音楽無双1
「何やってんだ福田、授業始まるぞ」
「あ、はい」
中川先生、中学一年生の時の担任だった。
俺は福田洋平。43歳。
2023年、システムエンジニアをやっている、はずだったが、
どういうわけかここは1993年、俺は中一だ。
家でテームス会議をやっていたはずだったのだが。
気付いたら西中学校にいたんだ。
最初は混乱し取り乱しもしたが、ようやく少し落ち着いてきた。
信じられないがここは間違いなく1993年だ。
そして俺は2023年までの記憶があるまま、13歳に戻っている。
これはデカすぎるアドバンテージだが、同時に最悪な気分でもある。
だって俺には妻も子供もいたのだから。
妻と子供はどうなったんだ?
また会えるのか?
冷静に考えてまた会うのは至難の業だ。
妻は1993年にもいるんだから、出会うことは不可能ではない。
だが同じ子供が生まれるなんて、、不可能だろう。
やめだやめだ。深く考えるのをやめよう。
何とかなるかもしれないし。
それよりいいアイデアを思い付いた。
2023年までの記憶があるということは、これを使うしかないだろう。
2023年の俺はうだつの上がらないシステムエンジニアだったが、
今は超人的に有利な状況だ。
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