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人口60人、竹島「大名筍」訪問記

こんにちは!人口100名の火山島、口永良部島のケイです。
今回は、「鹿児島県の離島、三島村の竹島へ大名筍の調査に行ってきたレポ」です。

竹島って?

三島村HPより引用

領土問題で有名な竹島とは違います。(竹島に行ってくるよ〜と伝えると勘違いで驚かれました笑)
竹島は、鹿児島県三島村に属する人口60名ほどの島です。

三島村は、西から順に、黒島・硫黄島・竹島と横一列に並んでいて、鹿児島港からフェリーに乗ってそれぞれの島へ行くことができます。
(映画にもなった東京都の硫黄島は、「いおうとう」と呼び、鹿児島の硫黄島は「いおうじま」。「薩摩硫黄島」と呼んだりも。)


大名筍を調べに竹島へ

そんな竹島へ訪れた理由が、『大名筍』の調査です。

地面から顔を出す竹島の大名筍。3本の頭の葉っぱがカワイイ。

「大名に献上していたほど美味しいから大名筍」という逸話に違わず、アクがなく、瑞々しく旨味たっぷりの筍です。
口永良部島にも島を覆うように自生していて、毎年5〜6月になると島民は筍を求めて山に入る毎日です。
鹿や山羊も大好物で、この時期は野生動物との闘いが始まります笑

口永良部島ではせいぜい島外の知り合いに送ったりするくらいですが、竹島は、大名筍を昔から島の特産品として出荷しています。
「筍ってどれも同じでしょ?」と考えていた自分ですが、大名筍の美味しさを知って、島の外へ発信したいと思い、大名筍販売の先輩「竹島」へ勉強しに行ったワケです!

鹿児島港、フェリーみしま待合所近くの直売所。出荷した筍は毎回完売だそうだ。


口永良部島の大名筍との違い

①筍の大きさ

種類は同じ大名竹ですが、竹島の大名筍はひと周り〜ふた周り太いです。
硫黄島や黒島でも大名筍は採れるそうですが、竹島が一番太いと聞きました。
土壌や地形が影響しているのでしょうか?

太すぎないほうが食味が良い、と聞きましたが、やっぱり太くて大きい筍は立派だな〜と感じます。

収穫したばかりの竹島の大名筍。申し分ない立派な筍だ。

②竹林整備

竹島の竹林はとても丁寧に手入れがされていて、歩きやすく、また日当たりが良かったです。
年に2回、収穫時期前までに竹林の枯れ竹の撤去や、収穫用の道の整備などをしているそうです。

昔から筍を特産品として出荷してきた歴史があるから、島民が団結して竹林整備に取り組んでいるんだと感じました。
対して口永良部島の竹林は一部を除いて手入れはされていません。綺麗な場所は、足の悪いおばちゃんのために刈ってあったりして、個人消費が主な口永良部島と島外出荷を続けている竹島とでは、竹林からして違いました。

坂道は竹で階段を作ってあり、とても歩きやすい

③大型の野生動物がいない

竹島には筍を食べる野生動物(鹿や山羊など)がいません。
なので、筍を食べられたり、野生動物を媒介とする山蛭やマダニに困ったりすることもないのが良い点ですね。

口永良部島では、「このタケンコ、もう少し待てば大きくなるな〜!」と考えていると鹿なんかに食べられてしまいます・・・笑
なので鹿や山羊が食べられない、竹の大きな株の真ん中に大きな筍が生えていたりしていて、上半身を竹やぶに突っ込んで採るので、収穫が大変です。。

ネコチャンはいる🐈

他にもあると思いますが、この3つが大きな違いだと感じました。
筍の収穫も手伝わせてもらいましたが、整備された竹林に入っていき、大きな筍をポキポキと採っていける環境があるのは、とても羨ましかったです。

同じような環境を口永良部島でもとなると、土地の所有者問題だったり、鹿や山羊が入らないよう網で竹林を囲ったりと、越えるべきハードルが幾つもあります。

大名筍の出荷作業の様子。みんな慣れていて、テキパキと作業をこなしている。


まとめ

今回、筍の収穫から出荷作業まで、一連の流れを体験させていただきました。
昔から島外に販売してきた経験、知恵を見せていただけたのは、本当に感謝しかありません。

こうすれば大名筍、ひいては島のPRもできるんだ、と分かりました。
ただ、竹島と同じ売り方をしても、同じ大名筍では価格競争になってしまう、口永良部島での大名筍の魅力を考えて売り出していきたい、と感じました。

口永良部島に来てから2年、縁あって色々な島に訪れました。
屋久島、種子島、甑島、五島列島、そして竹島・・・
行く先々で、その島ならでは魅力を感じます。

それでもやっぱり、心の隅で(口永良部島に帰りたいな〜)と感じている自分に気が付きます。
それは口永良部島が好きだからに違いないのですが、

「口永良部島のどこが好きなの?」

この純粋な疑問にぶれない軸を持って答えられることが、島の魅力を発信するための大きなヒントになりそうです。

竹島の大名筍と。(ポッケ出てないよ)


今回竹島に大名筍の調査で訪問するにあたって、「NPO法人みしまですよ」代表の山崎晋作さんに大変お世話になりました。
故郷竹島の活性化に取り組まれており、上でご紹介した竹島の大名筍の販売も手掛けてらっしゃいます。

「島民は家族のように感じるなぁ。困っていたら自然と助けるもんね。」
スッと出た、晋作さんの飾り気のない言葉が、僕の耳に残っています。

たくさんの魅力的な取り組みにチャレンジしていらっしゃるので、ぜひHPを覗いてみてください。


先のことを考えて悩むことも多いですが、まずは目先の目標に向かって頑張ります!
それではまた〜。

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