであろう他のMMORPG(RedStoneというタイトルです)でさえも、「ソリスト」と呼ばれる、1人で狩り続けるスタイルを続けていました。

3.キャラクターを育ててお金をもらう。
 これが利用規約違反なのかどうかはそのゲームによると思いますが、依頼者の代わりにキャラクターを育ててお金をもらうということをやっていました。
具体的な金額は記憶があやふやなこともあり記載を避けます。
好きな時間にできる在宅のバイトと考えると、けっこう割が良いと思える金額だったと記憶しています(1時間あたり数千円ぐらい。時給1万円まではいきません)。
 これも私がやったことがないプレイで、興味深く話を聞かせていただきました。

 ちなみに当時、リネージュの本場である韓国には「ポセイドン」という名前の超有名プレイヤーがいました。リネージュにおいて世界一レベルが高いキャラクターが「ポセイドン」でした。
このポセイドン氏も、キャラクターを育てる人を雇って、ほぼ24時間体制で自分のキャラクターを育てさせていたという話です。会社経営者として成功されている方で、自分で一生懸命プレイしているわけではなかったのですね。

 私自身も色々なクランに入り、色々なプレイをしてきた方だと思っていたのですが、まだまだMMORPGの世界は広かったようです。
他にも特殊と思われるプレイをしたことがある・聞いたことがあるという方は、ぜひ教えてください!

 締めくくりに

 この記事を書く少し前、友人にMさんのキャラクター育成代行の話をしていました。
「ある意味では、自分のスキルを活かした仕事ですね。」という感想を受けて、「言われてみればその通りだな。」と思いました。

 キャラクターの育成代行という仕事を、やりたい人はかなり少ないと思います。
なぜならこのゲームについて、効率よくキャラクター育成ができるような人は、たいていの場合自分自身のキャラクターを育成したいはずです。
 そして、効率よくキャラクター育成できる知識や経験があるのに自分のキャラクター育成をしたくないのであれば、このゲームをプレイすることに消極的ということですから、他人のキャラクターを育てることも苦痛でしょう。
 つまりキャラクター育成という仕事を依頼しようと思ったときに、効率よくできる引き受け手はほとんどいないと思われます。

 自分は好んでやれるけど、一般的には嫌がる人が多い仕事。それこそが自分の得意な仕事なのかもしれません。
皆がやりたい・できる仕事は、結局競争に晒されやすいわけですからね。

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