見出し画像

「なーにが事業承継だ」

家族経営でやってると、
ちょっとした話しのタイミングで、
たまにそんな話が出る。
「なーにが事業承継だ」と。そして続く。
「今の事業をキチンと確立できてもないのに、後継者をどうのって議論するべきじゃない。それ以前の問題だ。」


それもまぁ、そう。わかる。


先日のウェビナーでも、そんな話が出た。奥さんが事業承継のことを切り出すと、旦那さんが「それ以前の問題だ〜。」みたいな話になり、そんな議論するつもりなかったのに〜、となっていた。こういう流れになるのは、事業承継が優先事項にまだなっていない年齢(今回は40代のご夫婦だった)って要素もあるかも、しれない。


でも、それで良いのだろうか。


それはそれで現実なんだろうけど、ならば、いつ事業承継について考え始めるんだろうって話だ。
期日を決めておかなければ、60歳を過ぎても「うーん、情勢も厳しいし、思った理想のカタチはもう少しで届きそうな気もする」となりかねない。「できれば子供が継いでくれたら嬉しいけど、今の状態で継ぐかを問うのは、早い気がする」とか言ってるうちに子供たちは良い歳になる。多くの先輩農家と接してきて感じるのは、60歳は、なってみると、思ったより「もう歳だしな」ってならないってことだ。


そしてここで残念なお知らせだ。
「承継するのに良い頃合いだ」って日は、期待するほど来ない。


冷蔵庫も洗濯機も壊れないと替えられないみたいなもんで、「もうそろそろって雰囲気にはなってたけど、あの時替えとくべきだったぜ〜」みたいな心境。良い頃合いの日は来ず、エイヤッの精神だけなのかもしれない。
竹本家の場合も、大いに葛藤ある中での承継だった。後継者(ボク)は計画した時に描いてた程頼もしい存在じゃなく見えるし、情勢も不安定、生産コストも年々上がり、米価は上がらない。交替の良い機会にと、新センター建設計画を立てたが、思ってた倍以上の額の見積もりが来て、経営者(パパね)にとっては、これは今一度フンドシを締めて取り掛からねば〜みたいな思いもあっただろう。

「なーにが事業承継だ」と言いつつ、承継プランはそれはそれで練るってのが吉。

理想を言えば、どの年代においても、
10年や5年ごとのステージ計画みたいなのを描いておく必要がある。
「40代の時は〜だ!」みたいな。
3年後に法人化する〜とか。
ここまでに貯金をいくらにする〜とか。

継ぐ継がないの決定は別として、子供に継いでもらいたいと思うのであれば、子供が何歳のタイミングでどうアプローチするか、竹本家でいう「札束ドーン」みたいな施策をいつするかを、計画立ててみる。これは、「なーにが事業承継だ」と言いながらでも、やることは出来る。(意識しないと出来ない)

あとは、「ボクに今なにかあったらどうする?」を、カミさんと軽く話し合うようにしてる。
・カミさんが経営?やーよ、無理よ。
・パパ復活?それはそれで地獄の一丁目やよね。
・◯◯先輩に相談?うーん、△△さんは?
・ま、健康診断受けるのと、お酒は今日これでおしまいね。
みたいなやりとり。結論は決められないけど、いざって時の判断材料を散りばめておくことは、40代の事業承継施策として、アリかと思う。

(ぜんぜん意図せずやってたんだけど結果オーライ)

以上、本文はここまで。有料ラインを引いてますが、追加コンテンツは何もなし。チップ置き場程度なので、気に入ってくれたら、チップお願いします。


ここから先は

115字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?