(2)死生学が必要な理由〜死生観の宗教からの独立〜
「死にたいように死なせてあげたい。ホスピスの医者としてはそう考えるのですがね。こういう死に方をしたいというイメージがない人ばかりなんです。生き方ばかりじゃ最後は役に立たないんですけれどね」(永六輔『大往生』)
現代における死に関する問題は、目に見えない形で生活の中に姿を現しているようだ。日頃から生死に関わっている人、関心を持つ人がそうした問題に気づき、声を上げている。死生学はそうした人たちによって、ようやく一つの学問分野として認知されつつある。
少し話は逸れるが、現代の日