見出し画像

将棋に強くなる方法

将棋の実況解説をやっているとよく聞かれるのが
「どのようにすれば、強くなれるのですか?」

この質問に答えるのは非常に難しいです。
その前に、私の将棋の腕前は?
将棋ウォーズ五段でやっております。


定期的に将棋を教える機会があり、初心者からアマチュア五段レベルまで教えた経験があります。
その経験をもとにしても、やはり
「どのようにすれば、強くなれるのですか?」
この答えは難しい。

なぜ、難しいか、実力によって求められる能力が違うからです。
では、レベル別にみていきましょう。

1.将棋のルールを知らない人


 これは簡単ですね。まずはルールを覚えてください。

2.動かし方がわかる人


 将棋というゲームは必ず「王」を詰める必要があります。
 そうすると、必然的に「詰め将棋」をマスターしなければなりません。
 最初は「1手詰め」から。
 「3手詰め」ができるようになった人は「将棋を楽しむ」ことができると思います。
 ここでの疑問は、「定跡は?」とか「囲いは?」とかありますが、「3手詰め」ができるようになってからで十分です。
 なぜなら、初心者どうしの対局で定跡どおりに進むことがありえないからです。それより、どういう場面が訪れても、相手玉を討ち取ることが必須スキルです。

3.「3手詰め」ができるようになった人


 いよいよ「定跡」や「囲い」を身につけましょう。
 「3手詰め」ができるようになって初めて「囲い」のメリット・デメリット、「定跡」の意味が少しわかるようになります。
 そして、「定跡」というのは、先人たちが「こうするのが得策」という道しるべを築いてきたあかしなので、最初はそれになぞられるのがベストです。

4.級位者


 詰め将棋をどんどんこなしていきましょう。
 おそらく将棋に慣れてきた級位者は、「5手詰め」~「9手詰め」くらいまではやっていくうちにできるようになっていくと思います。
 ここで、「級位者」にお勧めしているのが、「好きな戦法を1つ決めること」。そして、これをとことんやってみることです。
 なぜなら、いろいろな戦法に手を出しても覚えられないし、定跡が定着しないからです。
 RPG風に言えば、LV1の魔法をたくさん覚えるより、LV10の魔法を1つ作る方が勝てる確率が高いからです。

5.初段・二段


 このレベルになると、「5手詰め」が一目でわかるようになってることだと思います。もし、一目でわからない場合は「5手詰め」ハンドブックを繰り返すことと良いでしょう。本能的に答えがわかるようになります。
 このあたりから人によって強くなる方法がまちまちになっていきます。
 「詰め将棋」を極めていく人(~15手詰めくらいまで)
 「定跡」を極めていく人
 いろいろな戦法を試して自分にあった戦法を再発見する人
 どれが必要か?
 すべて大事です。
 実戦的に強くなるには、「詰め将棋」でしょう。
 本質期に強くなる方法は、序盤・中盤の研究です。
 これらは有段者には一生必要な手段です。
 もっといえば、トッププロのやっていることです。

6.三段・四段


 このあたりで、壁を迎える人が多くいるように感じます。
 そして、このレベルで立ち止まっている人の多くが、「直線的な指し手」が多いこと。
 つまり、今攻めるべきかどうかの局面を迎えたとしましょう。
 そのときに、攻めて玉砕する人が伸び悩んでいる人
 「さらに攻める準備をする」=「力をためる」≒「手待ち」などができるようになると、一気に手ごわくなります。
 では、その感覚を身に着けるにはどうすればいいか?
 「強い人の将棋を見る」・「棋譜を並べる」のが重要になってきます。
 自分なら攻める局面なのに、強い人が攻めずに異なる手を指す=そこに新たな発見・新たな能力の開花があるのです。

7.五段以上


 現状、私は五段です。
 この上の世界についてはわかりませんが、「詰め将棋」や「定跡研究」、「棋譜並べ」
 これの精度によって、実力が異なってきます。
 「どれほど時間をかけたか?」「読みの精度・速さ」
 このようなものをレベルアップできるようになれば、全国トップレベル・奨励会→プロ棋士も夢じゃないかもしれません。

私自身もこのような練習を行い、全国大会を目指し将棋を続けていきたいと思います。
応援のほど、よろしくお願いいたします。

最後に


最後に、「次の一手」や「必死」問題などもあります。
伸び悩んでいるな~というときに、やってみるといいスパイスになることもあります。ときどき、やってみることをおすすめします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?