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応援したい、見守りたい【Fリーグ2024-2025 ディビジョン1 第2節】

この記事で昨シーズンの2倍の観戦記!
なんてったって昨シーズンは22節中1節で終わりましたからね!
2倍のハードルが低いよ!

さてさて、第2節の観戦記です。

フウガドールすみだ vs しながわシティ│
2024/6/7@ひがしんアリーナ

墨田区総合体育館と東京東信用金庫がネーミングライツパートナーとなり、アリーナ名が「ひがしんアリーナ」に変わりましたね! サイネージもしっかり変更になっていました。

第1節ではホームで敗戦し初勝利を目指すすみだと、名古屋オーシャンズに勝利し連勝を目指すしながわ。熱くならないわけがない。どちらに転んでもおかしくない、目の離せない一戦となりました。

名古屋オーシャンズサテライト時代から見てきたマサ(平田ネト アントニオ マサノリ選手)がしながわに加入後、初めて現地で見る試合だったのでウキウキで向かい注目もしていたのですが、17分に退場処分。NOOOO・・・心の中ではムンクの叫び。

先制され1点を追っていたすみだは、このファウルで得た第2PKを星翔太選手がしっかりと沈めて1-1で第1ピリオドを終了。第2ピリオドはシーソーゲームとなりましたが、星龍太選手の退場処分により数的優位となったしながわがこのチャンスを生かすと、1G1Aの活躍を見せたカイオ選手のゴールが決勝点となり3-4で勝利。しながわはこれで開幕2連勝です。

しながわにとっての試金石。勝って兜の緒を締めよ。

打倒・名古屋オーシャンズはFリーグのどのチームも目指すもの。その分、名古屋戦に勝利したあとの試合では往々にして結果が出ないことも。この試合で勝つか負けるかは、しながわにとって大きなポイントでした。

比嘉リカルド監督にどのような思いで臨んだかを問うと「すみだにはすみだのキャラクターがあり、名古屋とは違うスタイル。前プレをかけてスペースを与えたら裏を取られるようなシーンもあった。自分たちのリズムになるようなゲームを作りたかったが、駆け引きもあるし相手も強い。だから僕たちのメンタルのところで、王者の名古屋に勝って勘違いをして、すみだにも勝てるんじゃないかというような意識ではいけない。勝ったら逆に厳しいことを言う。チームの土台はディフェンスなので、うまくハマらなかったから(この試合でも)宿題はいっぱいある」とのこと。次節のホーム開幕戦も、今シーズンを占う大きなポイントとなりそうです。

白方秀和選手「しながわは名古屋に次ぐチーム」

キャプテンの白方選手は、前身のトルエーラ柏時代からチームを知る数少ない選手。F2リーグ連覇や、2022年3月のF1・F2入替戦での涙の敗戦、翌シーズンのF1昇格とさまざまな経験を経て、年々キャプテンとしての存在感が増しています。そんな白方選手に、今シーズンのチームをどのようにとらえているのか聞いてみました。

「純粋にいいチームだと思う。過去のチームがいいチームじゃないっていうわけではないんですけど」

ああ、冒頭から人柄が表れている・・・。

「練習でも競争力がある。こういうチームが優勝争いをして、今は(優勝は)ずっと名古屋オーシャンズだけど、僕らがそこに割って入るチームでないといけないと思っている。過去にはそう見られつつも結果が出ないことがあったが、こういう難しい試合を勝てたのは個人個人の能力もあると思うし、チーム全員で戦えているからこそ。名古屋に次ぐチームとして責任を持ってやっていきたい」

2シーズン連続、開幕節で古巣の名古屋と当たった白方選手。昨シーズンはベンチ外でしたが、今シーズンは自身のボレーで勝利を手繰り寄せました。「つらい経験」などという言葉では片づけられない経験を乗り越えてきた白方選が優勝争いに絡んでいく姿をこれからも見守っていきたいです。

10年以上の時を経て、ともに戦う

今シーズン、フウガドールすみだの監督に就任した岡山孝介監督。しながわシティの前監督です。
昨年11月に退任が発表されたのは、奇しくもこの日試合が行われた墨田区総合体育館(現・ひがしんアリーナ)でのしながわシティ対湘南ベルマーレ戦のあとでした。

開幕からホームで2連敗となったものの「進んでいる道は間違っていない」と岡山監督。どちらに転んでもおかしくないゲーム。勝利がしながわに転がったこの試合を終えて、これからさらに高めていきたいところを聞くと「うーーーーん(10秒)、そうですね・・・(10秒)。全体的ですね」
この岡山監督の独特の「間」が結構好きです。

今やっていることを高めること、新たなバリエーションを取り入れること、それを焦らず時期を見て取り組んでいくことをコーチングスタッフと話しているそう。すみだはコーチ陣も強いですからね。これからが楽しみです。

現役復帰を果たした星翔太選手と岡山監督は2013/2014シーズンまでバルドラール浦安で戦った仲間。10年以上経ってまた、ともに戦うわけですが、私が翔太くんの筋肉のしなやかさの話をすると「彼は本当にプロフェッショナル。身体の使い方もよく分かっているし、プレー面も本人はまだ納得していないだろうけど、これからもっと良くなると思う」。プロとしての姿勢を示すことにも期待をしているそうで、チーム全体が引き上げられていくことに期待です。

2021-2022シーズンで引退し、3シーズンぶりの現役復帰となった翔太くん。もちろん引退後は現役時代と同じ強度でのトレーニングなどをしていたわけではなく、復帰を決めてからの準備だったとのことですが、引退前に感じていた筋肉のしなやかさは健在でした。

Y.S.C.C.横浜 vs 湘南ベルマーレ│
2024/6/9@横須賀アリーナ

稲葉洸太郎監督よ!!!
私はあなたが指揮を執る姿を見るのを本当に楽しみにしていたよ!

しかも湘南との神奈川ダービー。ロースコアの拮抗した展開になるだろう、と思ってはいたものの、これだけの熱戦で1Pを0-0で折り返すとは。
2022年11月5日に平沼記念体育館で行われた同カードも35分まで試合が動かず、最終スコアは1-0で横浜が勝利しましたが、この試合も36分に試合を動かしたのは横浜でした。GK井戸孔晟選手が起点となって菅原健太選手が先制点を挙げる流れでしたが、その内容は平沼との試合とはまったく異なりました。終盤までスコアレスだったのが信じられないくらい。

1点ビハインドの湘南が残り43秒、萩原真夏選手をGKに置いたパワープレーから計盛良太選手のゴールで同点に追いつき、横浜が野尻大和選手をGKにパワープレーを仕掛ければ湘南がGKを牛迫蒼海選手に変えてパワープレー。残り5秒で横浜がラストチャンスに懸けるパワープレー、と最後まで目が離せない熱戦は1-1でタイムアップ。「パワープレー」がゲシュタルト崩壊。見ているだけで疲れました。

稲葉洸太郎”監督”が打ち出すYSスタイル

現役時代からのつきあいで、2021年にリトアニアで行われたFIFA フットサルワールドカップでは一緒に試合を見ながらあれこれ教えてもらったこともある稲葉監督。やっぱり話が興味深かった!

試合前にチームのスタイルを聞くと、ちょうど高橋響選手や荒川勇気選手、菅原健太選手が目の前でウォーミングアップをしていたので「ああいう個性のある選手たちにクワトロをさせても意味がないでしょ?」と。それぞれの個性や良さを引き出し、組み合わせながら試合をしていく、と話してくれました。その前提に立って狙いを想像しながら見る試合の楽しいこと!!!

試合後、GKの井戸選手が起点となった先制のシーンについて聞くと「(昨シーズンまでの)4-0から3-1に変わって彼が投げる距離も変わって、そこの調整をしていると思う。相手が前からくるので、井戸が起点となり相手をいなした瞬間に4対3を作ることもできていたし、セービングもしっかりとしてくれてがんばっていると思う」と高評価でした。

井戸選手自身は「前節よかった分、それを意識しすぎて入りが難しくなってしまった」と振り返りながらも「昨シーズンは1本目のシュートで入ってしまってどんどん崩れてしまうこともあったので、それを止められるようになってきた印象はある。パフォーマンスはよくなってきていると感じる」と自信を積み上げている様子。稲葉監督と同様にスローの部分では「投げる距離も変わったので、トレーニングで磨いてきた。もう少し突き詰めればチームにもフィットしてくると思うので、成長したポイントでもあり、もっと伸ばせるポイントでもある」。

先制の起点となったシーンももちろんですが、その前のシーンでは湘南が左奥を狙ったロングボールに飛び出してカバーした井戸選手。気の利いたプレーをするな、とそのシーンについて聞いてみたところ「前からプレスをかけている分、裏のスペースはある。ゴールを開ける怖さはあるものの飛び出しは自分の強みでもあるので、出しすぎず、出さなすぎず。バランスを見ながらプレーしているが、強みを出せた印象」とのことでした。

井戸選手はね、応援しているんですよ、私。
応援している選手ばかりですが。

初めて取材をしたのは2022年9月のフットサル日本代表トレーニングキャンプ。私がバインダーやらペンやらあれこれ手に持ちながら突き出したICレコーダーを「僕、持ちますよ」と持ってくれて「なんて気が利く選手なんだ!!!」と感動した上に、自身の考えやプレーを言語化する能力に長けていてとても素晴らしくて。当時から言っていますが、これからも注目していきたい選手のひとりです。

そして、新加入で若手の野尻大和選手をパワープレーのGKで起用したポイントを稲葉監督に聞くと「左利きという特性もあるが、今日も仕掛けてチャンスを作っていて自信を持ってプレーをしているので、彼の起用はある意味、普通というか正当な評価」と信頼を寄せているようでした。

野尻選手は名古屋オーシャンズサテライトからの新加入。3月の全日本フットサル選手権1回戦「ペスカドーラ町田vs名古屋オーシャンズサテライト」でも見ていた選手です。この試合でもサイドの突破が素晴らしかった! 次節はFリーガーとして臨む町田との一戦。活躍が楽しみです。


高橋広大選手の責任感と存在感

今シーズン、湘南のキャプテンを務める高橋広大選手。自分が戦況を切り開くという闘志がさらに増しているように感じました。ボールを奪えば自ら運んでフィニッシュまで。自陣のペナルティエリア内ではシュートブロックと、攻守にわたる活躍。本人としては勝つ姿勢を見せることはマストであり、失点シーンも振り返ってこの試合の評価は「ありえない」だそうですが・・・。

キャプテンに指名されなかったら直訴しようと思っていたほどの強い思い。それは「優勝したいから」。

2018年12月15日のデビュー戦では、Jリーグ・湘南ベルマーレユース出身選手ということで地元メディアの注目も高く、記者会見に登場した高橋選手。あれからもう7シーズン目なんですね。

伊久間洋輔監督も「去年も一昨年もそうだったが、高橋広大と山﨑歩夢。彼らがどれだけ勝ちに貢献できるかだと思っている」と信頼を寄せている様子。「広大は昨シーズンの終盤にそういった姿勢を見て取れたのでキャプテンに指名したが、本人も「僕も直訴しようとしていた」と。(前キャプテンの)フィウーザはほっといてもキャプテンシーを発揮してくれるから(笑)、フィウーザにも広大でいきたいという話をしたら「もちろんだよ、そうしよう!」と言ってくれた。昨シーズン苦しんだ選手たちは、今日の試合の後半も負け試合のような内容だったにもかかわらず、勝点1をもぎ取るような成長を見せてくれていると思う」。

湘南ベルマーレフットサルクラブのミッションのうち「競技性」として掲げているのが「日本一を取り、その先のアジアNo.1を目指す」。悲願のリーグ優勝に向けた戦いは始まったばかりです。

(AFC様・・・2019年に名古屋オーシャンズが優勝して以来、コロナ禍の影響もあり開催されていないAFCフットサルクラブ選手権、ぜひ復活させてください!!!) 

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