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不思議体験・写真

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天狗の足音

むかーしむかし、山は生きていた。 ご神体として圧倒的な存在感を誇る山は、人々にとって神聖な場所だった。山を汚すことは罰当たりな行為。自然と共生していた。 まだコンクリートなどがなかった時代とはいえ、仮にコンクリートが存在していたとしてもコンクリートで山を埋めるなど、神を冒涜する行いだった。人々は畏怖の念を持って山と接していた。 真っ赤な顔に長い鼻、中にはくちばしのある者もいる。そして、背中には大きな翼。位の高い証である羽団扇は、持っているだけで魔物を寄せ付けない。羽団扇

ステキなギフト

この家に住んで一年が過ぎた。 そんな節目の日に、とてもステキなギフトが届けられた。 キラキラに輝く虹が、家に現れた。 思えばお正月、何気なくカーテンを開け、見上げた空に、悠然と舞う一羽の大きな鳥の姿があった。 大空を舞うその姿に、目が釘付けになった。 ここでは大きな鳥は、カラス以外見かけない。だから、最初はカラスだと思った。でも、よくよく見ればカラスと違う、羽ばたきをしていない。鷹揚なその姿に目を疑った。 とんびだろうか、鷹だろうか。 まさか。 そう思い眺めて