![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/78258284/rectangle_large_type_2_951a5fd05434af990919513de763448e.jpeg?width=800)
大阪環状線・天王寺駅ホーム真下に井戸?
「大阪環状線めぐり」ひと駅ひと物語
だいだい色の車両。むかしの本だ。
思わず手に取ってしまいました。
大阪環状線めぐり―ひと駅ひと物語 https://www.amazon.co.jp/dp/4885918421/ref=cm_sw_r_awdo_XJM00RM1K9VHYM2K83RV
JR大阪環状線・天王寺駅
2003年初版。ページをめくる。
そう、この色の車両。
JR…当時は国鉄。
わたしは、大阪環状線に毎日乗っていました。
1970年代後半から。JR天王寺駅までの通学定期券を持って。
JR天王寺駅の真上は『ステーションデパート』、いまは『天王寺MIO(
ミオ)』というショッピングセンターです。
![](https://assets.st-note.com/img/1652190478485-gNOGV07wMr.jpg?width=800)
ショッピングセンター
天王寺MIO(ミオ)
いまでも、わたしは習い事や買い物、散歩にレジャーに、よく利用する大阪環状線。JR天王寺駅は愛着のある駅なのです。
輪っかになってる大阪環状線のなかで、JR天王寺駅は、南の玄関口・ターミナル駅です。
![](https://assets.st-note.com/img/1652172808784-kzaoeoqplQ.jpg?width=800)
内回り・外回り
二重で走っています。
いつも略して「環状線」と呼んでいる「大阪環状線」。いつできたのか、まったく興味がありませんでした。
復習がてら、読んでみます。
由来
「大阪環状線」の名前に決まったのは一九六一年四月三日、開業三週間前のことだ。
前年の一二月二十六日、旧国鉄関西支社が、「名称を『大阪環状線』とする」と本社に上申している。
しかし、ほかに環状線とつく路線は全国どこにもないのに、なぜ、大阪と冠したのか。
いまでは、経緯を語る資料が失われ、関係者の記憶からも消えていてわからない。
一九五六年三月の起工式時点では、「大阪市内環状線」と呼ばれていた。
関西支社が、起工式の時の名称をそのまま"流用"したのではないか。
そんな説が最有力だ。
1961年(昭和36)4月25日
『大阪環状線』営業開始。
『大阪市内環状線』より言いやすい、良かった。
![](https://assets.st-note.com/img/1652191433320-HHPF04uyZ9.jpg?width=800)
ずっと、この色の車両。いまなら『オレンジ色』と言いますが、わたしは『だいだい色』と、言っていました。
そうそう、JR天王寺駅には、たくさんの路線があります。
わたしが通学でJR天王寺駅を利用してた頃、路線ごとに車両の色が違って、わかりやすくキレイでした。
大阪環状線 JR天王寺駅から見える電車の色…
阪和線は『水色』関西本線は『うぐいす色』いまは、関西本線ではなく、『大和路線』です。
JR天王寺駅に行けばカラフルでウキウキしましたよ。
いまは、大和路線の『うぐいす色』の車両を見るのみです。
![](https://assets.st-note.com/img/1652191091853-3WeEEjiJul.jpg?width=800)
明るい地上駅
かつては、水色の車両でした
![](https://assets.st-note.com/img/1652109847959-fzCN1jOo81.jpg?width=800)
うぐいす色の車両が残る
国鉄からJRへ。
民営化は1987年(昭和62)
その間も『だいだい色』の車両が走っていました。
そして、お別れの時が。
![](https://assets.st-note.com/img/1652110080856-rgZu6fpTea.jpg?width=800)
新型車両デビュー
2019年大阪環状線・環状運転60周年。
![](https://assets.st-note.com/img/1652096359612-fK0eVUGfm8.jpg?width=800)
大阪環状線の19駅。
ひとつひとつの駅の歴史や、暮らす人々の思い出。
ひととおり本を見て、いまの駅の面影があるな、知らないお話だ、面白いなとか思ってましたが、やはり天王寺駅。
JR天王寺駅のホーム真下に地下水わく
百十年以上前、天王寺駅の開設当時に、話はさかのぼる。
湊町から奈良に向け線路を切り開いていた「大阪鉄道」は、現在の今宮駅のあたりから、高い所では六メートルほど大地を削り取る工事をしていた。
蒸気機関車は こう配を上がる力が弱く、できるだけ平たんに、線路を敷設する必要があったからだ。大阪城付近を北限に南は大和川まで、長さ約十三キロにわたって続く上町台地。
西端に当たる今宮駅付近から急に傾斜がきつくなる。
東に二キロほど堀削工事をすすめたところで、突然、水が噴き出した。
地下水脈につきあたったのだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1652192846308-LW10mTK6p7.jpg?width=800)
通学していた45年ほど前、いまもそうですが、
大阪環状線の新今宮駅(天王寺駅のひとつ西側の駅)を出て
天王寺駅に向かうとき、だんだん電車が暗い地下に、もぐっているように感じるのです。
地下にホームがあるように感じるのです。
上町台地を車両が登るのではなく、上町台地を削り水平に線路が走っているので、駅が地下に埋もれているように錯覚するのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1652174000200-5zjXfXut5x.jpg?width=800)
地下に降りていくような感じが。
![](https://assets.st-note.com/img/1652174207117-GC8LLbnYhi.jpg?width=800)
わかります
天王寺駅は、なんでこんな地下にホームがあるのか。いやいや、とんだ思い違いでした。
![](https://assets.st-note.com/img/1652174439338-6DxInGKpHo.jpg?width=800)
ショッピングセンター
天王寺MIO
地下水脈に、つきあたった
上町台地は、最も高いところが標高二十三メートル。
難波宮跡がある中央区法円坂町付近だ。
南へ進むにつれて低くなる。地下水の大きな流れは北から南に向かっている。
天王寺区では、四天王寺を中心に、いくつもの泉や井戸がわいていた。
代表的な七か所は「七名水」と呼ばれた。
そうした地下水脈の真上に
建てられたのが天王寺駅だった。
もともとは、現在の大阪環状線の線路よりも、まだ上にあった水脈。
それが大地を削り、地表に露出されたことで、どんどん下がり、いまも駅の地下で息づいているのだという。
![](https://assets.st-note.com/img/1652175436698-xDrx8XelzW.jpg?width=800)
JR天王寺駅近く
「大阪環状線めぐり」メモ
◆わき水の井戸は、JRの社員でも、あまり知らない。
◆井戸は大阪環状線と並ぶ関西線、いまの大和路線プラットホームの、地下約15メートルのところにある。
◆大きさは、コンクリートの囲い
縦二メートル、横三・五メートルの長方形。
◆ポンプで汲み上げる水量(2003年)は、標準的な二十五メートルプールのほぼ半分(約百三十四立方メートル)
◆井戸水は、東口トイレとスプリンクラーに使用。
大和路線ホーム。17番線・18番線。
上町台地を掘って敷設した線路。
天王寺駅ホームで新今宮駅側・西側から写真を撮れば、夜のように暗いのです。
特急も停まるこのホーム。
この地下に井戸があるなんて。
![](https://assets.st-note.com/img/1652110889858-kT3Qes8eOa.jpg?width=800)
1989年(平成元)より相互乗り入れ
![](https://assets.st-note.com/img/1652110396237-UHpFRBsyRP.jpg?width=800)
1994年(平成6)より
相互乗り入れ
![](https://assets.st-note.com/img/1652112083824-U3GMnOzZSh.jpg?width=800)
和歌山方面(阪和線)から来たのでしょう。
短い車両。
![](https://assets.st-note.com/img/1652112753312-bdcRKmcGw4.jpg?width=800)
真っ暗でお昼でも夜のようです。
東口・寺田町駅側から撮れば、すこしは明るい。
![](https://assets.st-note.com/img/1652111220526-V69dN3o0FH.jpg?width=800)
オーシャンアローの後ろ姿
東口側より
このホームの東口に「井戸」とか書いてないか探してみました。
駅員さんに聞けば早いのですが、まず自分の足で…
もう枯れているかも、
撤去されているかも
![](https://assets.st-note.com/img/1652115156139-yLxNHd3O1F.jpg?width=800)
白いお部屋が!
もちろん鍵がかかっています
![](https://assets.st-note.com/img/1652115206749-2i7wEtvrEj.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1652115326019-DJ0mwJovVP.jpg?width=800)
(井上陽水さんと違いますよ)
![](https://assets.st-note.com/img/1652115383698-ySb0SzJRYn.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1652115416517-rkIbFVOFX1.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1652115444301-4nSdCSwfmv.jpg?width=800)
「パトライト」
回転灯
![](https://assets.st-note.com/img/1652115484218-QB2bmK8IWc.jpg?width=800)
ホームの地下は
井戸!
大和路線ホーム・東口の下
天王寺駅に水が わいているのは本当だったのですね!
嬉しい!
いままで天王寺駅を利用していたのに、まったく気づかなかったのです。古い本を読むまでは。
わたしがいつも天王寺駅で出入りしていたのは反対側の北口改札です。
北口改札外にトイレ、いまもあります。
当時は和式便器で、いつも水がチョロチョロと、少しづつ流れていたように記憶しています。
井戸水を使用していたのかも。
いまは、洋式便器になって水は止まっています。
![](https://assets.st-note.com/img/1652175989978-zg3fhKIqaf.jpg?width=800)
改札外
東口は、まったく利用せず。
それで、わからなかったのですね!
トイレは、あったかもしれません。
東口トイレは、どこかわからない。
駅員さんに聞いてみました。
「奥の阪和線ホーム近くにありますよ」
![](https://assets.st-note.com/img/1652193564254-kqfsc2C17y.jpg?width=800)
トイレがあります
再度、勇気を出して
駅員さんに聞いてみました。
「大和路線の地下、水は わいてますか?」
JR天王寺駅の、ホームの下の わき水。
みんな周知の事実でしょうか。
別に話題にもならない。
わき水。井戸。
鉄道会社の本来の業務とは別物。
だだでさえ乗降客で、ごった返すJR天王寺駅。
ホームに人が集まったりするので、侵入などトラブルがあってはならない。地下の井戸はナイショかも。
あえて伏せているのかもしれません。
そっとしておきますね。
まとめ
JR・大阪環状線天王寺駅には、ホーム真下に地下水がわく。
大和路線プラットフォームの、へ地下十五メートルに井戸がある。
豊富だった地下水にも翳りが(2003年)
天王寺駅のある天王寺区では多くの井戸が枯れてしまった。
![](https://assets.st-note.com/img/1652193966917-1T1Tayj2Ad.jpg?width=800)
東口階段の下にひっそりと
もし、あなたが天王寺駅に来られて『排水ポンプ操作盤』を見る時は、通勤・通学など、ご乗車のお客様、駅員さんのお仕事の邪魔にならないようにお願いします。
そして、優しい気持ち、ワクワクの気持ちを持ってください。井戸だけに。
「大阪環状線めぐり」天王寺駅の最後の一文。
「節約せなあかんな」。
井戸の使い方をめぐって、駅員たちがそんなふうに語り会う日も、そう遠くないのかもしれない。
そうそう、先ほどの駅員さんの答え。
「わいてますよ」
いつも、こころに うるおいを。
水分 多目の おはなし。
最後まで、お読みくださりありがとうございます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?