マガジンのカバー画像

お出かけ

4
運営しているクリエイター

記事一覧

出雲大社と伊勢神宮詣り

突然思い立ち、出雲大社へ行くことにした。 善は急げ。 あさって旅立とう。 さて、飛行機と宿をとらなければ。 はて…。 ネットで検索しようとして思わず手が止まる。久しぶりすぎて、どこでどのようにとっていたかを忘れてしまっていた。同じホテルでも価格を比較しなければいけないので、ムダに時間がかかる。もっと消費者のことを考えた対応ができないものか、といつも思う。 パソコンと首っ引きになり、直前だったが幸い飛行機も宿も取れ、ほっと一息。心はもう一足先に出雲へ旅立っている。 もう

時間旅行

突然、上野にある国立西洋美術館に行きたくなった。それは久しぶりに訪れた、強烈な欲求だった。 とはいえ、この状況下。開館しているかどうかすら定かではない。それでも、運を天に任せようと思った。 出先から足を延ばし、いざ上野へ! 久しぶりに降り立った上野駅は、閑散としていた。少し寂しい感じはしたが、これでいいとも思った。今までは、暇を持て余した老人だらけだったから。団体で行動する彼らは傍若無人、我が物顔。私にとって、団体でいる彼らは関わりたくない集団だった。 そして、一番納

天狗の足音

むかーしむかし、山は生きていた。 ご神体として圧倒的な存在感を誇る山は、人々にとって神聖な場所だった。山を汚すことは罰当たりな行為。自然と共生していた。 まだコンクリートなどがなかった時代とはいえ、仮にコンクリートが存在していたとしてもコンクリートで山を埋めるなど、神を冒涜する行いだった。人々は畏怖の念を持って山と接していた。 真っ赤な顔に長い鼻、中にはくちばしのある者もいる。そして、背中には大きな翼。位の高い証である羽団扇は、持っているだけで魔物を寄せ付けない。羽団扇

また旅にでる

「いってらっしゃい。 たくさん旅をして大きくなって、諭吉さんになって私の元に戻っておいで」 片づけなければ。 その思いは、唐突に訪れた。 部屋を見渡せば、確かにあれやこれやが出しっぱなしになっている。 引っ越しの時にあらかた処分したので物はだいぶ少なくなったが、使ったファイルやノートやらが飾り棚に置きっぱなしだ。 飾り棚は花瓶だけと決めていたのに、今や花瓶は片隅に追いやられ肩身が狭そうだ。 でも、こうなるだろうことは予知能力などたいそうなものがなくとも分かっていた。