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#記憶

傷を負った戦士

また、あの記憶が蘇る。 なんの前触れもなく突然やってきては私を苦しめ、気力を奪う。 深く傷つけ、深く傷つけられた記憶。 生々しさは薄れても、まだ痛みは消えない。 蓋をしてもフタをしても、忘れるな、忘れてはいけない、と溢れてくる。 「逃げていいんだよ」 誰かの言っていた言葉。 逃げた記憶と、どんな結果であれ戦い抜いた記憶、どちらが苦しみから救ってくれるのだろう。 私は、器用に生きられない。いつでも正面からぶつかってしまう。 それが、自分を傷つける事になると分かっ