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台湾よちよち観光案内 #美食紹介編2<籠はなくても小籠包>【寶記小籠包】

台湾といえば小籠包、小籠包といえば台湾。

大半の日本人は「小籠包食べたい!」という願いを持って台湾へ来ますよね。私もそんな観光客のひとりでした。

でも台湾人は「なんで日本人は小籠包ごときに狂ってるんだ?」と思ってる。彼らにとっては小籠包はどこにでもある普通の食べ物。人それぞれに好きな店があって、でもしょっちゅう食べたいものでもない。だって小籠包以外に美味しい物、台湾にはいっぱいあるじゃん! 

それはその通りです。でも仕方ないです。日本人は小籠包の呪いにかかってるんですから。

ガイドブックを開けば、小籠包ページが必ずというほどあって、ヒダの数がどうだ—、皮の厚みはどうだ—、スープの量はどうだ—、肉の味付けはどうだ—、などなど特長を細かく分析してます。最近は「鼎泰豊」を取り上げる本も、とんと少なくなりましたね。とにかく新しい店を! という意気込みが誌面にみなぎっています。

でも正直・・・そんなに違いがあるかしらん? と、私は思ってます。

確かにヒダや皮やスープや餡の配分は違いますが、総じて美味しい物ではないでしょうかね。台湾人も絶賛していた、かつて通化夜市にあった小籠包の屋台は美味かった。しかしそれは自家製ではなく、もしかしたらどっかから買ってきて蒸してたのかも。少なくとも屋台で餡を包んではいませんでした。でも、それでも、美味いのです。

写真を見直していても、「これはどこの店の小籠包だったかしらね」と思い出せないこともしばしば。見た目はほとんど一緒ですから。
当たりはずれがないからこそ、小籠包の呪いは広く浸透しているのかもしれません。

「こりゃちょっと違う味だ」という小籠包とも出会いましたが、今回は「こりゃ小籠包には見えない」と思う、そんな店にご案内します。

見た目?(クエスチョン)小籠包を食べるなら、こう行って、こう注文【寶記小籠包】

【寶記小籠包】
住所:台北市大同區延平北路三段3號1樓(延三店)
営業時間:15:00~0:00
休み:月曜
最寄り駅:大橋頭(中和新蘆線)

大橋頭駅というのは聞きなれないかもしれませんが、ここからお洒落リノベタウンの大稲埕(ダーダオチェン)も徒歩圏内なので、何気に使い勝手がよいエリアなのです。

1番出口から出たら、延平北路を目指してください。ここは昼も夜もボンボン自動車が通る道ですが、夜になると両サイドに屋台が並び「延三夜市」に変身します。有名夜市と違って歩行者天国にはならないので、向かい側の屋台に行きたかったら、横断歩道を渡らないといけないのがちょっと面倒。でも台湾はバイクがフリーダムに爆走しているので、必ず横断歩道を使ってください。

この写真は店内からのものですが、店の前には蒸籠が積まれ、もくもく湯気が挙がっています。さあ、勇気を出してとっとと中に入り、空いてる席に座ってください。お店の人がオーダーに来てくれます。

書き込みメニュー表はないので、次の中国語を見せてください。

①(一、二、三、四、五)籠小籠包

②(一、二、三、四、五)碗酸辣湯

<訳と使い方>
①小籠包を(1、2、3、4、5)皿ください。←必要な皿数に〇を付けてください。一皿8個入り、一般的な小籠包のサイズなのでひとり一皿でよいでしょう。この後、食べ歩きするわ~というなら、ふたり一皿が適当かと。

②サンラータンを(1、2、3、4、5)椀ください。←サンラータンは日本でもおなじみになってきた、酸っぱ辛いスープです。でも台湾のは酸味も辛味も強くなくてマイルド。「辛味? 何それ」ってくらい。食べ歩きするなら、おなかいっぱいになるので頼まないほうが無難です。

あなたの小籠包が蒸しあがる間に、タレを調合しておきましょう。机の上には黒酢(醋と書いてあるボトル)と醤油。こちら、針ショウガはございません。辛いタレを追加したい場合は、壁際にあるワゴンの上から自由に取ってください。机の上にタレを作るプラスチックの皿がない場合も、このワゴンからどうぞ。

あ、無料の水やお茶はありません(もちろんビールも!)。甘い豆乳(豆漿)や梅ジュース(酸梅湯)はありますが、日本人的に小籠包と合うのかどうか・・・。ペットボトルのお水やお茶(やビール)を持ち込むことをおススメします。「いや、新しいマリアージュに挑戦するんじゃ」という方は、下記に必要な個数に〇をつけてお店の人にお見せください。

③(一、二、三、四、五)杯豆漿 

④(一、二、三、四、五)杯酸梅湯

しばらくもじもじ待っていると、はい来ましたよ!

えー! 蒸籠に入ってない! しかもまん丸! 小籠包じゃない!

うんうん、わかります。私もそう思いました。でもとりあえず口に入れてみてくださいよ。ほら、肉汁がじわっと溢れてくるでしょ? ひっくりかえしてみるとヒダもありますよ。

正真正銘の小籠包! でも言わなきゃわかってもらえない。

別に台湾のなかでの変わり種ではありません。こういうタイプもまた小籠包なんですが、日本人のイメージとはかけ離れているんですね。
でも見た目は違っても、皮はモチっとしていて、肉は噛みしめるほどに味がしっかりと感じられて、これはこれで満足できるはずです。

<会計>
小籠包 一皿70元
酸辣湯 一杯30元
豆漿 一杯15元
酸梅湯 一杯20元

こちら明朗会計で分かりやすいですね。壁にメニューと金額が貼ってありますので、金額に変動があった場合はそちらを優先してください。

有名店の行列に並んで味わう小籠包も、その労力がひと味添えてくれますが、こういう小籠包も特別感があって、気持ちをくすぐってくれると思います。

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