KINDORU出版:外伝5 ~よくわからない! XHTMLの世界~
これまでの記事でしょうかいしてきたように、電子書籍形式のひとつであるEPUBでは、Xhtmlと呼ばれるデータ形式によってその内容を編集する。
おそらく1960年代か1970年代。
たぶんなんか当時のインターネットのディープウェブとかで、当時黎明とかだったHTMLをさらに拡張する書法について、とにかくなんか画期的な論文とかが発見されたんだと思う。
この著者不明の論文は、おそらく当時相当怪しまれたはずだったが、それにもまして当時のインターネットを使うテクノロジー感度の高い人々にとって、おそらく非常に魅力的に映ったのではないだろうか。こうして生まれたHTMLの拡張版——それは、謎の存在による改変を受けたまったく新たなHTML、即ち「X-html」と呼ばれ現代に伝わっているのではないか……と思う。
このXhtmlはなんか普通のHTMLのタグなどは普通に使え、どうやら大文字と小文字をしっかり分けて書いたり、タグの最期「</~~>」を省略してはいけないというような決まりがあるらしいです。
しかし、そのぶんなにが普通のHTMLと違うのかは、わかりませんでした。
いかがでしたでしょうか?
さてEPUBの内部ファイルとしては、先の記事で考えたように.opfファイル内の「<manifest>」というタグの中でその存在が宣言され、「<spine>」というタグで囲まれたなかで上から順番に読み込まれるのだろう。
<manifest>
<item id="Section0001.xhtml" href="Text/Section0001.xhtml" media-type="application/xhtml+xml"/>
<item id="Section0002.xhtml" href="Text/Section0002.xhtml" media-type="application/xhtml+xml"/>
<item id="Section0003.xhtml" href="Text/Section0003.xhtml" media-type="application/xhtml+xml"/>
<item id="Section000......./
<item id="ncx" href="toc.ncx" media-type="application/x-dtbncx+xml"/>
</manifest>
<spine toc="ncx">
<itemref idref="Section0001.xhtml"/>
<itemref idref="Section0002.xhtml"/>
<itemref idref="Section0003.xhtml"/>
<itemref idref="Section000...../>
</spine>
おそらくだが、「manifest」のなかでの宣言では順番など関係はなく、しかしここに書いていないファイルは電子書籍のファイルとしては読み込まない。そして「<spine>」内での記述は、直接的に本の内容の順番に影響する。
上のコードではSigilの命名法に従い「Section000~.xhtml」というファイル名になっているが、おそらくこの名前は任意だと思う。そして任意の名前が有効という事は、この中の「000~」という番号は、べつに何らの効果も及ぼさない、はずである。
例えば「Section0001.xhtml」の内容が一章、「Section0002.xhtml」の内容が二章だと決めていても、「<spine>」内の順番が「Section0002.xhtml」が先、「Section0001.xhtml」の方が後になっていたら、電子書籍の紙面(?)でも二章が先に来てしまう。
これを並べ替えるためには当然「spine」の内容を書き換えなければならないのだが、先の記事でも言った通り直接.opfファイルを書き換えるのは、基本NGだと考えてほしい。
Sigilでは左端のファイルを表示している画面での、Textフォルダの中身の順番がしっかりこれと対応する仕組みになっている。したがって、このリストでの並びをドラッグ&ドロップで変えてやると、.opfファイルの中身も自動で書き換えてくれる。
もしもそれでもファイルの並びとKindlePreviewer上でなどの本文の順番がおかしかった場合には、Sigilを再起動しもう一度そのEPUBを開いて、リスト上でのファイルの並びを整理してみたほうがいいはずである。
くどいようだが.opfを直接弄るのは最終手段であり、基本的にはNGである。
こうした原則をわかっていてもなお「いやww、べつにオレわかってっしw 大丈夫っしょwwWW」という気分でこういう重要なファイルを弄る人間は、十中八九スペルミスや記号の抜け、半角全角の混同した記述などやらかして、わけわからんことになる。下手の考え休むよりなお悪し、ということを心に刻みた……刻んだ方がいいんじゃないかな(^^u)。
さてそういう訳で、基本的に出来上がったEPUBファイルは、KindleではこのSigilのTextフォルダ内部の一番上のXhtmlファイル、その内容の「body」部分から始まる。
もちろん表紙を先に表示する電子書籍のリーダーもあるのだろうが、Kindle端末やアプリ上では本棚やコレクションに並んで表示されているサムネイル状の画像が、いわゆる表紙・本の外見として扱われる。したがってそれをタップなりクリックなりして開くと、いきなりその内容部分=このXhtmlファイルの中身がドンと出るわけである。
だから基本的には本の扉や口絵、タイトルの大きな見出しやそうしたロゴの入った絵を用意して、この最初のXhtmlファイルの中身とするのがいいと思う。
この部分には私自身あれこれとこだわりをもち、書き方は後述するが、実際になかなかいい感じの扉部分をhtml書式で用意した。
こうしたセンターに縦書きの文字を持って来る、縦横の書式を組み合わせるといった複雑な記述ではそれ専用のXhtmlファイルを用意し、ファイルが変わるとページも分けられる性質を利用して一枚の扉ぺージを用意するのがいいと思う。
また同様に目次のページも後に独立したXhtmlファイルで創ることになるが、どうやらハイパーリンク箇所の青い文字や下線などは、htmlでの変更が適応されないらしく、やはり本の印象を考えると扉などを用意して一番最初に持って来るのはどうにも避けたい。
しかし今にして思えば後悔の種だが、実際の紙の本にはこのタイトルや著者のかかれている扉の前に、もう一枚ページがあててある場合がある。
電子書籍では遊び紙のような部分を用意してその質感を楽しむという訳にはいかないが、突然タイトルと自分のPNが出てくるのはその時は少しばかり恥ずかしい気もしていた。
そこで何か参考になるものかと手に取ったのは執筆のイメージを掴むためにも参考にした、創元推理文庫の「吸血鬼ドラキュラ」だった。表紙を開くとまずはあらすじが書いてあるものの、書店などでここが手に取って見られるわけではないので、電子書籍ではここも冗長な部分となってしまう。
そして次のページを見開くと、登場人物の紹介が載っている。かくして、私の書籍の最初のページが決まってしまった。
今にして思えば、どう考えても読者が電子書籍をダウンロードして、最初に見るページは先の扉の方がよかっただろう。
しかも先に述べたように、電子書籍では二段組のような文字を詰めて書くようなことはできないため、文字を大きめに表示されがちで画面の狭いスマホなどでは、この後のほうの人物の欄だけが二ページめに割り振られ、右端に一二行あるだけの人物紹介のページがもう一ページ続いてしまう。
別段それだけで読者がこの本を悪い本だと思う訳ではないだろうが、少々混乱はしてしまう。
結局私の本はこうこういった感じの並びになってしまい、ひとつひとつはよくできたと思うものの、いかんせんおかしな感じになってしまったかもしれない。
結局のところ知識やテクノロジー、それらは人の道具であり私たちが行うことを助けるが、人は過ちを犯すのである。
その6へ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?