見出し画像

豊湯さん・豊か湯・ゆたかな湯【大阪銭湯】

銭湯。サウナやスーパー銭湯に押された「元祖おふろや」さん。設備は無くとも、お湯はたっぷり、豊かな湯。


大阪銭湯の暖簾は真ん中くるりんぱ

戦後の高度成長期時代。道路や建物が復興を遂げて大阪に万博がやってきた、そんなころからある銭湯、豊湯ゆたかゆさん。

豊湯ゆたかゆさん
大阪市此花区春日出北
1-19-15
月2回(水)休み

豊湯ゆたかゆさんは15:30から営業。早い時間は女将おかみさんがいます。常連さんが来るとタイミングよく扉を開けて、お迎えを。

銭湯の入り口には暖簾のれんが掛かっています。関西の銭湯の暖簾は、なぜか丈が長い、目立ってナンボの大阪だからかな?

そして、暖簾の3つに分かれた部分の真ん中がくるんと巻き上がってたり、短かったりします。

パール温泉さん
大阪市東成区ひがしなりく


これは、お客さまに暖簾がからまり、通りにくいからです。
若者なら、片手でヒョイと暖簾を分けて通れますよね。
しかし、年配のお客さまの中には、杖をついてたり、手押し車を押して来られるかたも多いです。
暖簾に引っかかり、転倒でもしたら大変。


それで、暖簾の真ん中を開けて通りやすくしているのです。お客さまが来る度に段差につまづかないか、優しく見守る女将おかみさんなのです。

奥に誰もいないか確認


銭湯の暖簾ひとつで、お客さまの年齢層が、いかに高いかわかりますね。大阪銭湯で「暖簾の真ん中くるりんぱ状態」になってても、どうか戻さないでください。


東洋のマンチェスター


大阪市の湾岸エリア此花区このはなく
戦前は「東洋のマンチェスター」といわれた重工業地帯。
工場で働く人のために汗を流す銭湯や、映画館などもある煙と人の町でした。
現在テーマパークのあるエリアは戦時中、軍需工場だったのです。

JRゆめ咲線・西九条駅
(旧 桜島線)
輪っかの大阪環状線より先にできた
多くの工場勤務者を運ぶために



豊湯ゆたかゆさんのすぐ横を、国道43号線が南北に走ります。
この国道43号線を境に空襲の被害が分かれました。

恩貴島町おきじまちょう
 戦禍で焼失


現在テーマパークのある西側エリア付近は焦土となり、多くの町や工場、小学校が消えてしまったのです。


国道43号線と豊湯さん
こちら側は壊滅的被害をうけた


豊湯さんの女将さんによれば創業50年ぐらいだそう。
豊湯さんは国道43号線のすぐ西側、戦禍に会わなくて良かった。まだ開業前だったのですね。

屋根つき自転車置場


1970年代の匂い


戦後の高度成長期時代、道路や建物が復興してゆき、大阪で万博が開催された頃。
豊湯さんの脱衣場・浴室の雰囲気が、まんま、あの頃の銭湯スタンダードです。

豊湯さんの煙突



湯船は、深湯と、広めの浅湯。いたってシンプル。浅湯には、ジェットバスがあったのですが止まっています。御影石みかげいしの湯船の縁取りと腰掛け、グレーは浴室のアクセント。落ち着きます。


ガラスのエンゼルフィッシュ

浴室との境、すりガラスは、熱帯魚・エンゼルフィッシュの絵が彫ってある。すごい。熱帯魚、流行ってました。
むかしの銭湯には、よくありました。いまなら贅沢品、ガラス彫り職人さんが、既にいないのでは…?貴重です。


ギリシャの女神像

1970年代。流行だったのか、外国の憧れか、白いギリシャの女神像・キューピッド像・動物像などが、あちこちの喫茶店や銭湯にありました。


豊湯さんには、三位一体の女神像。
三体とも背中を合わせて立っています。大きな貝殻を肩に抱き、一体だけ、その先からお湯が流れ落ちている優雅な姿。
前に行った時は少しくたびれていました。今回、きれいになっていました。他の銭湯で、たまに見ます。1970年代の匂いがします。

下駄箱
左側ちっちゃいのは、傘入れ


タイル絵アートと中庭

浴室から入り口を見ると、タイル絵があります。女湯「白鳥の湖」、男湯は、あまり見えませんが「風車」が見えます。
この絵柄、大阪市旭区の神徳温泉しんとくおんせんさんでも見たような。同じ職人さんの作でしょうか。うっとりします。

入り口のタイル絵
あの頃の
ホーロー鍋・お湯の保温ポット
こんな絵柄が流行


豊湯さんの浴室の奥には中庭もあり、灯籠や信楽焼の狸、白雪姫の小人さんが並んでいます。

まとめ 豊湯さん

◆大阪銭湯の暖簾の多くは丈が長い。
◆高齢者が通りやすいように、暖簾の真ん中を、わざと巻き上げている。
◆サウナも水風呂もないレトロな銭湯。
◆エッチンググラス・タイル絵・女神像・中庭など1970年代の流行りを感じる。 (個人の感想です)


むかしの銭湯の豊湯さん。針のついた体重計、木製ベビーベッドなど、まだまだ現役グッズがズラリ!

サウナも何もない。看板さえ文字がない。あるのは豊かな、お湯だけ。
あ、湯上がりドリンクはあります。そして女将さんの優しいおもてなしをどうぞ。

毎週土曜日は
「大阪銭湯」


いつも こころに うるおいを。
水分補給も わすれずに。


最後までお読みくださり、
ありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?