天上のバレエ・地上のダンス(18)バレエの やめどき
いま、身体と気分と相談しながらの、ほそぼそレッスン。おばぁちゃんの「バレエ・ダンスの思い出しエッセイ」です。
バレエ練習生は10年前
バレエスクールを、やめて約10年たちます。
「休めば自分の居場所がない」「特別レッスン」「トゥ・シューズ」あくなき挑戦の日々……
たびたび、主婦の趣味の域を越えてしまいました。
娘と習っていたバレエ。スクールを三回、変わっても続けたバレエ。
なぜバレエと遠ざかったのでしょう。
おやこレッスンの果て
娘の方が上手くナタ・デ・ココ
この一言です。以上も以下もありません。親としては、笑うしかない、ツラいパターンでした。
「踊りに興味があるわけでなく、
親に連れてこられただけ、
知らない間にバレエの練習着をコスプレされられた」
だいたいこんな娘の胸の内。まるで親子の義務か、毎日の歯磨きかのように淡々と。
親が習ってるとこれが普通になるのかも。嫌とも言えず、おとなしい娘はレッスンへ。
わたしと同年代の娘を持つ母親の、虎と馬。陥りがちなモンロー・ウォーク。夢一夜。
3歳の初舞台。「止めさせたほうがいいのでは」オットの感想。「かわいそう」そんな言葉しかもらえなかった娘。
小学校入学すると
急に上達する娘。バレエの理屈が身体に入ったのか、先生の注意が理解できたのかは謎です。
あまりに早く習いすぎると「お遊戯」に。
何事も、まず楽しいと思うところから。
三年ぐらいは月謝をドブに、いや大阪湾に捨てに行った。
バレエのこと好きか?あんた聞くけど。そんなこともわからんようになったんかぁ。
キー坊の替え歌でしのいだ、あの頃。
はやい速い回収
今のバレエ事情は、わかりません。
2000年を、すこし過ぎた頃。娘が小学校に入学した頃から、状況は変わりました。
バレエは幼稚園までの習い事
深い共感と叫喚。バレエ貧乏必至。
もちろん、太い金脈が実家にある家庭や、錬金術の家庭は別です。
まだYouTubeなどもない時代でした。
やめどきのビッグ・ウェーブよ。
新一年生でバレエクラスが半数に
幼児クラスから児童クラスへ進級。
お友達が半分に。ここで、ごっそり退会。
親としたら「娘のコスプレ堪能」「気がすんだ」「バレエは懲りた」
「ほかの兄弟姉妹もいる」「地味」そうなのです。こころの声や叫びが聞こえます。
高学年になると学年ひとりだけ
「プリンセスごっこ飽きた」女の子は心身の成長期も早い。ドンドン見切りをつけ、やめてゆく。
適性や諸事情も理解する年齢に。
淡々と習っていた娘。まわりを見てみると……
じぶん以外の同学年の生徒がいなくなる現象に。
小学校4年生・ひとり。
5年生・ひとり。
6年生・ひとり……
バレエを卒業する中学2年まで、ソロ活動の劇団ひとり。
大きくなればなるほど新入会もありません。小学校の低学年までの習い事。趣味的要素の強いバレエより、塾・英語などの勉強分野にシフト。そりゃ、そうですよね。
他の学年も「学年ひとり」になってきました。
ダンス能力に関係なく?
皆さんソロやらセンタ-に。いい役が自動的にやってくる。
レッスンもスカスカ。発表会も、さみしく床ばかりが目につきます。
わたしより上手くなった娘。天上のバレエを踊っているのは、わが娘。ひねくれたわたしは、バレエスクールを辞めました。
大阪湾に捨てた月謝。
前列中央で踊る娘がいた。
めでたく回収したのでした。知らぬ間に。
それにしても昨今のバレエは、マダム・シニアクラスが大盛況。
お子さま、ほんっとうに少なくなりましたね……
いまどきバレエのお稽古事情。
「よし、孫とレッスンしょう」
孫娘3歳。バレエに連れてくか。いや、まだまだ。
経験上、小学生になってからが、オイシイとほくそえむ。
ステージ・ババ誕生も近い。
娘には止められてるけども。
いつも こころに うるおいを。
水分補給も わすれずに。
最後までお読みくださり、
ありがとうございます。
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