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022.一石二鳥とチームワーク

一石二鳥という言葉が好きだ。
もともとモノグサというか、「非効率的なこと」がとことん嫌いだ。言い方を変えると「ビジョン(城)が見えないレンガ積み的な作業」が、嫌い。

段取りの悪い仕事も嫌だし、ブループリントなく走り始めるのとか、結果的に非効率なのがわかってるから嫌い。(別な表現をすると「仮説を立てて検証する感じ」に近い)

たとえていえば、「カレーをつくるのに玉ねぎ買い忘れ、カレー粉買い忘れ、何回もスーパー行く」みたいな感じ。

建築は「だんどり」って大学時代に教わった。「デカイこと」をやるからこそ、だんどりが必要なんだよね。じゃないと、下手したら人が死ぬ。建築を舐めんなよと。

で、いくらだんどりしたところで、予定通りにいかないのが建築の面白さであり、怖さでもある。

そもそも建築はチームワークだ。もともと私は”チームワーク”以外に興味がないので、「えせチームワーク」に対する嗅覚が鋭い。

そして、チームワークを成功させるには「ビジョンが絶対的に必要だ」と思ってる。私は「社長に見せたプレゼンを現場の職人にも必ず見せると決めてる」のだが、それをやると本当に「奇跡」が起こる。

で「えせチームワーク」とは、なにかといえば、「1,集団浅慮」「2.単なるトップダウン(ボスの奴隷)」「3.シェアオフィス」の3タイプに分類されると思ってる。



1.えせチームワーク「集団浅慮」

無目的になんとなくボヤッと「群れてる」集団のこと。私はとにかく昔からそういう集団が苦手だ。「同期」とか、「同級生」とか。「そのたまたま同じ年に入っただけ」で強制的に団体行動を強いられる母集団的なやつがとにもかくにも「苦手」だった。(唯一苦手じゃなかったのは、”サンバ道後小学校”だけかも)。

コロナでめっきり減った懐かしき時代の「二次会いく?いかない?どうする?えー」な時間とか、ほんっとに嫌いだった。そのぼんやりした集団を尻目に、二段飛ばして店まで駆け上がり、「空いてるってよ?」と探して来て、私はサクッとタクシーで帰ったりしてた。(家が近くていいなとぶつぶつ言うやつには「だったら、テメェの意思で近所に住めよ」と思ってた。本当に嫌なやつ笑)



2.えせチームワーク「ボスの奴隷」

このチームの見分け方は、ボスの様子を見るとわかる。「なんか意見ある?」とボスが言った後に、本当に意見を言うとたちまちボスが不機嫌になるパターンだ。そういうボスは、周り。大抵イエスマンで固めている。周囲の人たちは単に「ボス奴隷」なだけ。だから、この集団による仕事はチームワークではない。

3.えせチームワーク「シェアオフィス」

この集団は、なかなか見分けがつかない。そこに入り込んで実際に仕事をしてみてはじめて判明する。厄介なのは入ってからその事が判明しても(たとえば転職なんかしちゃったら)、”時すでに遅し”なことだ。このチームが厄介なのは「優秀な単品」が揃っている事だ。しかし、互いに協力したりしないし、情報もシェアしない。そんな会社あるのかね?と思うかもしれない。しかし、今どき在宅勤務で、会社に所属してるだけで、互いのことをまるで知らないもしたら??ゆえにその集団(会社)は、オフィスをシェアしてるだけなので、シェアオフィスの住民と変わらない。なんなら、シェアオフィスの方がまだましかもしれない。we workはコンシェルジェがいて、舞い込んできたプロジェクトに対して、異なる職能を繋げてくれる(らしい)から、そこで構成された仕事はチームワークと呼べるようになるかもしれない。



組織(チーム)で仕事するなら、「回を重ねるごとに生産性上がる」のは大前提だ。いろいろな「フォーマット」とかも「あえて意図的に破壊してゼロからつくる」ならともかく、無自覚に毎回のようにゼロからつくってたりすると、「本当にバカなの、死ぬの」と思ってしまう。

デザインも、ものごとも、常に「統合的に在りたい/考えたい」と思ってる。むろん、先の見えない/予測不可能な時代だから、予測したところでだいたい外れるわけだけど、それでも。

徹底的に効率化を図る一方で、楽しい事だけに時間を割きたい。ゼロから考える余裕、つまり「余白」を常に持っておきたい。先の予定を決めて、がんじがらめになるのも好きじゃない。



ものごとの「関連性」を常に考えてしまう癖がある。このやり方はあのやり方と似てて、このやり方はあのやり方に応用可能だとか。

デザインも「何かと何かを兼ねている」ものがすきなのだ。別な言い方に変換すると「ハリボテ」が嫌いだ。もしハリボテを意図的につくるなら「せめてリバーシブルくらいにはしようぜ」って思ってる。

その点、日本の家は本当によくできてて、リビングと書斎と寝室が兼ねられてるし、お箸はナイフとフォークになる。「DNAに組み込まれた貧乏くささ」というのかな。とにかく最高。一粒で二度美味しいグリコ(考えてみたらこれ、どう言う意味だ?)、一石二鳥だ。

単一機能しかないものも、もちろん嫌いじゃなが、全部となるととにかく面倒くさい。たとえば洋服はポケットがあるのが好きだ。さいきん靴はスニーカーで、シャツは長袖しか買わなくなったけど、いつでもどこでも季節に関係なく使えるのがよい。ちかごろは在宅勤務が長いせいで「みんなの服装が完全に乱れて」きて、実に好ましいことだ。
滅多に着ない「単一機能」のスーツ何着も持つより、テンションの上がるスニーカーを持つ方がいいもん。(イタリア人はともかく)

もちろん、建築もそう。構造材が仕上げと庇を兼ねてるとか、トンネルがインフラ設備とワインセラーと旧排気口兼ねてるとか、空間が日常と非日常を兼ねるとか、そういう「インテグレートされてるもの」がとにかく好物だ。舞台の仕事が好きなのも毎回違った風景が見える「舞台転換」が「一石千鳥」くらいな感じがして好きなのかもな。
(ところで「一石二鳥」と「多目的」は、まったく異なる発想なので、そこが難しいところなのだが。この話はさらに長くなるのでまた今度)

超前置きが死ぬほど長くなったが、ようやく本題(長すぎる笑)

私は「スペイン語を英語で習って」いたのだが、最近発見した一石二鳥の学び方はこれ。「アート×英語の一石二鳥」。「アートを英語で学ぶ」方法。(草間弥生は英語字幕の前に日本語で入ってきちゃうから意味ないんだけどね。)

とにかく「チンタラやるより効率よくやって」あとは、めちゃくちゃ面白いアイデアを考えるか、日向ぼっこしながら昼寝してるってのが、一番好きなやり方なんだよね。

ちなみに「ブループリントなく走り始める」のは個人的なアートワークのみ。

全く何も考えずに描き始めますw

https://m.youtube.com/watch?fbclid=IwAR3fGejk0zXqCtLjvnIHY4ouQAqWS1aY1CG1GesoTiUhAZivnuz1k8x075g&v=rRZR3nsiIeA&feature=youtu.be

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