将来の夢はお嫁さん?そんなこと誰が決めたの

今思えば、将来の夢はお嫁さんだなんて一度も思ったことも口に出したこともない気がする。皆さんの将来の夢はなにでしたか?それは叶いましたか?


女の子の将来の夢ってなんだろう。私が子供の頃は、今ほど男女同権意識が強くなくて、女の子=フリフリ、スカート、かわいいもの、ハート、ピンク、お人形etc そんな〝日本の大人の欲望が詰まったような女の子〝として存在することが求められていたように、幼ながらも感じる時代だった。平成初期の頃の話だ。女の子のランドセルは一様に赤色だった。



この流れを汲み取る聡い子、または無意識に社会の欲望を刷り込まれた女の子達は口々にお嫁さんになるのが夢!って。私は複数の声色で耳にした。でも、私は一度も言えなかった。だってお嫁さんって?あまりに曖昧だ。男の子達は口々に野球選手!サッカー選手!社長!と口にする中、なにか不均衡な感じがして疑問に思っていた。もちろん、女の子達の中にもお花屋さん!ケーキ屋さん!と言う子もいたけれど。その中にお嫁さんが混じっていて、かつ男の子の夢の中には旦那さんなんてなくって、結婚という事象がこんなにも幼い頃から女の子にだけ刷り込まれていることに今ならはっきりと驚ける。


じゃあ何故そのように思っている女の子が多かったのだろう?



-専業主婦のお母さんがメジャーだったから

私の小学校は公立ながらも、市内で治安の良い地区にあった。つまり、比較的家庭環境と経済環境に恵まれている子供達が学ぶ地区だった。経済状況が多様な地区で学んでいたらまた違うのかも。と思ったが、メディアがまだ権威を持っていた時代だったので、一様に刷り込みはあったかも。あの頃のドラマは働く女性=ショムニorナースのお仕事くらいしか見かけなかった。職業ベースでの夢を抱きづらかったのかもしれない。


-遊びから刷り込まれているから

私はシルバニアファミリーの最盛期に子供として駆け抜けた女だ。そしてバービー人形と、ファービー、たまごっち、ポケモン、人生ゲーム。

今なら気付けるが、大半が何かを育てる遊びだ。そして、結婚相手♂と子供が商業的に展開されていて入手可能。無意識に母の役割を遊びを通じて学習していたことになる。幼き子供は真新しいスポンジのように全てを吸収する。その結果だ。



私が違和感にはっきりと気付けたのは、ひとえに教育のおかげだ。私は後にはっきりと違和感へと昇華するこのもやもやを抱えたまま、地元の中学ではなく私立の女子校へと進学する。所謂お受験組である。


この進学した女子校での教育がわたしを気付きをーーーーだなんてそうは問屋がおろさないもので。むしろ逆。校訓には良妻賢母の文字。 はーーい。(死んだ目) 

偏差値60ほどの女子校でこんなこと、あるんですよ。本気で思ってるのか、保護者対策か。はたまた頭の良い女は貰い手がないという自分に都合の良い幻想を押し付けるおっさんどものための言葉か。とにかくみんな土に還ってくれ。級友達はこの言葉のことをどう思っていたのか今度聞こうと思う。私が長いことこの校訓に気付けなかったように、級友達も気づいていない可能性大だけれど。


さて、私に違和感を意識させた教育とは?の続きを話そう。


正直、明確には覚えていない。大学だったかもしれないし、留学時のことかもしれない。ただ、所謂性的マイノリティに関する講義を受けた時に、何か腑に落ちた清々しい音を聞いたのだ。


〝異性を愛し、お付き合いし、結婚に至り。そして子供を産み、家庭に入る〝

このようなテンプレートから逸れてもいいのだと。私は恋愛にもあまり興味がない人間だったのに、抵抗感を感じながらもこの道を歩んでいかなければいかないのか?常に葛藤していた。無意識の社会の圧と、両親への影響。ぐるぐる考えて、いつも溜息へと変えてごまかしていた。我が強い人間だったのに、当たり前に自分がしたくないことはしない!が導き出せなかった。

性的マイノリティ LGBTQの方々のお話は私の中で社会的マイノリティ(便宜上こう呼ぶがけして悪い意味ではない。マイノリティ=悪ではなく、ひとつの個性だ)へのエールへと変換された。私には鮮烈な出会いだった。ふわっとした私の中の違和感が、確かに輪郭を持った日だ。そして抵抗を覚えた日でもある。



さて、女の子=お嫁さんという役割への違和感を明確に感じ取り、その圧に屈しない気持ちを手に入れた今、これからどうやって生きていこうか?と考えている。ここ4年ほどの私である。結婚しないと決めたわけでも、誰とも一緒にいないと決めたわけでも、子供を持たないと決めたわけでもない。結果として社会の模範とされてるレールを歩くことになっても、それは私の意思で決めたことである。そして歩かなかったとしても、不用意な政治家のような誰かに評価される謂れはないのだ。


私の将来の夢はなににしよう?まだ輪郭もないのだけれど。

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