シェア
むかーしむかし、山は生きていた。 ご神体として圧倒的な存在感を誇る山は、人々にとって神聖な場所だった。山を汚すことは罰当たりな行為。自然と共生していた。 まだコンクリートなどがなかった時代とはいえ、仮にコンクリートが存在していたとしてもコンクリートで山を埋めるなど、神を冒涜する行いだった。人々は畏怖の念を持って山と接していた。 真っ赤な顔に長い鼻、中にはくちばしのある者もいる。そして、背中には大きな翼。位の高い証である羽団扇は、持っているだけで魔物を寄せ付けない。羽団扇