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二世から見た一世(親)の話

 二世問題は教会と自分との間に親が挟まってしまう、と言うお話は「二世問題解決への道のり(金銭被害編)」でもお話をさせていただきました。
今回は「なぜ一世がそういう行動をしてしまったのか」という例を私の母の証言と私から見た出来事からお話をしていきたいと思います。
※全ての家庭がこうとは限りません。また、複数の人が発言されているようなレベルの内容でお話できる範囲のみお話させていただきます。

■母の入信のきっかけ

 母が入信したのは「子供が、家族がこのままだと不幸になる」と言われたことがきっかけでした。
これは統一教会の常套手段です。
(というより、恐怖で縛り付ける団体の常套手段ですね)
子供の不幸を理由に信じ込ませようとするなんて、正直子供の立場である私からしたら激しい怒りを覚えました。
勧誘の時に「私」をその対象にされたことにもですが、何よりも家族を思う気持ちを利用すること自体がとても罪が重いと思います。

 なんでそんなのを信じるのか?と思う方もいるかもしれません。
すごく充実していて、心が強い時ならそんなことを言われても信じないと思います。
しかし、信じてしまった背景には嫁いだ家や近所との人間関係に悩んでいたということも関係します
当時は携帯なんてなく、家庭と近所の人間関係が全てな環境でした。
特に田舎だとそのような閉鎖的な環境は当たり前のようにありました。

 家庭内の人間関係を円滑にしたい、嫌なことを言ってくる近所の人とうまくやっていきたいと思った母は神様の勉強を一生懸命やったと言います。
そのおかげで心の平穏も守れてきたと。
なぜこのような教団の言うことを信じてしまったのか、正直理解はできません。
しかし、「拠り所だったり自分の支えとなる部分とした」ということは少し理解ができます。
ただ、この教団にハマることで父との喧嘩はありましたし、私もまた間に挟まれて苦しい思いをしてきました。
この話はまた別の記事で書きたいと思います。

■思考の書き換えはじわじわと

 母の統一教会での活動の原動力は「家族を幸せにしたい、守りたい」でした。
だから、「これを使えば家族の体の悪いところがよくなる」「悪霊から守られる」こういう思考にちょっとずつちょっとずつ支配され続けて、色々なものを買っていました。
物品販売から、献金中心になっていった時にはもう麻痺していたように思います。
「家族を守るため」「日本を守るため」と言う言葉を信じて献金をしていたようです。
それが自分の資金だけでできているのであれば、それほど問題にもしなかったかもしれません。
しかし、他の人にまで影響を出すことを冷静に判断できなくなっていたところに、私から見たら恐ろしさを感じます。
そこまで追い詰められるほど、そして出してしまうほど要求も厳しかったのだろうということは、あの事件後色々と情報を集めた中でやっと知ることができました。

 マインドコントロールの定義は難しいです。それは私も理解しています。
少しずつ少しずつ思考を植え付けていくので、明確にいつからそうだったかと言う線引きができないのです。
冒頭でもお話した通り、母は「家族の不幸」を人質に取られ、恐怖心や家族を思う気持ちを利用されて入っています。
そのような経験をしたことない方からしたら、中々想像はできないかもしれません。
しかし、心が弱っているときに自分のつつかれなくない部分をつつかれた時、心の拠り所が欲しい時、誰にでも起こりうる状況でもあるのだろうと私は推察しています。


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