見出し画像

"人類学"と"雑貨論"が、まさか繋がるとは

ポッドキャスト、ブームかと思いきや、その勢いは留まることを知らないですね。自分は、ポッドキャストを聴くと、その分音楽を聴く時間が減ってしまうというトレードオフが気になっていて、しばらくの間、食わず嫌いをしていました。が、コロナ禍の影響もあり、ポッドキャストに手を出し始めたら、ハマってしまいました。

音声という武器だけでの勝負なので、コンテンツと話者次第というシンプルな形になり、それが逆に、情報を足し算していく面白さとは違った軸の面白さを感じるなぁと思う今日この頃ですが、最近聴いた、「コクヨ野外学習センター」が配信していたポッドキャストが、最高に面白かったので、ただただ面白かったよということを書き残しておくためだけに、この記事を書いています。

番組は2種類。「働くことの人類学」と「新・雑貨論」。タイトルからして、面白そう感が半端じゃないです。簡単にそれぞれの番組について書きます。


まずは「働くことの人類学」ですが、こちらは文化人類学というテーマを通して、働くことを捉えなおすという番組で、毎回文化人類学者を呼んで、ディープな対話が繰り広げられます。

文化人類学という学問自体に、もともと興味がありましたが、やはり面白い。我々が持っている、"常識"的な価値観が、毎秒毎秒揺さぶられる感じがして、スリリングな体験でした。

文化人類学って書いちゃうと、なんか学問的で複雑な話をしているように思えますが、全然そんなことはなく、世界各地で色々な生き方をしている人々について、ユーモアを混ぜながら繰り広げられる会話は、小難しいことを考えなくても、面白く聴けると思います。

全6回プラス特別回があって、どの回も甲乙つけがたいのですが、個人的に特に面白かった回は、第6話「テクノロジーと共に働くこと」です。

ロボットやAIについて、人類学の観点から考えるという話から始まり、AIは将棋が"強い"からプロ棋士になれるわけじゃない、だって和服も着れないし正座もできないし、という斜め上の話を経て、最後は「小アジのムニエル」を見つけようという超パワーワードに到達します。めちゃくちゃ笑ったので、気になった方は是非聴いてみてください。

この回は特にそうですし、全編通しても思いますが、やはり、"良い"・"悪い"という軸、枠組みに限界が来ているように思えてなりません。我々は、別の軸や枠組みで物事を考える方法を見出す必要があって、そのヒントが「小アジのムニエル」に見出せるのかもしれません。(「小アジのムニエル」が気になってきた方は、是非聴いてみましょう!)

そういえば、やっぱり文化人類学面白い!となったので、ポッドキャストの中でも時折話題に出てくる「文化人類学の思考法」を少しずつ読み進めています。面白いので、おすすめです。


続いて、「新・雑貨論」。正直に言うと、もともと文化人類学面白そうだなと思って、「働くことの人類学」を聴き始めたので、こちらはおまけみたいにしか思っておらず、一応聴いてみるか程度でした。が、聴き始めたら、まさか、こちらのほうが面白かった、、、笑

毎回ゲストを呼ぶ形式は同じながら、「働くことの人類学」ほどかっちりしておらず、良い意味で雑です。雑談により、話があっちこっちに飛び火するのが、最高に面白い。そもそも雑貨論というテーマが、結構謎だったのですが、全編通して聞くと、なんとなく良い感じにところに辿り着いた感があるのが凄い!

こちらも全6回プラス特別回があるのですが、個人的に特に面白かった回は、第2回特別回です。

第2回は、最初にゲストを呼んだ回ですが、いきなり話が、"雑貨の終わり"とかデカい話になって、めちゃくちゃ面白かったです。いちいち出てくるエピソードが笑えるし、それでいて、あちこちで、雑貨という視点を通して、もっと広い社会的な視点を提供してくれます。

特別回は、この「新・雑貨論」のまとめ的な内容になっています。最後に触れられているのですが、一見関係が全く見いだせない「働くことの人類学」とこの「新・雑貨論」という二つのテーマが、最後には確実に交差して、そしてリンクして、示唆を得ることが出来ているという事実に、なんだか感動してしまいました。


今回、あえてホストの方やゲストの方の名前を一切出さないでみましたが、皆さん話すのが本当にうまく、どの回も本当に面白かったのです。しかも、これはシーズン1の位置づけであり、シーズン2も企画されているとのこと!またこの続きが聴けると思うと、ワクワクします。

まだまだ身動きが取りづらい状況が続きそうな情勢ですが、そんな時間のお供に、知的好奇心が、バリバリに刺激されるこちらのポッドキャストを聴いてみるのも、良いのではないでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?