「Hard workとIntelligence」
本日のブログを担当します、深井康平です。静大が東海に誇るマネージャーのブログが終わり、残すは私と偉大なcapitanoのみとなりました。私には感動する話や心を打つエピソードは殆どありませんし、「GK」や4年間の苦労については到底書き尽くせません。同期への思いは「とても好き」の一言でまとめます。さて本日は終始非常に偉そうでフラストレーションの溜まるクソ長文ですがお付き合いください。
「Hard workとIntelligence」
これは埼玉県が誇る智将によって、私が高校時代に落とし込まれた哲学です。我が母校は所謂進学校と呼ばれる分類であり、単純なサッカーの技術以外で周囲との差を埋めるためにはこの哲学が鍵を握っていました。Hard workについては想像しやすいと思いますが、Intelligenceについては聞き馴染みのない方もいるかと思います。ひとえに「知能・知性」と訳されることが多いIntelligenceですが、その中には思考力、分析力、判断力、主体性、行動力、コミュニケーション能力、協調性などの要素があると考えます。そうした能力を磨くことが高校時代は哲学化されており、学業・部活動・学校行事全てに全力で取り組みながら自己を切り拓いていくのが「熊高スタイル」でした。今振り返っても、熊高サッカー部は選手、スタッフ、雰囲気含め全てが秀でている唯一無二の素晴らしい組織でした。
翻って、静岡大学サッカー部に当てはめてみてはどうでしょう。ここで考えたいことは、学生による自主運営という理念のもと、練習時間・メニュー、試合相手、監督、会計・広報等のクラブ経営などあらゆる面を自分達で管理するこのクラブこそ「Hard workとIntelligence」が必要とされるのではないかということです。
【Hard work】
ここでいうHard workは「時間・量」のみならず、「質」も含まれます。「Hard workする≒質を高める為の努力をする、こだわる」と定義してお考えください
Hard workに関して、Off the pitchでは東海の中で間違いなくトップレベルであると思いますが、On the pitchでは甘さが見えます。そもそも現時点で、静大が東海1部で勝ち続ける為には、技術力が欠如しているというのはいうまでもありません。「止める」「蹴る」「走る」「観る」「喋る」といった能力、GKであれば「捕る」「弾く」「跳ぶ」「止まる」「反応する」などが加えられますが、静大はこれらの基本技術が東海1部において高水準のチームであるとは言えません。しかもこれは4年間で生じた差だけではなく、18歳までの個人の積み上げの差でもあります。では、その差をどう埋めるか。努力するしかないんです。毎日Hard workする以外にないんです。強豪が100%で練習しているなら我々は120%で練習しないと一向に差は埋まりません。運や雰囲気だけで勝てるほどサッカーは甘くないし、戦術だなんだとありますが、最終的には「技術」で勝負するんです。その「技術」が相対的に劣っている分、強豪と比べて常にマイナスからスタートしていることを理解し、禁欲的かつ謙虚に多くの努力を重ねなければいけません。がしかし、「ただの努力は裏切る時もある」ことも事実です。後述する内容にも繋がりますが、闇雲に時間や量を重ねても無意味です。松尾監督が「SMARTの法則」について選手に広めましたが、まさしくその通りであると思います。現状に満足せず、自己や組織の質を向上させる為に犠牲を払い、努力することこそが「Hard work」であり、静大サッカー部が勝つ為に必要とされるものの一つだと考えます。
【Intelligence】
さあ、Intelligenceについてはどうでしょう。知覚・認知力、賢さ、狡猾さ、対人能力、主体性、分析力、判断力、情報収集力、コミュニケーション能力…。キーワードを上げればキリがないので私は「考える力」くらいの解釈をしてます。
「何故ミスが起こったのだろう」
「相手は何を考えてくるだろう」
「□番がフリーになってるな」
「相手の出方はこうだな」
「さっきの形が上手くいったのは何でだ?」
など。
「今何をしたら良いかな」
「どうすればもっと良い雰囲気になるかな」「何故自分はサッカー部にいるのだろう」「自分にとって大学サッカーって何だ?」
などなど。
この「メタ認知」、「俯瞰」とも似ている思考のプロセスを巡らせることが「静岡大学」の学生として東海1部において大きな強みにできる部分だと思います。「なぜ?」「どうして?」「どのように?」「どうすれば?」という言わば「“WHY”と”HOW”の追求」こそが成長の鍵を握っていると思います。また、先述した「Hard work」の質を左右する要因は「Intelligence」であると言えます。一見繋がりのない2つに思えますが実はそんなことはなく、「考えて努力すること」こそが真理であると言えます。「なーに言ってんだ偉そうにw」と思われるかもしれませんが、考えて努力しつづけることで時に予想もつかないようなことが起こります。そしてその多くはポジティブな結果となります。
ここで少しだけ自分の話をします。
私はこの1年間、サッカーに対して誰よりも思考してきた自信があります。
一瞬の判断ミスによる失点を後悔し、映像を何度も反芻し、トレーニングを重ね、また試合で違うミスが生じ…。といったサイクルを何万周としてきました。GKという1つのミスも許されないポジションであること、尚且つ広瀬翔平という偉大な守護神の後を継ぐことで「静大はGKが変わったから弱くなって降格した」と言われかねないプレッシャーもあり、毎試合戦犯になる恐怖を抱えながらプレーをしていました。
しかし、そんな中でもチームを救えた場面があったのも事実です。個人的にはデビュー戦から割と安定したプレーが続きました。特に前期は強豪相手に静大のGKとして爪痕を残せたのではないかと思います。これは監督、OB、同期、後輩、誰もが予想していないサプライズだったと思います。結果的に1年間通してチームをそこそこ救うことができたのは、1年生の頃から自己と向き合い、思考し、努力したからであり、「Hard workとIntelligence」という哲学がもたらしてくれたものであると思います。
だからこそ、残留を手繰り寄せた中部大戦で自分のプレーが全く出来なかったのが死ぬほど悔しく、3失点目の時点で悔しくて半ベソかきながらプレーしてました。笑 無論、チームとしてそのまま負ける雰囲気は無く、最終的には嬉し涙に変えてくれましたが、個人的には今季1番悔しい試合でした。
さて、これは私の過大解釈かもしれませんが、「Hard workとIntelligence」は万人に通ずる哲学でもあると思います。また特に、静岡大学サッカー部が東海1部の中で「強豪」と呼ばれていくためには、こうした哲学・理念の存在や、そもそもその様な不可視的・内的要因について真剣に考えるという習慣が必要であると私は思います。
最後に、現役部員の皆には是非考えてほしいことが3つあります。
①静大サッカー部という組織は、部員、OB・OG、スポンサー、大学関係者、家族らにとっての準拠集団の一つであるという事。
②「色んな経歴・経験の部員が所属している」という強みが扱い方次第で弱みにもなりうる事。
③最終的にはピッチ内で結果を出すことが全てであるという事。
特に③については賛否両論あると思いますが、心底私はそのように思います。少なくとも私はサッカーを通して「勝つ喜び」を得るため、即ちスポーツが持つ「競争性」の中で、「勝敗」という根源的かつ内在的な目的を達成したくてプレーをしてきました。確かに部活動は「結果が全てじゃない」とも思いますが、第1種カテゴリーのサッカークラブは最終的に「結果が全て」だと思います。かつて「勝つためにできることはもうないか」という(株)明治のCMもありましたが、思い出づくりや中途半端な覚悟で活動するなら今すぐ辞めた方がいいし、引退した時に何も残らない、残せないと断言できます。「サッカー部」だからこそ、皆を巡り合わせた、皆の人生の中心にある、「サッカーで勝つこと」にどこまでも拘ってほしいなと思います。
ここまで長々とご覧頂きありがとうございました。折角ですので現在のご自身に置き換えたりしながら御一考いただければ幸いです。
来年以降は血眼になってサッカー、スポーツ界の発展の為にHard workします。
今後とも宜しくお願い致します。
深井康平